[詩]「メメント·モリ」
暗がりに
満ちる光
私はただ
この瞬間
切り取った
一瞬が
どうしても
愛おしくて
死を思えば
いつか終わる
寂しいけれど
輝いている
歩を進め
橋を渡り
川を越え
彼岸花の
向こう側
例え
遠くに
行ったとしても
いっぱいの気持ちを
語らおう
生きていたいから
だるまさんたちは
転がって
ひとりひとり
消えていく
最後に残るのは
私だけ
寂しくはないよ
強がれるんだ
だって
あの瞬間を
忘れてないから
青空満ちた
暗がりの縁
日陰なだけの
息の根を止めて
新たな風が
流れていく
メメント·モリ
いつでも
私のそばにいる
少し怖くて
けれど美しい
死を思えば
今が輝く
1兆分の1にも
満たない
僅かな時間の
目を焼く衝撃
大気を揺らせ
切り取った
この一瞬
私は生きている
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