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【読書感想文】東野圭吾「レイクサイド」

こんばんは~
レイクタウンにある湖を湖際から眺めるのが大好きな男、小栗義樹です!

本日は読書感想文です!

まずはお礼をさせてください。
先週の「ねじまき鳥クロニクル」の感想文、非常に多くの方に読んで頂けたようで、本当にありがとうございました!

ねじまき鳥クロニクルには、本当に様々な感想を抱いておりまして、また違った側面から、感想をアプローチしていきたいなぁと思っておりますので、よければ楽しみにしていてください!これからも、この作品を一緒に語っていければと思っております。

さて、今回はリクエスト回になります。
東野圭吾の「レイクサイド」は読みましたか?私はあの作品が大好きで、読んだことがあれば感想を聞いてみたいです。
というお問合わせを頂きました。

ありがとうございます!こういうリクエストを頂くと非常にやる気が出てきます!リアクションがあるって、本当にありがたいことです。これからも頑張りますので、よろしくお願い致します。

それでいて今回のこのリクエスト、非常に素敵なものでした。というのも僕、読書感想文という企画をやっているのに、東野圭吾さんのことをすっかり忘れていたのです。

日本の小説家と聞いたとき、村上春樹さんと同じくらい名前を聞く、いわば現代日本文学界の2大巨匠。この2人なら、そういう風に括ってしまってもいいんじゃないでしょうか?

ね?

素敵な小説家は沢山いますけど、とにかくこの2人は、間違いなく天才と呼べると思います。

そんな東野圭吾さんですが、レイクサイドはどうなのでしょうか? 東野作品の中では、メジャーとマイナーの中間くらいに位置しているのでしょうかね?

ポジションはよく分かりませんが、2002年のこのミステリーがすごい!の中で28位にランクインしています。ちなみに僕の大好きな作品です。

東野圭吾さんの作品は、「放課後」「白夜行」「容疑者Xの献身」「鳥人計画」「レイクサイド」「パラレルワールドラブストーリー」「悪意」「夜明けの街で」あたりが好きです。

いずれこれらの作品も、感想文を書いていきたいと考えております。

熱狂的なファンというほど、作品を網羅しているわけではないかもしれませんが、ファンであることは間違いありません。どう考えても面白いし、何回読んでも飽きません。

レイクサイドは、受験合宿に集まった4組の家族とその合宿を束ねる塾講師の異常性を、ある事件を通して暴いていくミステリー小説です。

このミステリー小説の面白いところは、事件の解明と一緒に「登場人物の異常性」までもが明らかになっていくという点だと思います。というか、もはや異常性の部分が主題なのではないでしょうか。なにせミステリー小説なのに、犯人が最後まで分かりませんからね。分かるんですけど、分かりませんからね(笑)

僕の中でこの作品は、ミステリーの皮をかぶった人文学になっています。というか、ミステリー部分も超絶に面白いので、ミステリーの皮をかぶった人文学を超越した別のなにかだと思っています。

この物語は明確に難解な部分が1つあって、それがオチだと思うんです。これ多分、かなり賛否が割れるんじゃないかなと思います。分かりやすいオチがきちんと設定されているんですけど、そのオチの解釈を受け入れることができるかどうかが問題なのではないかなと思います。

前回のねじまき鳥クロニクルの記事の中で、自分の中に常にある矛盾を修正し、なんとか正常に戻そうとする物語が好きだと書きましたが、レイクサイドは、それをミステリーで、しかもかなり大胆な方法でやってのけています。

あれ以上何かを書き足しても失敗するし、あのオチを付けなければ、やはりそれも失敗だと思います。言うなれば、完璧な結びです。

これ、視点が恋人や思い人ではなく、血の繋がりを中心にしたことがすごいことだと思います。気持ちではなく因縁にしたことで、気持ちと因縁の狭間に立たされている主人公が、きれいに対比されているなと感じ、そこに大きなカタルシスが生まれているなと思いました。

こういうタイプのお話って、説明過多でも説明過少でもダメで、非常に高度な塩梅が求められると思います。お話の最後まで、完璧な配合で進められるレイクサイドは、東野圭吾さんの圧倒的な才能が余すことなく反映されているのではないでしょうか?

レイクサイドは比較的短い作品だと思います。少なくとも、ねじまき鳥クロニクルと比べれば全然短いです。お話の場面も飛びません。小説初心者でも、余裕で楽しめると思います。

最初に感じる違和感や不快感は、結末で華麗に解消されます。善悪の話かと思いきや、最後は各々の正義がぶつかる構造になっていて、この反動がうまくハマっていることで、それぞれの登場人物がより魅力的に映ると思います。

中古でも売っていると思いますし、20年くらい前の本なので図書館にもあるでしょう。初見でも1週間くらいで読み切れる作品なので、ぜひ読んでみてほしいです。

オススメです!

ということで、本日はここまでにします!
また明日の記事でお会いしましょう!

さようなら~

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