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【読書記録】きみを嫌いな奴はクズだよ(木下龍也)
全身が急所のシャボン玉を追う
全身が凶器の君と僕
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木下龍也さんの短歌集です🕊
ほんわかとした日常の歌があったと思ったら
すぐ隣にグサリと刺さる鋭利な歌があったりして、
油断出来ない短歌集でした。
(そのギャップも魅力的〜〜☝️)
「旧作の夜」「きみを嫌いなやつはクズだよ」「無色の虹」「理想の墜落場所」etc……
11タイトルに分けられ、集められた短歌たちに
ゆるゆるとイメージを広げながら
短歌ならではの余白の多さを味わいました🔖
短歌って、一般的に「五・七・五・七・七」
の決められたリズムで
決められた文字数の一文だからこそ、
読者がその余白に想いを馳せることが出来る
のがとても素敵だなぁといつも感じます💭
更に、31文字程度の短い文章だからこそ
そこに込められた思いや情景が
鋭利に感じられるところも好き。
作品を手に取るたびに、短歌って面白いな〜
と、どんどん好きになっています。
この作品の特徴として、
バラエティに富んだ歌集である
ということが言えるかな〜と感じました!
クスッと笑いたい方はユーモラスな章
【有名税】を開いてみてほしいし、
揺らめいた感情に触れたい方は
【ひとりで踊れ】を読んで世界観に浸って欲しい。
社会問題を皮肉で削った、尖った歌は
【無色の虹】。
誰かと過ごす愛しくも切ない日々は
【理想の墜落場所】。
残酷で美しい甘美な歌を感じたい方は表題の
【きみを嫌いな奴はクズだよ】へ。
一冊を通し、お茶目さと鋭さが入り交じる
彩り豊かな作品でした🧚♀️
潔く、1ページ1作品の構成なので
軽めの文量の作品を読みたい時にも👏👏
𓊆 特に心に残った歌5選 𓊇
①幽霊になりたてだからドアや壁すり抜けるときおめめ閉じちゃう
②ひとりならこんなに孤独ではないよ水槽で水道水を飼う
③ ぼくたちが核ミサイルを見上げる日どうせ死ぬのに後ずさりして
④花瓶 その花の終わりにふさわしくまたうつくしいお墓でしたね
⑤火葬場の煙が午後に熔けてゆく麻痺することが強くなること
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