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私の爪、あなたのこと
過去の恋人に手紙を書いた。
その人とはずいぶん前に別れてしまったが、今でも忘れられないくらい好きで、その人から貰ったイヤリングは机の一番上の引き出しにしまってあるし、その人が好んで読んでいた作家の本はすべて本棚に収まっている。
住所が変わっていなければ、今頃届いている筈だ。
山茶花の垣根がひろがった一戸建てに住んでいて、昼間はセールスマンの仕事をしている。その家から見える芝生はあまり手入れ
平成の終わりに恋人ができた話
平成の終わりに、恋人ができた。
Facebookに「もし良かったらやりとりしませんか?」というコメントが来ていた。所謂出会い厨だ。
普段の私だったらスルーしていた。ネットでの出会いなんて言語道断、会った事もない人間と文面だけでやりとりするなんて…しかし、その時の私は妙に強気だった。いやただ無気力だっただけかもしれない。「いいですよ」、軽い気持ちでLINEを教えた。
しばらくその人とぼ