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読書にまつわるアレコレ

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年間200冊の本を読む私の、読書にまつわるアレコレ。 おすすめ本まとめや、名作シリーズなど。 #本好きさんとつながりたい
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記事一覧

zineとの遭遇(zine販売会に行ってみた)

zineとの遭遇(zine販売会に行ってみた)

今まで、出版社から出ている小説や新書など
所謂、商業本というものは沢山読んできました。

本格的に本を読むのが好きになって、
はや数年。

そんな私も遭遇しました。
世の中には「zine」というものが
あるのですね。

「zine」とは。

個人やグループで作られた
自由な感じの小冊子。
個人的な出版活動なので、大きな制約は無く
とにかくそれぞれが好きなことを綴っている。

イラストもあれば、小説

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言葉にしてしまっても良いのだろうか?

言葉にしてしまっても良いのだろうか?

桜庭一樹さんの新作
『彼女が言わなかったすべてのこと』
を読んでいる。

普段は一冊くらいなら
一日で読んでしまう私なのだが……

この作品は、
私が自分の生活の中で引っかかっていた
ことが書いてあったり

主人公と共に進むうちに
「確かにそうかもしれないな…」
と納得させられ 想像力が広がることが
書いてあったりして、
なかなか読み終わらない。

安易に軽率に読み進めちゃいけない気がして
むしろ

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【読書記録】きみを嫌いな奴はクズだよ(木下龍也)

【読書記録】きみを嫌いな奴はクズだよ(木下龍也)

木下龍也さんの短歌集です🕊

ほんわかとした日常の歌があったと思ったら
すぐ隣にグサリと刺さる鋭利な歌があったりして、
油断出来ない短歌集でした。
(そのギャップも魅力的〜〜☝️)

「旧作の夜」「きみを嫌いなやつはクズだよ」「無色の虹」「理想の墜落場所」etc……

11タイトルに分けられ、集められた短歌たちに
ゆるゆるとイメージを広げながら
短歌ならではの余白の多さを味わいました🔖

短歌

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【読書記録】がらんどう(大谷朝子)

【読書記録】がらんどう(大谷朝子)

「リビングで、菅沼が死んだ犬を作っている。」

──この物語の最初の一文です。

最初の一文で えっ?と惹き込まれ、
ユニークな文章の引力に引かれながら
ぐんぐん読み進めました。

「わたしは揺れる車内でやや寄り目になりながら、自分の存在を消すことに集中した。」

「わたしには蕎麦の個体差がよくわからないから、とろろ蕎麦が想像通りの味や食感であることに満足した。」

など、所々に様子のおかしい描

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【読書記録】水中の哲学者たち(永井玲衣)

【読書記録】水中の哲学者たち(永井玲衣)

数ページ読んで なるほど、と思いました。

この作品はInstagramで多く見かける作品で
皆さんが大絶賛していたもの。

だからこそ手に取ったし、
その分自分の中の期待値も高かったけれど
軽やかにそのハードルを飛び越えて来ました。
すごい好き。大変だ。
こんなものに出会えるから読書ってやつぁ…!

あまりにも圧倒的な解像度に自分の中の
記憶をグワっと引き出されたので、
ちょっとだけ書いておきま

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【読書記録】光のとこにいてね(一穂ミチ)

【読書記録】光のとこにいてね(一穂ミチ)

約460ページものボリュームを感じさせない
疾走感に溢れた作品でした。

4月に発表された #本屋大賞 では、
結果 第3位とのこと👼👼
高評価にも納得の、満足感がある長編小説!

一穂ミチさんの作品は
#パラソルでパラシュート
#スモールワールズ
を読んだことがあるのですが、
どれも全然違った物語で
毎回楽しく読ませて頂いています📖´-

今作はガールミーツガールミーツ的

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【読書記録】アドバイスかと思ったら呪いだった。(犬山紙子)

【読書記録】アドバイスかと思ったら呪いだった。(犬山紙子)

その名の通りの内容で
生きていく上で押し付けられがちな
〈クソバイス〉についての怒りを
ぶちまけた痛快な作品でした📖´-

エッセイかと思いきや
クソバイスを募集・共有し怒りを発散、
更にはクソバイスに傷つかないための
バリアの張り方や、カウンターパンチとしての
言い返し方などが盛り込まれた
「お悩み相談室」のような構成。

この「お悩み」部分にあたるクソバイス例が
なかなか面白くて目次だけでも

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【読書記録】布団の中から蜂起せよ(高島鈴)

【読書記録】布団の中から蜂起せよ(高島鈴)

この本の言葉は、どれも重く響く。

それが受け取り手にとって
良い事だろうが、悪い事だろうが
どうやったって響いてしまう。

読者の中の深いところに共鳴して、
この本を読む前の人間とは
別の何かに変えてしまう。

本書を開いて、序章のわずか見開き2ページで
痛感させられ、私の危険を察知する部分が
警告を鳴らすのがわかった。

これはとても怖いことだけれど、
そしてとても危険を孕んでいるけれど、

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【読書記録】※オススメ※ジミー(青海エイミー)

【読書記録】※オススメ※ジミー(青海エイミー)

これ、めっちゃオススメでした🔥🔥

どちゃくそにエモ散らかしてる
青春小説でもあり

人間の負の部分と綺麗な部分を
同じ器に入れて混ぜたような
混沌とした小説でもあり、

簡単に言うと「なんかすごい好き」な雰囲気の
一冊でした🧚🧚

読後も余韻が冷めず、フワフワとした感覚に
包まれています。

ジミーという帰国子女の男の子と、
可も不可もなく 特別な武器を持たないJK・マイのふたりを中心と

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【読書記録】春のこわいもの(川上未映子)

【読書記録】春のこわいもの(川上未映子)

川上未映子さん、大好き。
しかし、川上さんの文章は自分の根幹を
揺るがすものである場合が多いので、
まとまった冊数を読めません。

ちみちみと、時折思い出したように読み
その鋭さに打ちひしがれる。

〝チャーリーとチョコレート工場〟に
出てくる一生溶けない飴のように
何度も口に入れたり眺めたりして、
言葉の意味やその時々の自分の輪郭を
確かめる。

私の中ではそんな作家さんです🗣

こちらの作品

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【4月】推し本TOP5

【4月】推し本TOP5

【はじめに】

どうも、ふうねです!

私は本が大好きで、Instagramの方でも
本に関する投稿をしているのですが、
4月は24冊読了しました〜👏👏

毎月コンスタントに本は読んでますが、
4月は特に沢山読めた印象です。

その24冊の中から、
「特におすすめしたい!」と
思った作品を5つご紹介します🌿

※分かりやすいように、
おこがましくも順位をつけたランキング形式で
ご紹介しますが

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【読書記録】ピースフル権化(蒼井ブルー)

【読書記録】ピースフル権化(蒼井ブルー)

Twitterなどで大人気の蒼井ブルーさんの作品。

蒼井さんの作品は初めて読んだけれど、
陽だまりのように温かく、ユーモアもあって
めちゃくちゃ好みでした…!!!!

この作品はある青年の目線から見た世界を、
日記形式で綴ったものです。

この青年、蒼井さんなのかな?
蒼井さんなんだろうなぁ。
こんな人身近にいたら惚れてしまいそうな位
とてもお茶目で可愛い「僕」。

ピースフルでキューティーな「

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「誰の人生にも必ず、ドラマがあります」を、ドラマにする職業・エッセイスト。

「誰の人生にも必ず、ドラマがあります」を、ドラマにする職業・エッセイスト。

小澤竹俊さんの『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』という著書を読んでいたら
タイトルにも入れた「誰の人生にも必ず、ドラマがあります」という一文が出て来た。

確かに、どんな人生にも色々な出来事があり、生きているということは等しく価値があるのだ、ということを表すには凄くピッタリの言葉である。

けれど、私の脳内に浮かんだのは
「え、エッセイスト(コラムニスト)やってる人達…すごくないか…?」

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【読書感想文】うまくいかない日は、甘いケーキをひとつ(Caho.)

【読書感想文】うまくいかない日は、甘いケーキをひとつ(Caho.)

本気で死ぬことを考えた事がある。
何度も。

どのやり方が一番苦しまずに今ある現実から逃げられるだろうって沢山調べて、大切な人達に向けて遺書は書きたいなって手紙を残して。

でも、今、生きている。
何故なのかはよく分からないけれど。
ひとつ言えるのは、ここまで来て見てみると、あの時踏ん張って生き残って良かった気がしている。

今回読んだ『うまくいかない日は、甘いケーキをひとつ』は、ギリギリの人にも

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