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人類の『未来』をつくる、「脳」と「心」と「精神」のメカニズム

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脳科学、心理学、精神医学――切り口は違うが、どれも「人の心のしくみを知る」学問だ。 精神活動や知的生産活動とは、突き詰めれば「約1000億個の生体回路とその100倍の数の接続点を…
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2022年12月の記事一覧

イタリア人オタク精神科医が提唱する「アニメ療法」|パントー・フランチェスコ

イタリア人オタク精神科医が提唱する「アニメ療法」|パントー・フランチェスコ

まえがき

アニメ療法とは何か?

本書のタイトルである「アニメ療法」。これは一体何だろうか?
好奇心を抱く人もいれば、不審に感じる人もいるかもしれない。まずは少しだけ、この本を執筆した経緯、そもそもアニメ療法を思いつき、開発するに至ったきっかけを語りたい。

筆者は日本文化を研究するイタリア出身の精神科医であり、現在は日本の病院に勤めている。そして、子供の頃から日本のアニメやゲームなどのいわ

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SPY x FAMILYと精神医学: 作中の精神医学ネタを精神科医が解説!

SPY x FAMILYと精神医学: 作中の精神医学ネタを精神科医が解説!

こんにちは あるいはこんばんは 皆様!
鹿冶梟介(かやほうすけ)です。

突然ですが、少年ジャンプ+(プラス)に連載されている漫画「SPY x FAMILY」をご存知でしょうか?

最近までアニメが放送されておりましたが、若者の間でメチャクチャ人気があるそうですね。

我が家の娘もこの漫画(アニメ)が大好きなので、小生も興味本位でこの漫画を読み始めたのが3ヶ月前…。

スリリングかつコミカルな内容

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伴走する心理学

伴走する心理学

『誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論』が日本で出版されて、今年で32年が経つ。使いやすい情報システムをデザインをするうえで、普遍的な人間の心を理解することは避けては通れない。
一方で、心理学は胡散臭いとか、頼りないとか、本当に科学といえるのかといった不安感を抱かれることもままある。
そこで、コンピュータに影響を受け、UIデザインに活きる心理学について、その歴史から活用まで紐解いていきた

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12/18 「つまり、『うつは甘えじゃない』という考えは危険であり、『うつは甘え』である。」

12/18 「つまり、『うつは甘えじゃない』という考えは危険であり、『うつは甘え』である。」

うつを弁護する理屈で「うつは甘えじゃない」が流行りだが、うつは甘えじゃねえか?と最近はおもう。

うつは甘えだが、最低限の「甘える機会」を獲得できないから、甘えてもしょうがない場面で甘える状態になるのであって、うつ患者に『聞くアヘン』を与えるために「甘え」を悪にするのは結局ジリ貧だ。

うつを拗らせるのは、むしろ「自分自身の甘えを、甘えとしてそのまま受け入れることができないから」じゃねえか?

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