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【化学】最近の水素や太陽電池などのエネルギー関連のニュースについて

【非常用エネルギー】廃材アルミから水素生成?

アルミの削りくず×水で新エネルギー「水素」抽出(2021年9月14日)
チャンネル:ANNnewsCH

化学の最初の方で習うイオン化傾向の差(Al>H2)を利用した感じですね。これなら鉄粉でも案外とイケるかも?と思ったけど、イオン化傾向が小さいために高温水蒸気が必要になりそうです。

ちなみに、これは一般的なエネルギーとしてではなくて、自然災害に見舞われた時や緊急時といった非常時のエネルギーを確保するためのものらしいです。そうなると、問題になるのは平時にアルミが空気中の水分と反応して劣化しないように工夫することでしょうかねぇ。「どうせ捨てられちまうくらいならエネルギー源として使おう」というのは良い取組みですね。

【環境を破壊する太陽電池は不要】フィルム状の太陽電池ですと?

東芝 "都市を発電所に変える"フィルム型「ペロブスカイト太陽電池」世界最高の変換効率を達成(2021年9月10日)
チャンネル名:テレ東BIZ

火力や原子力よりも発電コスパが悪い癖にやたら高価で、日光が出ている時しか発電できないのが太陽電池のネックです。大前提として、単位面積あたりの光ー電気変換効率を限界までアップさせること、自然環境を極力破壊しないこと、普及させるために製造にかかるコストとエネルギーを抑えることが求められるでしょう。

■メガソーラーは産廃もどき
昔からあるシリコン型太陽電池は大規模パネル(メガソーラー)を設置する場所を作るためにわざわざ山林を切り倒していますが、これでは何が環境に良いのかさっぱり分かりません。豪雨によって山崩れも起こりやすくなりますし、使用部材から有害金属が漏れ出して土壌汚染・周辺の農地閉鎖を引き起こす可能性が常時あるのです。

業者は "CO2を排出しないクリーンエネルギーだ" と宣伝してますが、これは使用者がちゃんと稼働しているのを見ている時だけに限った話で、単なる子供だましです。製造時にはバンバンCO2が出ますし、製品には有害金属が含まれているので、別にクリーンでも何でもありません。

メガソーラーの個人的な認識は、わずかな電力という一利を得るために山林を切り倒して土砂崩れを発生しやすくするだけでなく、土壌や農地、ひいては人命までをも危険に晒す百害をもたらしかねない産廃もどきです。(特に外資系の)太陽電池業者と癒着しているのか知りませんが、地方自治体がメガソーラーを設置するという環境破壊の助長を見ていると吐き気がします。

日本は太陽光パネルを地面に直置きできるほど領土に余裕がないので、できれば家屋やビルの屋根、壁、そして窓などに設置できるタイプの太陽電池の方が環境面を考えても望ましいことです。大量に設置するためにはガラス製の重たいパネルは適しません。そこで登場したのがニュースで出ていた軽量なフィルム状太陽電池というわけなんです。

1950年代に宇宙開発が始まり、宇宙での電力確保の必要性から誕生したシリコン型太陽電池の理論限界効率は約30%で現在はそれに近い数値が得られています。一方、2009年に発表されたフィルム状太陽電池は研究が浅いのでまだ15%程度にとどまっています。

現状は2倍の設置面積にすればシリコン型とトントンの勝負ですけど、将来はタイマンでシリコン型の理論限界効率を超えることが目標でしょう(それくらいの気合でやらないと実用化が遠くなりますね)。耐用年数やコスト面でも上回る必要がありますし、あと材料として使用している重金属・鉛もいずれ環境負荷の小さい元素にしていくのが理想だと思いますね。

( 'ω' ).。oO( 期待して見守りましょう

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