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ケアの再定義

何度も繰り返し述べてきたことになりますが、あらためて「ケア」について。

「ケアする人」の定義については、あおいけあの加藤社長が以前とても分かりやすく説明をしてくださっていました。

健康に問題のある人に対して、

① 回復を目指し
② それが出来なければ、現在の機能を保ち
③ いずれも出来ない時には最期まで寄り添う

のが私たち介護職の仕事となります。

また、③については、本来は①や②の後に来るものではなく、それらを網羅する「ひとりの人間として向き合う」という条件でもあります。

寄り添う人間がいなかったり、寄り添う人間の意識が変化したりすることから認知症当事者や障害を持つ当事者の孤立が始まるからです。

どうしても、普段から介護の現場にいると、「ケア」という言葉の意味合いとしては、「介護」や「看護」、それから「お世話」のような意味合いで受け止めてしまいがちですが、これらとは別に「配慮」といった意味もあります。

配慮、つまりは「気にかけること」です。

目の前の人の機能が回復しているかどうかを気にかける。
目の前の人の機能が維持できているかどうかを気にかける。

サービス提供する目的が、「お客様をお元気にすること」である限りは、それらのことを気にかける必要があります。

ただ、機能の回復や維持というのは、あくまでも身体的に元気であるかどうかということであって、これは生き甲斐ややり甲斐を見出していくための前提条件のひとつでしかないと考えています。

以前も触れましたが、哲学者のハンナ・アレントは、「人間の条件」の最上位は活動を通して誰かと関わること、誰かの役に立つことと述べています。

だとすると、私たちプロの介護職が本当の意味で気にかけないといけないのは、お客様の状態の回復や維持は当たり前のこととして、さらにその先にあるもののような気がします。

ケアとは「気にかけること」。

「目の前のその人が『幸せな状態であるかどうか』を気にかけること」が、ひょっとしたら本来私たちが追い求めないといけない関わり方なのではないでしょうか。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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