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初心を忘れて、空を見て

陽光と蒼穹そうきゅうで織ったカンバス
海風が描画びょうがする白い岸辺
雲間を流れる青は大河か、大海か
岸をも巻き込む大渦おおうず

望月と空夜くうやで織ったカンバス
陸風が描画する青い岸辺
雲間を行く水面に輝くは星か
鏡写しに煌めく人の営みか

長く残りはしないのだろう
同じ風は吹かず
同じ雲は生まれず
同じ景色は望めない

なんだってそうだ
同じものに出会う日など来ない
同じ喜びは見つからず
同じ色の涙が流れることはない

だから、願うのだろう
景色を、心を、人生を
これからと今までを
何かで残しておきたい、と

それが初心だ
それが動機だ
それが根幹だ
それこそが、私の炉心の火だ

私は時々、見失う
色々なものに囚われる
迷い迷って彷徨って
最後はいつも空を見る

太陽で目を洗う
月光で心を洗う
風に背中を押されて
私は初心を取り戻す

さて、何を残そうか


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