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あまねく紡ぐ次代の民藝=「萬画(ミリオンアート)」の世界

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2018年9月の記事一覧

コミカライズするときには「方針」を決めよう 魅力的なプロット作りの基本④

コミカライズするときには「方針」を決めよう 魅力的なプロット作りの基本④

ある題材をプロットにするときに、前回書いたようにアレンジを「加える」ことも必要ですが、今度は逆に「この要素はいらないな」と「削っていく」作業も必要になってきます。

このいる要素/いらない要素をどうやって判断するか、を僕は自分で決めた「方針」に沿って決定して行きます。

「方針」などといってもやたら小難しいスローガンを決めよ、といっているのではありません。

例えば、僕が古典落語を題材にコミカライ

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コミカライズの「アレンジ」について 魅力的なプロット作りの基本③

コミカライズの「アレンジ」について 魅力的なプロット作りの基本③

さて、ここまでの作業で、すでに僕は「原作の桃太郎」を一度も見ていません。
最初に”骨”を取り出した時点できちんと原作の要素を取り出せることができれば、こうして原作の細かな表現にとらわれずプロットは書き出していけるのです。

しかし、「こうして原作の細かな表現にとらわれずにプロット作成していく」ということはつまり

自分独自の「アレンジ」を施す

ということになってしまいます。

このアレンジを、「

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プロット作成にはエクセルを使おう 魅力的なプロット作りの基本②

プロット作成にはエクセルを使おう 魅力的なプロット作りの基本②

エクセル、というか、僕が使ってるのはOpenOfficeの表計算アプリですが。まあ、同じことですね。セルがいっぱい並んでるアイツです。

イメージとしては

巨大なホワイトボードにキーワードや短いセンテンスを書いたポストイットをいっぱい貼り付けるようなものだ、

といえば伝わるでしょうか?

「文章を書く」という作業には圧倒的に向いていないのですが、そもそも「プロットを作る」作業は文章を書くことで

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そもそもプロットとは? 魅力的なプロット作りの基本①

そもそもプロットとは? 魅力的なプロット作りの基本①

コミカライズに限らず、また漫画に限らず、およそ物語を作る際にはプロットを作ることが必要になります。

しかしプロットとは何か、については、おそらく創作者それぞれに一家言あるかもしれません。

ここでは、僕の定義する「プロット」について書いていきます。

僕が漫画を描く際の「プロット」とは「骨組み」のことです。「構成」とも言います。

例えば次のような物語を考えてみましょう。

「その日トーエはエー

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コミカライズとは「翻訳」だ 少し長めの前口上

コミカライズとは「翻訳」だ 少し長めの前口上

僕はコミカライズをいくつか手がけてきたのですが、
出版社からいただいたお仕事以外でも、個人的にもいくつかコミカライズを描いています。誰に頼まれたわけでもないのに。とにかくコミカライズが得意だし、好きなのです(笑)。

このページをご覧になっている漫画家志望の方はきっと自分で考えたオリジナルのストーリーを自由に描きたいと思っていることでしょう。

でもいざそれを実行に移そうとする時、「すごく素敵な物

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コミックス累計部数を競うのが時代遅れであればその答えはどこか?

コミックス累計部数を競うのが時代遅れであればその答えはどこか?

“コミックスの「累計部数」は時代遅れの指標だ”という記事が東洋経済オンラインに先日掲載され話題になりました。

要約すると。

“現代は昔と違ってコミックス(紙の本)の売上だけじゃなくて、電子書籍だってあるわけで。しかも電子ではキャンペーンと称して無料で配信することもあれば1冊を1円で売ったりもするのだから、もう○○万部突破!という宣伝文句は古いし、そもそも時代にあっていない!”

というものだと

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