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SDGsという最新ファッション

SDGs(持続可能な開発目標)が唱えられ始めて、だいぶん世の中でこのキーワードやシンボルを目にする機会が増えてまいりました。

昼時に商店街などを歩いていると、結構目立つSDGsのシンボルのピンバッジを胸につけて、歩きタバコをしながら徘徊するサラリーマンとすれ違うこともあります。

「こういう人間こそ持続しないでいただける方が、却って世の中のためになるんじゃないか」なんてことを考えてしまいますが、自分が所属している組織が標榜している以上、その意味なんて分からないままでもファッション感覚でピンバッジを付けている社員なんて結構多いのではないかと勘繰ってしまいます。

もっと言えば、その組織自体も本当の意義なんて見い出せていない中で、他社も取り組んでいるからとか、やらないといけないというか、とりあえず乗っかっておこうと「良いことをしているという肩書」欲しさにSDGsを取り入れている企業も少なからず存在するのではないでしょうか。

株式市場の上場の条件にも含まれてくるなど、そういった基準を満たすために必然的に取り組まないといけないということもあるかと思いますが、やはり大切なのはさせられて取り組むのではなく、本来の目的を組織としてきちんと噛み砕いて、個人レベルで取り組めるように落とし込んでいくことです。

そもそもは、その企業の提供するサービスや商品に需要があって、それらを使うお客様にとってありがたがられているものなのであれば、本来一番大事なのはお題目として唱えられているSDGsなどではなくて「その企業そのものの持続性」です。

世の中に毒となるものを提供しないこと。

まずは、これが一番。

そして、今SDGsによって求められているのは、「毒ではないものを提供するまでの過程において、毒となるものを生み出さないこと」なのだとシンプルに捉えています。

ウチは介護の会社ですから、この二つを現場にどのように落とし込んでいくかということですよね。

介護保険などの保険制度には財源がありますし、そこは有限ですから、一番財源を抑えるためには介護保険制度の利用者数を減らしていくことです。

ということは、いつも言っていることになりますが、私たちの一番の目標はやはり「お客様をお元気にしていくこと」。

この考え方と取り組みは直接SDGsに繋がっていくのだと捉えています。

あとは、そのサービス提供をする際に活用している資源や環境をどれだけクリーンなものとしていくか、使用する車両や施設で使用するエネルギーとその循環などへの取り組みが求められる要素となります。

少し難しい思考となりますが、組織の全体の目標がきちんと部分の目標にも含まれて、また各部分の目標が組織全体の目標にも含まれている、そうした人間の身体を構成している各細胞や各部位や本体とのような「統合された関係性」の構築というのが、このSDGsへ取り組んだ先の未来には求められているような気がします。

当社の環境整備の指導者の師匠に当たる「日本を美しくする会」の鍵山秀三郎さんが、次のように述べられています。

そこに働く社員の人たちが、心を荒ませて社会に迷惑をかけながら、ただ仕事の能率だけを上げているとしたら、本当にその会社は社会に存在して欲しくない会社になってします。

仮に売上や利益がよその会社に劣ったとしても、その会社の社員一人ひとりが社会人として立派な資質を備えていたとしたら、その会社は存在価値があると思うんですね。

決して単なるお題目ではなく、「世の中に必要とされる企業として生き残るためにどうしないといけないか」、この前提の上にSDGsへの取り組みが構築されていかないと意味がありません。

一人光る
みな光る
何もも光る

人間国宝の認定を辞退された有名な陶芸家、河井寛次郎氏の言葉です。

初めから一気に膨大なエネルギーを使って取り組むのではなく、少しずつその輪を広げていくことが、単なるお題目とならずに着実な取り組みにつながっていくのだと信じています。

ささやかなこと、地味なことから一歩ずつ。

私もまだまだ勉強中の身ですので、落とし込んでいくために少しずつ形にしていきたいと考えています。

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