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中学受験改革レポート: 芝浦工業大学附属中学校

芝浦工業大学附属中学校の2021年度募集要項が公表されています。
2021年4月から共学化が予定されている同校では、
受験科目についても改革が行われようとしています。

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本年度も各校で様々な入試改革が断行されています。私学である以上、基本的には学校側のアドミッションポリシーに応じて新たな試験枠の構築が行われるのは自然であると言ってよいでしょう。今回は芝浦工業大学附属中学校の入試要項を取り上げます。

( 1 )芝浦工大附属中2021年度募集要項**

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http://www.ijh.shibaura-it.ac.jp/admission/junior/outline/

芝浦工業大学附属中では、これまで国語・算数・理科の3科目試験が行われてきました。社会が含まれていません。

そこに、2月2日午後に「特色入試」が導入されたことが注目されます。

( 2 )芝浦工大附属中「特色入試」

特色入試は、
・算数+英語 または
・算数+言語技術
という選択式の2科目試験のようです。

学校ホームページによれば、出題意図は以下のとおり。

◆「言語技術」は論理的思考力、分析力、発想力、表現力を総合的に問います。例えば与えられた資料を分析し、読み取った情報から自らの考えを組み立て説明するような、答えが一つに定まらない問いに対して、文章で自分の考えを説明する問題を出題します。
◆「英語」は「英語を使って何ができるか」を評価する試験となっております。英検でいうと準2級~4級の幅広いレベルで出題します。リスニングとリーディングを半分ずつの時間と配点で出題します。
◆「算数」は本校で学ぶ上で必須の教科としてその論理性や計算力を問います。今までの入試と同レベルで30分に合わせた問題数減にて実施します。

ホームページにはサンプル問題も掲載されています。

( 3 )「言語技術」より「英語」が狙い目か

出題の意図やサンプル問題を見る限り、算数+英語はかなり狙い目であるように思います。

言語技術は「答えが一つに定まらない問いに対して、文章で自分の考えを説明する問題」を出題するもの。とても重要な力を評価するものだと思います。しかし、高得点取れるものなのでしょうか。

一方、英語は英検準2級~4級レベルとされています。

この「レベル」という言葉は実は要注意です。問われているレベルが英検の準2級程度でも、回答が記述式であったり、和訳問題をふくんだりといったことが少なくありません。

しかし、サンプル問題を見る限り、出題形式も英検を踏襲しているように思います。模範解答を見れば明らかです。記述式は一切ありません

英検をコツコツと勉強してきた人にとっては取り組みやすいのではないかと思います。

( 4 )中学受験改革としての評価

ぼくは、特に英語(英検)との絡みで、中学受験の改革を進めるべきという立場です。

この視点に立ち、芝浦工業大学附属中学で新たに採用される「算数+英語」入試を評価してみたいと思います。

算数と英語を試験科目に選んだことを高く評価。

算数で受験生の実力を見るという算数選抜試験のあり方には、合理的な理由があると思います。大学受験で鍵を握る最も重要な教科は英語と数学であると言われることが多いからです。

今こそ中学受験を改革しよう」でぼくは以上のように述べました。

算数と英語が強いとどれだけ入試においてパワーを持つか

我が子の例を出して恐縮ですが、数学と英語が強いと、国語がこれだけ低くても東京大学分科一類が(比較的余裕の)A判定となります。

つまり、大学入試を視野にいれたアドミッションポリシーであれば、算数と英語が強い生徒を集めることには大きな理由があると思います。

出題レベルが英検準2級までという設定にも注目です。

中学入試までの段階で英検準2級レベルまで(とりあえずなりとも)到達していれば、
中学の間に英検2級(高校卒業程度)
・遅くとも高校2年ぐらいまでには準1級
までいく計画が、苦労なくたてられそうです。

大学受験までに英検準1級を取得する意味については、

を、よろしければご覧くださいませ。

英語を「試験科目」としたのは「致し方ない」

算数と英語の力を持った受験生を集める意義はものすごく大きい。

しかしぼくは、英語が受験当日の「試験教科」に加わることにはやや慎重です。

英語は、試験当日での出来不出来ではなく、それまでコツコツ進めてきた努力を単純に評価することで足りるのではないかと思っています。つまり英検資格だけで評価してもよいのではないか。

ただ、今回の「特色入試」は「言語技術」との間の選択の形をとったことから、英語だけを英検という資格のみ評価することは、バランスの問題もあって難しかったのだろうと推察されます。

英語の試験内容は英検と同等であり評価する

先にのべたとおり、「英検準2級レベル」という言葉には要注意です。そう記しながら実際には和訳問題を課したりするなど、問題形式が英検とは大きく異なる場合があるからです。英検の合格基準はそれほど高くありません。英検準2級取得済みとはいえ、そのレベルの和訳や高度な作文を求められても解けないことが多いです。

今回の芝浦工業大学附属中学の英語の問題は、サンプル問題を見る限り、英検と同様の出題形式を踏襲しているようです。この点は評価されます。

( 5 )英語の対策は

上記のとおり、英検と出題形式も同様の問題が出されるというのは安心材料です。

読解問題リスニング問題は、英検の過去問市販の英検問題集を使った演習を繰り返すことが最善の対策でしょう。

他方、文法・語彙・会話問題については、ぜひ満点を狙いたいところです。その意味で、市販の問題集を解きまくることも一案ですが、

満点を狙うのであれば、「パパ問題集」をゴリゴリやっておくのがいいのではないかと思います。ラクラク取り組めるように工夫してあります。ちょうど5級、4級、3級、準2級の問題集があります。

なお、5級についてはnoteでも試しに販売しています。

パパ問題集の中身をちょっと覗きたいというかたは、

note最低価格の100円で一部お試しいただけるようにしてみました。

( 6 )まとめ

✅芝浦工大附属中特色入試のうち「算数+英語」方式を評価。
✅英語と数学に強い生徒は大学入試で強力なパワーを発揮するため。
✅英語の試験内容・出題方式は英検と基本的に同じものであり評価。
✅文法・語彙・会話は満点を狙いたい。ゴリゴリ対策を。

この学校を取り上げてほしいといいうご希望のある方は、ツイッターのDMまでどうぞ。


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