鶴川ロックマガジン

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天下を獲る気がない天才、加藤茶

ハナ肇とクレージーキャッツに感化されウエスタンバンドから一転、コメディの道に進んだ《桜井輝夫とザ・ドリフターズ》。桜井輝夫からリーダーの座を引き継いだベーシストの厳格さが仇となり、バンドは1964年に一度空中分解。義理堅いドラマーを除く他のメンバーに一斉に脱退され窮地に陥ったベーシストは、テレビでのレギュラー損失を免れるために半月ほどで再編を試みた。

その結果出来上がった5人組こそ、我々のよく知

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ミック・ジャガーの声について

あんたはぼろぼろの
服をまとって
路地裏に酔い潰れてる
深夜の仲間はみんな 
冷たい闇にあんたを
放ったまま消えちまう
たくさんのハエどもが
あんたにたかるんだ
俺には掃いきれないよ

天使たちが翼をひろげて
時を刻んでいる
微笑みながら
瞳を輝かせながら
俺にはあんたへ送る
囁きが聞こえるんだ

目をさまして
目をさまして さぁ
目をさまして さぁ

─ ローリング・ストーンズ「Shine

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「東村山音頭」とドリフの音楽について

東村山
庭さきゃ多摩湖
狭山 茶所 情が厚い
東村山四丁目
東村山四丁目

東村山三丁目
ちょいと ちょっくらちょいと
ちょっと来てね
一度はおいでよ三丁目 
一度はおいでよ三丁目

ワーオ
ヒガシムラヤマ イッチョメ ワーオ
イッチョメ イッチョメ ワーオ
イッチョメ イッチョメ ワーオ
ヒ・ガ・シ(ワオ)
ムラヤマ イッチョメ
ワーオ
  
─ 志村けん「東村山音頭」(1976年)
 

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特撮じゃない特撮「ウルトラファイト」

「ウルトラマン」シリーズ史上最も異彩を放つものに「ウルトラファイト」(TBS:1970-71年)がある。ぼくは80年代の再放送世代。たしか毎朝5時台に局のオープニング映像、童謡のビデオクリップに次いで放送され、当時ビデオデッキの使い方をおぼえたばかりの兄がまめに留守録していた。

「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」の放送が終わってからの円谷プロには暫しヒット作が出ない低迷期があった。世の子供たち

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謎の長寿アニメ「親子クラブ」

永年さりげなく存続してきて、遂になくなったと分かったときにだけ何かを心にもたらすものが、世の中には数々ある。テレビの中に限ると、ぼくがそのてのもので真っ先に思い出すのは、エイケンが20年近く制作していた関東ローカルの5分アニメ「親子クラブ」(1994-2013年)だ。

日常生活のちょっとした知恵を紹介する(ミニ枠ではよくある)趣向を、敢えてアニメ主体でやっていた番組。エイケンといえば「サザエさん

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夕暮れのラジオ「AVANTI」が恋しい

今から9年ほど前の日記をたまたまみつけたら、ポケットラジオを買ったと書いてあった。球場のオヤジが観戦しながら片耳で聞くやつ。で、買った理由は土曜夕方5時からTOKYO FMで「Suntory Saturday Waiting Bar」(1992-2013年)を聴くためだとある。外出の予定がある休日、いつも不安なのは放送開始までに帰ってこれないかも知れないことだった。球場のオヤジになってまでして聴き

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ユニコーンと日本のロックジャーナリズムについて、ちょっと思うこと

今春『ミュージック・マガジン』がユニコーンを表紙・巻頭特集に扱った。同誌は創刊50周年にちなんだ様々な特別企画をやっている最中で、従来とは毛色の違うモノを大々的に取り上げることもその一環なのかも知れない。中身のほうは“語りたいことを絞った人”と“書けることで埋めた人”とで評文の温度差が目立つものだったが(作品の外にある情報でそれらしくするのは著名評論家に多い悪癖だ)とかく、語られざる彼らに新たな風

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1コマ目で4コマ分笑わせるマンガ家、中川いさみ

ぼくが今まででいちばん愛読してきたギャグマンガは「クマのプー太郎」(1990-94年、小学館)だ。当初の単行本で全5巻保管しており、大げさでなく全ネタおぼえるだけ読んだ。学生時代の友人にぼくと同じレベルのファンが1人いて、今でもたまに会うとクマプーから引用したギャグを交わすのが習慣になっている。

4コママンガにおける笑いを大別すると、いわゆる起承転結に則ってサゲる伝統的なものと、早い段階でアイデ

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「学生節」とボブ・ディラン

クレージーキャッツの関連楽曲で、ぼくがいちばん好きなのは「学生節」(1963年)である。クレージーというと大半は青島幸男と萩原哲晶のゴールデンコンビが手がけているが、本曲は代表曲のひとつながら、作詞が劇作家の西島大で作編曲が山本直純という異色コンビによるものだ。

ブラスバンドが規則正しい4拍子を奏でる依存性の高い曲調の中、最たる聴きどころは1番の植木から2番の谷へと繋がるところ。このツートップの

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爆笑問題が大好きっていう話

地球から見える星の輝きは、今のものではなく遠い過去のものだという。ならば、もしも凄まじく高性能な望遠鏡が開発されて遠い星の上から地球を覗くことができたら、江戸時代の風景なども見えるかも知れない。コレ、太田光の発想である。

かつてNHKでレギュラー放映されていた「爆笑問題のニッポンの教養」の中でタイムスリップの現実性が話題になったとき、太田は“星空を見ることも一種のタイムスリップだ”という持論で対

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