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天才に告ぐ

成層圏から見遣る星

高峰から望む月

黄昏た水底から見上げる太陽

彼我の距離はそんなもの

君は言う

誰でも最初は原石なんだ
可能性の塊なんだ

努力と経験で磨けば輝ける

私は願う

世の大半は唯の石

磨いても磨いても唯の石

光らず最後は雲散霧消うんさんむしょう

生きていけるか

『格』『次元』

『才能』『住む世界』

沢山の言い訳に埋もれて

生きていると言えるか

言い訳をみ続けて
諦めに眩んだ眼が

君の背中を見失う日々を

生まれてきた甲斐があるか

上ばかりうらやんで
下ばかりさげすんで

一歩も進めない人生に

君は星ではない

君は月ではない

太陽なんかでは決してない

私と同じ組成の生き物だろう

背中は遠いさ

遥かに遠いさ

それでも、同じ地平に

私の前にしかないというのなら

君に告ぐ

走り続けろ

跡は勝手に追い掛ける

私なんぞに影を踏ませるな

追い付けないことをは
走らない理由にはならない
夢の終わる日は

私が納得した日にしか来ない

天才に告ぐ
輝き続けろ
同じ地平の遥か彼方で
私が削れて消えた、その後も


――――――――――――――
あとがき

毎度ご精読いただき、ありがとうございます。
今回の詩は、昔に作った詩のリメイクです。
少し、思うところがあって書き直しました。
楽しんでいただければ幸いです。

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