定まらぬ焦点 回る世界 口の戸は開け放たれ 意識が宙を飛び回る 緩み切った赤ら顔 混迷する夢現 錯綜を続ける言葉の群衆 歪な形に並べて笑う 日々の多くは生き辛く 明日…
陽だまりが消えた 消えることは分かっていた どうにも出来なかった 雑に言うならば運命だった 陽だまりが消えた 二つ目なんて存在しない これが最初で最後 唯一無二の温も…
陽光と蒼穹で織ったカンバス 海風が描画する白い岸辺 雲間を流れる青は大河か、大海か 岸をも巻き込む大渦か 望月と空夜で織ったカンバス 陸風が描画する青い岸辺 雲間を…
雨が迷っている 梅雨の最中の真夏日に 雲が迷っている 呵呵大笑する太陽を背に 天気予報が迷っている 曇マークに40%でお茶を濁して 私が迷っている 今日の予定と傘を片手…
成層圏から見遣る星 高峰から望む月 黄昏た水底から見上げる太陽 彼我の距離はそんなもの 君は言う 誰でも最初は原石なんだ 可能性の塊なんだ 努力と経験で磨け…
探している 白紙の湖面に投げ込む言葉を 探している 果てのない彼岸で1人 歩き回る 心と感情の瀬戸際を 探して回る 散らばる語彙から素敵なものを 掴み上げて思う この言…
溜息と共に起き上がる 草木も寝惚ける丑三つ時 うんざりしながら服を着る 衣擦れだけが静寂に笑う 背筋が曲がっている 鏡の前でだけ正してみても 心が折れている 濁り切っ…
澄み渡る明朝 空色は紺から赤を経て白に 音を立てて輝き迫る 炎のような朝が来る 薄く陰る早朝 空模様はまるで鯨幕 風以外に沙汰は無い 不気味で不吉な朝が来る 暗く重い…
湿度の底に沈む月 舞い上がった雲に隠れる 唸り声は嗚咽にも似て 竜胆色の雨が降る 夜半の褥に積もる闇 澄ました耳朶を雨が叩く 勝手に軒を楽器に騒いで 眠気は浅瀬を行っ…
独立した価値観と世界観 共有することの出来ない主観 私とは世界だ 私一人しか存在しない世界だ 似た感性に理解は示せる それでも完全には分からない 他人とは世界だ 観測…
風が歌う 少し開けた窓と 厚く閉ざしたカーテンの隙間で 外に出て来い、と誘っている 風が走る 日向と日影の狭間で産まれて 当てもなく走る 行き先など特にないのだろう …
固い空に背中を預ける 日も沈み切らぬ夜の途上で 煮詰まっていく青の底に月を探す 昼の香りを残す風の中で 水面に戯れる雲を愛でる 地平線へと今日を見送りながら 後に続…
固く結んだ唇 食い縛った歯 胸の奥で滞留する心 行き場のない言葉が血に溶ける 全身に行き渡る 心から産まれ出た言葉が 血の如く全身を巡る 心臓の鼓動に後押しされて 唇…
天辺の砂浜 群青色に輝く 押し寄せる波は灰色 満ちて光と青を埋める 山系の絵画 濃淡入り混じる翡翠のモザイク 開園時間は日が陰るまで あとは静かに戦ぐだけ いつだって…
雑草は飢えている 金網の上の不揃いな花畑 周りには花々 今日も高く華麗に咲き誇る いつも乾いている 空には名も顔も知らぬ雨雲 降り注ぐのは雨か、罵倒か、賞賛か 浴びる…
雨が降っていた 淡く晴れ渡る昼下がり サンルーフ越しの桜の下で 雨音は微風のふりをして 雨が降っていた 空白が居座る助手席の隣 窓越しに手を振る桜の横で 誰にも知られ…
うどぅん・てんぷらー
2023年2月12日 20:17
定まらぬ焦点回る世界口の戸は開け放たれ意識が宙を飛び回る緩み切った赤ら顔混迷する夢現錯綜を続ける言葉の群衆歪な形に並べて笑う日々の多くは生き辛く明日は嫌でもやってくる逃げるつもりはないこれは挑むための酩酊だ臆するな四行の最中で単語と踊れ恐れるな嗤っているのは路傍の石だ恥じるなその言葉が己の全てだと酔っぱらえ今日を足掻く自分自身にさあ、格好良く酔おう
2024年7月21日 18:31
陽だまりが消えた消えることは分かっていたどうにも出来なかった雑に言うならば運命だった陽だまりが消えた二つ目なんて存在しないこれが最初で最後唯一無二の温もりだった陽だまりは消えた後には雨が降るだけだいつまで、なんて分かるものか止むまで降るんだ、さめざめと陽だまりは消えた降り続いた雨も止んだ気化した熱に奪われて跡は日に日に薄れていく忘れてしまうのか私を支え続け
2024年7月14日 19:36
陽光と蒼穹で織ったカンバス海風が描画する白い岸辺雲間を流れる青は大河か、大海か岸をも巻き込む大渦か望月と空夜で織ったカンバス陸風が描画する青い岸辺雲間を行く水面に輝くは星か鏡写しに煌めく人の営みか長く残りはしないのだろう同じ風は吹かず同じ雲は生まれず同じ景色は望めないなんだってそうだ同じものに出会う日など来ない同じ喜びは見つからず同じ色の涙が流れることはない
2024年7月7日 19:06
雨が迷っている梅雨の最中の真夏日に雲が迷っている呵呵大笑する太陽を背に天気予報が迷っている曇マークに40%でお茶を濁して私が迷っている今日の予定と傘を片手に明日の予定に空模様不透明なものばかりだ一寸先は闇こんなに眩しい晴れでも同じ不安は尽きない明日の天気はどうか楽しく過ごせるかまた、次の日に命を託せるか期待も尽きない明日の天気はどうか楽しく過ごせるかま
2024年7月3日 19:26
成層圏から見遣る星 高峰から望む月 黄昏た水底から見上げる太陽 彼我の距離はそんなもの君は言う 誰でも最初は原石なんだ可能性の塊なんだ 努力と経験で磨けば輝ける私は願う 世の大半は唯の石 磨いても磨いても唯の石 光らず最後は雲散霧消生きていけるか 『格』『次元』 『才能』『住む世界』 沢山の言い訳に埋もれて生きていると言えるか 言い訳を食み続けて諦めに眩
2024年6月30日 19:33
探している白紙の湖面に投げ込む言葉を探している果てのない彼岸で1人歩き回る心と感情の瀬戸際を探して回る散らばる語彙から素敵なものを掴み上げて思うこの言葉でいいのだろうか振りかぶって思うこの想いでいいのだろうか答える者はない止める者もいない答えがあるとは思わない止まるつもりもない力の限り投げ入れる軌跡は重力の愛の形波紋の生誕を見届ける凪いだ世界に風が吹く
2024年6月23日 18:06
溜息と共に起き上がる草木も寝惚ける丑三つ時うんざりしながら服を着る衣擦れだけが静寂に笑う背筋が曲がっている鏡の前でだけ正してみても心が折れている濁り切った目を見て悟るそれでも、ドアを開けてしまう怠惰と辟易が止めても構わずにガラスの向こうは青い白昼アナタに会いたい一心だった空に薄雲、月に暈波及する光は夜を昼間に輝く風が世界を満たしてそして、私に届くだろう濁った
2024年6月16日 18:55
澄み渡る明朝空色は紺から赤を経て白に音を立てて輝き迫る炎のような朝が来る薄く陰る早朝空模様はまるで鯨幕風以外に沙汰は無い不気味で不吉な朝が来る暗く重い朝方夜と変わらぬ黒い空雨音と雷鳴に満たされた前途多難な朝が来る再来を願う朝があり二度と御免な朝もある同じ朝に覚えはない夜明けはいつでも千変万化明日はどうなる隣にいるのは希望か、苦境かそれがどちらであろうとも
2024年6月9日 17:34
湿度の底に沈む月舞い上がった雲に隠れる唸り声は嗚咽にも似て竜胆色の雨が降る夜半の褥に積もる闇澄ました耳朶を雨が叩く勝手に軒を楽器に騒いで眠気は浅瀬を行ったり来たりこんな夜に考える考えても仕方のないことを嫌々ながらに考える眠れぬ夜に拍車が掛かる答えを探している何度も打つ寝返りの先で見つかるはずもないだろうこんな冴えぬ思考と冴えた目できっと、明日は大変だろう諦
2024年6月2日 18:44
独立した価値観と世界観共有することの出来ない主観私とは世界だ私一人しか存在しない世界だ似た感性に理解は示せるそれでも完全には分からない他人とは世界だ観測しきれない別の世界だ人混みに揉まれていても親しい誰かと笑っていても愛する誰かに触れていても目を閉じれば、人は一人だそれでも、一人では生きられない目を閉じては生きていけない愛も友情も優しさも他人を理解しようとする現
2024年5月26日 17:20
風が歌う少し開けた窓と厚く閉ざしたカーテンの隙間で外に出て来い、と誘っている風が走る日向と日影の狭間で産まれて当てもなく走る行き先など特にないのだろう風が歩く人生の岐路で立ちすくむ横を渦を巻いて煽る時間と同じで待ってはくれないらしい羨ましく思う駆け抜ける、その爽やかさが眩しく映る迷ってばかりの私の目には上手く生きることが出来るか誰かより幸せに終われるか何
2024年5月19日 18:58
固い空に背中を預ける日も沈み切らぬ夜の途上で煮詰まっていく青の底に月を探す昼の香りを残す風の中で水面に戯れる雲を愛でる地平線へと今日を見送りながら後に続く明日が追い付くことはあるのか赤ら顔を伏せる雲達を見ながら思う風が走っていく私と仰臥する原野の傍らを幕間が終わる舞台の中心に月が登る夜は群像劇星だけでは寂しい虫の声だけでは悲しいさりとて、月だけでは寒々しい溌
2024年5月12日 17:23
固く結んだ唇食い縛った歯胸の奥で滞留する心行き場のない言葉が血に溶ける全身に行き渡る心から産まれ出た言葉が血の如く全身を巡る心臓の鼓動に後押しされて唇はまだ開かない歯の根も固く合わせたまま皺を寄せた眉間の奥でより良い形に削っていく言葉をもっと血に溶かせ五体を満たすにはまだ足りぬ満ちた言葉同士が擦れ合えば勝手に詩になるのだろうかそう上手くはいかないどれだけの
2024年5月5日 17:16
天辺の砂浜群青色に輝く押し寄せる波は灰色満ちて光と青を埋める山系の絵画濃淡入り混じる翡翠のモザイク開園時間は日が陰るまであとは静かに戦ぐだけいつだってそうだ世界が輝く時間を知りながらいつだってそうだ残るのは輝きが褪せる瞬間ばかり錯覚しそうになる世界は暗いのだと人生に光は無いのだと悲嘆に暮れるのが癖になるそういう日こそ、笑う声なんて上げなくていい下を向いた
2024年4月28日 16:54
雑草は飢えている金網の上の不揃いな花畑周りには花々今日も高く華麗に咲き誇るいつも乾いている空には名も顔も知らぬ雨雲降り注ぐのは雨か、罵倒か、賞賛か浴びる端から金網を擦り抜けて太陽はあまり見えない誰もがそれに向かって伸びるからそれでも、負けじと太陽を目指す雑草にも命の性がある恨みはしない花に生まれなかったことを嫉みはしない更に伸びていく花達を違う命だ伸びる速
2024年4月21日 18:25
雨が降っていた淡く晴れ渡る昼下がりサンルーフ越しの桜の下で雨音は微風のふりをして雨が降っていた空白が居座る助手席の隣窓越しに手を振る桜の横で誰にも知られずシトシトと雨が降っている車を汚すこともなく桜を散らすこともなく思い出に咲く花が枯れないように雨が降っている笑顔は去年に置き去りで喜ぶ声が今年を迎えることはないそれが、たまらなく寂しくて雨は、まだ止まないこ