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【将棋】対照的だった藤井三冠の竜王戦第三局とNHK杯

【速報】藤井三冠勝利、タイトル奪取に王手<竜王戦 七番勝負 第三局2日目>│ABEMA将棋
チャンネル: ABEMA 将棋チャンネル【公式】

本日の藤井三冠は竜王戦第三局2日目と朝のNHK杯(事前収録)の並行した対局だった。竜王戦第三局は▲2二角という記憶に残る手を放って豊島竜王相手に1手勝ちを収め、竜王奪取に王手をかけた。最終手▲3四香で、▽同龍と龍王を敵陣から退いてくれば詰みまでの手数は伸びるのだが、龍王を退かずに投了したこと=豊島竜王の退かない意志と重なって感じられた。

それに対して、NHK杯では相手の深浦九段に一方的に押されての敗戦で、竜王戦とはとても対照的な内容になってしまった。NHK杯の収録日は未発表なのだが、これだけの大差が生じたのには一般棋戦に加えて、タイトル戦やイベント参加、普及活動が運悪く重なって、充分な休養や準備をする時間が取れなかったのかもしれない。あと、ホームの愛知からNHKがある東京への移動疲れも多少あったのではないか、と勝手に想像したりする。

【国際将棋フェスティバル2021】藤井聡太三冠 対 第8回国際将棋トーナメントオンラインVer.優勝者による記念対局
チャンネル: JapanShogiAssociation

憶測はこの辺にしておこう。NHK杯の結果に対する原因としては2点考えられる。

1つ目は、相雁木に対しての知識が不足していた可能性が挙げられる。藤井三冠の対局の戦型は角換わりと相がかりに偏っていて、雁木を指している姿は最近めったに見ない。この場合、深浦九段の事前研究と戦形誘導が見事にハマった形と言えるだろう。それゆえに、本対局を機に藤井三冠が雁木に対する造詣を深めた時、勝負がどう転ぶかは分からなくなる。次の対戦機会を楽しみに待ちたい。

2つ目は、NHK杯の持ち時間が10分と早指しであることが挙げられる。最近行われた第4回ABEMAトーナメントの持ち時間5分と1手当たりプラス5秒に近いくらいの感覚だろうか。ここまで短期決戦だとミスが出やすくなるし、その場での勢いや直観力、対戦相手との相性、短期決戦自体の得手不得手など力量以外の要素が勝敗に絡んでくる。レーティング(平時の力量)から算出される期待勝率は余りあてにならないタイプの棋戦と考えた方が良いだろう。

とりわけ、ABEMAトーナメント準決勝ではチーム藤井(藤井三冠所属)とチーム菅井(深浦九段所属)がぶつかっており、この時はチーム藤井が勝利して、そのままABEMAトーナメントを制覇している。深浦九段としては、ひとつやり返した格好と言えるだろう。深浦九段にはこのままNHK杯選手権者まで駆け上がっていただきたい。

٩( 'ω' )و.。oO( がんばれ、深浦九段!

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