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エッセイを楽しむ【とるにたらないものもの】

エッセイって、

その人ならではの感性やものの見方が
プラスされることで、
くすっと笑えたり、共感できたり。
自分は持ってない、作者の感覚が
新鮮で心が躍ります。


江國香織の「とるにたらないものもの」
というエッセイ。

輪ゴムとか石けんとか砂糖とかお風呂とか
ほんと、とるにたらない60もの「もの」たちへの
愛や思い入れが語られてます。

江國香織の洗練された言葉のセンスや
無駄なものがない流れるように美しい文章が
好き。

中でもこの本は、いつも手に取って読めるよう
ずっとリビングのテーブルの上に置いてる。



「食器用スポンジ」というお題があって、

こんなものについてまで書けるのって驚いたけど、

食器用スポンジは恐るべき奥深さを持ってる。

毎日、毎食後使う食器用スポンジ。

持ちやすい形、柔らかさ、泡の立ち方。
人の好みもはっきり分かれるんじゃないかな。

柔らかすぎると、すぐへたってしまう。
硬すぎるとお鍋の隅っことか洗いにくい。

ある程度の弾力としなやかさが必要。

スポンジがすぐ、くたくたになって、
しょっ中買い換えないといけないものも嫌だし、

結構、あれこれ試した。

行き着いたのがダスキンのスポンジ。

ちょうどいい硬さとしなやかさを併せ持つ。
おまけにスポンジも全然へたらない。

欠点と言えば、
毎日使っていると「汚くなった」と気づくのが、
いつも遅くなる。
それくらいしっかり「もつ」スポンジ。


だけど、スポンジは清潔第一。
「もつ」けど捨てないといけない。
その心の葛藤を経験しないといけないのが欠点。


と、私が書くと、食器用スポンジについて、
こだわりと考察など述べて、

Amazonリンクを貼って終了するただのブログ
になってしまう。

広がらない💦

簡単そうでいて難しい。
書けそうだけど書けない。


江國さんは、

いつか私が死ぬとき、日々の糧以外で、
いちばんたくさん買ったことになるものは
食器用スポンジだろう、と、よく考える。

という文で始まり、スポンジのこだわり云々を
述べた最後は、

深夜、台所で洗い物をしていると、『不思議の国のアリス』にでてくるトランプの兵隊よろしく、幾つも幾つもの食器用スポンジが、ならんで行進してゆく姿が思い浮かぶ。
なんとなく不穏で、恐い気持ちになるのでやめたいのに、ついじっと思い浮かべてしまう。


食器用スポンジの話がこの結末に至るのが、
小説家の頭の中。プロの仕事〜!



自由に心を解放して、
でも考えかたには軸があって、
その中で遊べたら、
エッセイを書くのが楽しくなるだろうな。


輪ゴムには敬虔な気持ちを抱き、
砂糖にははかなさを感じる、

素朴なものから広がる世界を
楽しめます。



潔く捨てよう。

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