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noteに投稿した詩をまとめました。 (pixivでは、過去作や詩集等も投稿されてます。よければそちらもよろしくです!→https://www.pixiv.net/users/6… もっと読む
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[詩]「メメント·モリ」

[詩]「メメント·モリ」

暗がりに

満ちる光

私はただ

この瞬間

切り取った

一瞬が

どうしても

愛おしくて

死を思えば

いつか終わる

寂しいけれど

輝いている

歩を進め

橋を渡り

川を越え

彼岸花の

向こう側

例え

遠くに

行ったとしても

いっぱいの気持ちを

語らおう

生きていたいから

だるまさんたちは

転がって

ひとりひとり

消えていく

最後に残るのは

私だけ

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[詩]「綿毛のレター」

[詩]「綿毛のレター」

ふわりふわり

宙に浮く

綿毛のレターは

旅立って 

息をするように

手紙を書く

綴った言葉は

散っていく

ふわりふわり

いつか芽吹く

その日まで

誰かの心に

宿るまで

無意味だとしても

生きていたから

風を感じていた

光が満ちていた

思い返す過去に

さよならを

諦感が満ちたから

飛んでいけ

夢想する未来へ

希望で満ちたから

ふわりふわり

言葉を飛ばし

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[詩]「爛々と」

[詩]「爛々と」

今日は

何をしようか

爛々と

駅前に降りる

心に抱く

夢が輝く

夢を仕事に

稼ぐためじゃない

ありきたりじゃない

道のりだ

陽の目を浴びない

日陰にて

実るのは

ほんの一握り

どれだけ立派に

芽吹いても

誰にも知られず

花を散らす

けれど

そこには

自由がある

どこまでも輝く

青空の下で

追い続けるだけ

絶望すらも

昇華されていく

さぁ

明日は

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[詩]「白線を引いて」

[詩]「白線を引いて」

薄く

線を引いた

他人と

私の境界線

誰も

ここまでは

薄く

膜を張った

他人と

私の境界線

白線の

その先で笑う

伝えたいことは

あんまりなくて

他人への

関心が薄れていく

長きに渡り

完成した

精神の鉛

これからの

日々で

壊れることは

ないだろう

心残りが

あるとするなら

線を引けるほど

強くなってしまったこと

弱くなってしまったこと

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[詩]「曇天の未来へ」

[詩]「曇天の未来へ」

変わる未来と

モヤモヤ

幕が開ければ

語り部はいつも

全てを知っている

フリをする

不定形な

役者達

セットされた

舞台の裏で

溜め込んだ感情が

破裂した

決められた

言葉を裏切って

台本通りの日々に

さようなら

先は見えない

ノープランで

生きている

何が起こるかも

知らないで

未だ雲行きは

怪しくて

でも

確かなのは

未来には

倒れた私がいる

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[詩]「一枚のかみ」

[詩]「一枚のかみ」

1.かみさま

はんてんする

らくえんの

くらいくらい

ちかしつで

めがみさまに

たすけてもらった

あなたは

わたしのすべてになった

あなたといるだけで

みたされるこころ

どんなしごとでも

たえられるくらい

ほかには

なにもいらなくて

ただただ

いっしょにいたかった

それだけなんだ

2.回顧録というべきもの

あれから

時は経って

私は彼女と

離別した

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[詩]「果てに」

[詩]「果てに」

欠けているものがあった

心に穴が空いていた

何が足りないのか

その答えを求めるように

積み重なっていく

ルーズリーフ

目が悪くなるほど

手が黒ずむほど

知識が増える

その裏で

何が出来るかを

考えていた

詠われていく

慰みの詩

突き詰めていく

一人旅

やがて

心は満たされていった

その傍らで

ふと気になった

当然のように

一人じゃない貴方

集団の中で輝く

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[詩]「掬う」

[詩]「掬う」

焦がれた声で

湖の水を掬えば

差し掛かる

中盤戦

これからも

旅は続く

辿り着く果ても

知らないけれど

私を救うのは

私の役目

そう信じて

歩き続ける

もしも

この弱さを

認めてしまえたなら

生きることを

諦めたなら

楽になれるとしても

嗚呼

もう

辞めてしまおう

そんな思考を

振り切った

何度だって

失望した

他人に運命を

託しても

誰かに

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[詩]「勿忘草」

[詩]「勿忘草」

忘れられない

思い出がある

忘れられない

景色がある

吐き出したいほど

苦しいものもある

甘くて

切ないものもある

心が震えるほど

嬉しかったこともある

そんな

初めての味があった

忘れられない

大切な日々があった

そんな

思い出の数々を

今はそっと

しまってしまおう

心の戸棚の奥底に

これからの

未来を生きるのに

思い出している

暇なんてない

死に様

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[詩]「許して」

[詩]「許して」

退廃的なディストピア

機械的な双眸が

見つめる

この世には

多くの命がある

多くの人がいて

多くの考えがある

導きだす

合理的判断

故に

私は

貴方を許す

私たちの持つ

善も悪も

側面の一つ

犯した罪も

誰かを救った瞬間も

当然あるだろう

汚い策略も

ノープランな善行も

いつの日か

行ったはずだ

だって

貴方は

人間なのだから

私は

貴方を受け入

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[詩]「Glacier」

[詩]「Glacier」

これは

あの空を目指す旅

閉じ籠ってた過去に

さよならを

誰に言われるまでもなく

私は歩く

前人未到の氷河を往け

連なる山の数々

凍える世界が

吹き荒れて

一歩進むごとに

息すらも

出来なくなっていく

ただひたすらに

向かって来る

この寒さに

山頂に近づくほどに

退路も進路も

消えていくように

遥か遠く

陽炎が笑う

果てはない

どこまで行っても

広がる

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[詩]「梔子」

[詩]「梔子」

旅の開幕

白い花が揺れて

白色の箱が走る

降り立った先

街を歩けば

見えてくる

紅の門を潜ると

景色が移り変わる

未知への緊張は

解かれていく

穏やかな晴れ模様

苦難も

地獄も

乗り越えたなら

そこは天国

たとえば

それが思い違いでも

空蝉のように

果てたなら

白い花が咲く

初々しく

白桃が香る

春が来る

眼前を過ぎる

街路樹のように

口々に

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[詩]「縮図と才能」

[詩]「縮図と才能」

世界は

社会は

思ったより広い

そして

思ったより狭い

私は

まだ何も知らない

自分のことも

貴方のことも

無い物ねだりの

私達

道徳的な社会と

理性

そうじゃない世界と

本能

何処にいたって

井の中の蛙

大海を知らない

私達は

いつか自由を

夢に見る

もしもの才能を

空想する

きっと

どちらも持っていない

けれど

大きな夢はある

生涯を

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[詩]「GPS」

[詩]「GPS」

今いる私の現在地

地上の貴方と

地下に潜る私

同じであっても 

見当たらないね

知らない場所に行こう

GPSでターゲット

減っていく充電

時間とともに

夜になっていく

それでも

街は変わらない

行き交う道は

賑わって

地下も地上も

明るかった

目的地まで行こう

地図を使って

出会った貴方と

語らいあって

会えない貴方を

知らんぷり

それが

どれだけ身勝

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