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noteに投稿した詩をまとめました。 (pixivでは、過去作や詩集等も投稿されてます。よければそちらもよろしくです!→https://www.pixiv.net/users/6…
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2024年3月の記事一覧

[詩]「遠くへ」

自転車を走らせ

あの駅へ

遠くへ行こう

期待を抱いて

今までを壊せ

あの頃は

もう戻らない

仰ぐ青空

未来に夢を

電車に乗って

あの駅へ

遠くへ行こう

見慣れた景色が

消えていく

見慣れた誰かも

消えていく

たった一人でも

一期一会

助けてくれる声を

逃さないように

警告文を繰り返して

回した脳を

目的地に

ピンを指して

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遠くの情景

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[詩]「愛おしきあの夜桜へ」 #シロクマ文芸部

[詩]「愛おしきあの夜桜へ」 #シロクマ文芸部

ああ

愛おしき

あの夜桜へ

街頭に照らされ

輝く思い出

貴方はいつも

冬の耐えがたき

寒さにも耐え

どんな向かい風も

乗り越えて

ここまで来る

ただ

芽吹く時を

待ち焦がれて

ついに芽吹いた

春先の空

咲いた花びらは

いずれ散っていく

けれど

人々の心に

今も残り続けるものがある

ああ

愛おしき

あの夜桜へ

今年も見ることが

出来るだろうか

星々

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[詩]「卒業」

[詩]「卒業」

四方に囲まれた

白い部屋

誰かの寝息が

聞こえる廃墟

淡く照らされた

あばら屋で

卒業する

理屈抜きの

愛を込めて

白い砂浜に

桜を散らす

青い海に

溶けてくように

消えていく時間

カッコウの夜

絶望で満たされた

空の中

命を燃やせば

流れ星にすらなれるだろう

そんな夢を見た

あの日

いつ

どんな時も

変わっていく

身体と思考

そんな日々に

少し

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[詩]「目を瞑れば。」

[詩]「目を瞑れば。」

目を瞑れば

見えてくる夜空

一人彷徨く

ショッピングモール

広い店内

あちらこちらに

目移りして

心揺るがす

迷っていく

ある日

逃げ込んだ駅

切符を買って

改札へと抜けていく

遠くまで

行きたいと願って

行く先も分からず

乗り込む電車

変わっていく景色

期待と不安

目を瞑れば

夢を見る

未だに行く先は

定まらない

青空に移った

案内標識

あの街も

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[詩]「インスピレーション」

[詩]「インスピレーション」

脳に走る電流

直感が鈍る前に

思いを形に

失敗してもいい

間違いは

自分で塗り潰す

今日はこれ

明日はあれ

明後日はそれ

赴くままに

何もなくても

言葉を紡ぐ

繰り返して

可能性を探る

一切合切

洗い出して

意識を失うまで

考える

「何かが違う」

「これが好き」

その感覚を

大切にしてね

誰が言っていたから

その言葉が

胸を打ったから

直感が鈍る前

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[詩]「理想」

[詩]「理想」

いつの日か

何かを為したい

いつの日か

認められたい

そんな理想が

今も胸の中で渦巻いている

下っていく

それだった

人生が

上っていく

誰かの存在で

理想とする

夢があることで

いつの日か

誰かを救いたい

いつの日か

自分を救いたい

今までの私は

幸せだった

たくさん

優しくしてもらって

だきしめてもらえたけど

それでも

満足という果てを

作らない

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[詩]「文字の庭園」

[詩]「文字の庭園」

落ち着いた庭園

積み上がったいし

歴史を思わせて

梅の花が咲く

その高潔に 

たたずむ黒猫

その姿を

けづくろう

写真じゃ切り取れない

文字の庭園

水面は揺れて

流れて

心を潤す

静かな空間が

溢れていく

波紋のように

広がる無数の言葉

触れてはいけない

硝子の向こう

座り心地のいい

ソファーに腰掛けて

私も

景色の一部になった

眺めている

ひとりき

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[詩]「分岐点」

[詩]「分岐点」

地下通路を進む

張り巡らされる

蜘蛛の糸のように

提示される選択肢

暗がりの中

宝物を見つけに行こう

衝動に駆られる

手放せないものを

抱き締めて

誰かの意見を

受け入れて

その上で進路を決めていく

他人の指図なんて

関係ない

現状維持では

満たされない

そんな気持ちで

別れを告げる

少しの寂しさを

胸に秘めて

自由を目指して

乗り込んだ地下鉄

別の出口

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[詩]「独白」

[詩]「独白」

私は自分を晒すことが

苦手だった

批判や否定も恐れていたけど

なにより

理解されないことを恐れていた

思い出の数々

否定されて傷ついた心は

理解されずに苦しんだ心は

もう、元に戻ることはない

時計の針が

時を刻む

伝えても意味がないかもしれない

そうやって

諦めてしまって

めんどくさいって

自分の中で理由を作って

ふさぎこむ日々

それが

ずっと苦しかった

吐き

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