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皐月まう
2022年1月25日 20:18
金属製の食器を洗っているときの、銀色の匂いが苦手だ。洗い物という作業は不思議なもので、溜まっているのを見ているときはとても手をつけたくならないくせに、いざ始めてみると鼻唄を歌いだしたくなるくらいには楽しい。洗剤は割と躊躇なく使ってしまうので(SDGs的にはよろしくない、今風に言ってみた)たっぷりと泡に塗れた食器の一つひとつを、指先がうたうまで丁寧に磨く。そしてシンクが地道に洗われていくのを
祐希@身体と心を整えます
2021年8月3日 18:34
エッセイって、その人ならではの感性やものの見方がプラスされることで、くすっと笑えたり、共感できたり。自分は持ってない、作者の感覚が新鮮で心が躍ります。江國香織の「とるにたらないものもの」というエッセイ。輪ゴムとか石けんとか砂糖とかお風呂とかほんと、とるにたらない60もの「もの」たちへの愛や思い入れが語られてます。江國香織の洗練された言葉のセンスや無駄なものがない流れ
塩浦良太
2021年6月13日 20:59
”半径5メートルの法則”そんな言葉があるそうだ。聴いたことがあるだろうか?「人は生活環境の半径5メートル以内ですべての人間関係を構築している」という発想からくるものらしい。恋愛の場面で使われることも多いらしく、多くの方が同僚や上司と「会社」という狭いコミュニティ内で「社内恋愛」の関係となり、結婚に至っている大きな理由となっています。とされている。自分が直接触れている狭い
うすい えん
2021年5月30日 21:10
ずっと気になっていた本をついに買った日、家に帰って最初の1ページをひらくまでの道中は、リュックサックに宝物を隠している気分になって背中にすべての意識が集まる。そわそわ、わくわくする気持ちは、自分だけの秘密。電車で隣に座っている人も、道端ですれ違う人も、私の浮足立った気持ちを知らない。リュックサックの中に仕舞われた小さな宝物は、私にしか気づかれないくらいしずかに光を放って、心をほんのり照らす。
2021年4月7日 19:29
さく、じゅわ……と華やかに音が鳴る。これは、渋谷のとある食堂で、私と一対一で対峙したアジフライを箸でつついたときに聞こえた音なのです。耳からというより、箸を持つ指先から伝わってくるようなささやかな音。友達と一緒にいるときはついおしゃべりに夢中になって、聞き逃してしまう音。五感をフルに活用しながら、ぱくりとアジフライにかじりつく。その瞬間、衣のサクサクとした食感と、ふっくらとした身から立ち昇