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記事一覧
へばりついた妖怪「デキナイ」|横尾芽惟|2022-23 essay 10
できない、できない、できない
私は記事を書きあげることができなかった。デザインゼミで作成する図鑑の1ページ分の取材と記事を任されたのに。結局、書きあげることができなかった。
私は1年間の休学を挟み、もうすぐ卒業の限界大学生。1年間の休学期間は、私なりにもがいたし、「普通」の道を少し外れてるのだということを表したくて、いつも5年生だと自己紹介してしまう。
「5年制の大学?医学部とか?留年?」と
あなたも私も、一緒に「ふくし」の輪の中で|椎名遥|2022-23 essay 09
未開の地、福祉施設
管につながれた5歳の子どもを見たとき、涙が出そうになった。
24時間、自分につながった管を通して栄養が運ばれてきて、常に機器と隣り合わせで移動しているのだという。これが外れたら命に関わることになる。そんな子どもを目の当たりにしたのは初めてだった。それでもこの子はゆっくり成長していて、これからもずっと、この装置と暮らしていく。この子にとっては普通のことでも、どうしても「辛い
「暴力性」とにらめっこ|本間さや香|2022-23 essay 08
きっとこれは運命
「SOCIAL WORKERS LABってすごい!!」
SOCIAL WORKERS LAB(以下SWLAB)との運命的な出会いを果たした2022年2月、私は喜びで溢れていた。「8月から始動するふくしデザインゼミというプロジェクトに参加しない?」とお声掛けいただいたときは二つ返事で参加を決めた。なぜなら、SWLABのみなさんのことや、みなさんが大事にしている福祉の考え方、
Mr.福祉とMs.堀内|堀内希沙乃|2022-23 essay 07
「福祉との距離は“よっ友”です…!」
9月のふくしデザインゼミ初回。自己紹介の一環で「福祉との距離」を全員が発表するシーンでのひとことだ。これが自分の口から出たときは少し驚き、その後もずっとモヤモヤしていた。なぜなら私は大学で福祉を学んでいる身だからだ。しかも、自分が発したその言葉は、その場しのぎの言葉では無いと感じていた。だから、今回のエッセイでこのモヤモヤについてやっと向き合うことにする。
そこにしか生まれないデザイン|菊池和佳子|2022-23 essay 06
ふくしとの出会い
大学三年秋。いよいよ本格化する就職活動、増えていく授業課題、素晴らしい作品を生み出す友人たち、足りない時間……。やるべきことはたくさんあるのに、一番やりたいことが何かは分からない。色々なことがしたいのに、気づけば時間が過ぎている。
そんな、にっちもさっちも行かないなかでふと見つけたのが、「ふくしデザインゼミ」だった。「ふくし」と「編集」と「デザイン」。私は、一見関係の希薄そうな
「実践的な学び」って何だろう?|佐藤由|2022-23 essay 05
「ふくしデザインゼミ」ってなんだったんだろう?
今日は20時から、小松理虔さんの「エッセイ講座」だ。学生編集部に課せられた「ふくしデザインゼミをふりかえるエッセイを執筆する」というミッションのヒントになればと理虔さんが時間をつくってくださった。
帰省先から大学のあるまちへ戻るため、20時半の新千歳空港発の飛行機を目指し、私は空港へと向かっていた。翌日は授業がある。フライト直前で、残念ながら講
ふくしから捉え直す「取材者」のあり方|前野有咲|2022-23 essay 03
予定通りから想定外へ
「予定通りにうまくいって、いい一日だったな」
そう一日を締めくくろうとしているときは、何か大事なものを見落としてしまったのだと思うようになった。予定調和なんてものは、あくまで自分が想像できる範囲の中で完結するものであって、一歩外の世界を見渡してみると、学びになるものがあちこちに転がっているのだから。
ここで、予定調和がだめだと言いたいわけではない。いろんな人が関わる活
姿勢が生み出す ゾクゾク|円城寺遥香|2022-23 essay 02
解釈2時間4527字私は二次創作が好きだ。二次創作とは、何らかの下地となる作品・表現があり、それらを元にしている創作物および創作行為を指す。私は大学生になってから二次創作を自ら書く、描くということを始めた。下地にしている作品は漫画やアニメ作品だ。今は『ツルネ』というアニメにどっぷりと浸かっている。9月にツルネの二次創作を始め、2023年1月現在までに36枚のイラストや漫画を描いていた。さらに監督
私のためのプロジェクト?|飯田千晴|2022-23 essay 01
私にとってのふくしデザインゼミ「ふくしデザインゼミ」。私にぴったりだと思う。大学時代、福祉を学び、大学院ではデザインを専攻した私にとって、そう思うのは自然なことだった。当事者性というのだろうか、とにかく自分の根幹に関わる大事な活動だと感じていた。私が福祉を学んでいたところから畑違いのデザインへ目を向けたのは、福祉の捉え方や関わり方を模索したいと考えたからだ。福祉もデザインも私たちの生活に深く関わ