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最新経済研究の半歩先

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#ビジネス

経セミ連載:成田悠輔・矢田紘平「データで社会をデザインする:機械学習・因果推論・経済学の融合」

経セミ連載:成田悠輔・矢田紘平「データで社会をデザインする:機械学習・因果推論・経済学の融合」

■はじめに 経セミ連載=成田悠輔・矢田紘平「データで社会をデザインする:機械学習・因果推論・経済学の融合」が、 2021年6・7月号 よりスタートしました。

第1回のタイトルは「すべてがデータに、アルゴリズムに、そして実験になる」 でした。

そして、2021年8・9月号掲載の第2回タイトルは「過去を反省する」です!

各回のタイトルからしてちょっと変わったこの連載。はたしてどんな内容なのか

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ノーベル経済学賞2021:川口大司「社会問題の因果関係を解明する 自然実験の確立~カード、アングリスト、インベンス」

ノーベル経済学賞2021:川口大司「社会問題の因果関係を解明する 自然実験の確立~カード、アングリスト、インベンス」

このnoteでは、東京大学の川口大司先生に『経済セミナー』2021年12月・22年1月号にご寄稿いただいた、2021年ノーベル経済学賞の解説記事を公開しています! 

受賞者たちの研究成果の紹介はもちろん、彼らが巻き起こした論争、経済学のあらゆる分野にもたらしたインパクトとその意義を語るとともに、川口先生がセンター長を務める東京大学政策評価研究教育センター(CREPE)でのご経験もふまえて、政策現

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データ・ビジネスの最前線に迫る!!(渡辺努・辻中仁士編著『入門オルタナティブデータ』、「はしがき」公開)

データ・ビジネスの最前線に迫る!!(渡辺努・辻中仁士編著『入門オルタナティブデータ』、「はしがき」公開)

渡辺努・辻中仁士 [編著] 『入門オルタナティブデータ ―― 経済の今を読み解く』が発売になりました!(2022年2月18日。電子版も配信中です)

コロナ禍を通じて、携帯電話の位置情報に基づいた「人流」や、クレジットカード取引履歴に基づく足元の「消費動向」などなど、新しいタイプのデータを目にする機会がグッと増えました。これまで、人々の社会・経済活動の動向を捉えるデータとしては、政府が集めて公表す

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書評:渡辺努著『物価とは何か』 (先行公開! 経セミ2022年4・5月号より)

書評:渡辺努著『物価とは何か』 (先行公開! 経セミ2022年4・5月号より)

評者:青木浩介(あおき・こうすけ)
東京大学大学院経済学研究科教授

第一人者が語る、
謎に満ちた奥深い「物価の世界」 物価研究の最先端を牽引する渡辺努東京大学教授による非常によい一般書である。書名が疑問形であると同時に、各章名も疑問形である:

第1章「物価から何がわかるのか」

第2章「何が物価を動かすのか」

第3章「物価は制御できるのか」

第4章「なぜデフレから抜け出せないのか」

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金融規制と危機を理論・実証の両面から(植田健一『金融システムの経済学』より)

金融規制と危機を理論・実証の両面から(植田健一『金融システムの経済学』より)

このnoteでは、東京大学教授の植田健一先生による『金融システムの経済学』の「はしがき」とあわせて、内容を紹介していきます。

本書は、主に戦後の金融システム(金融制度や規制)の歩み、自由化・国際化と経済成長の関係を振り返り、それを読み解くための経済学の理論と実証研究の成果を学びながら解説していくものです。

さらに、そこで学んだ経済学の原理を用いて、金融危機や金融のデジタル化、フィンテック興隆の

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経済学と経営学の交差点(経セミ2022年4・5月号付録)

経済学と経営学の交差点(経セミ2022年4・5月号付録)

新年度最初の『経済セミナー』2022年4・5月号、特集は【「職場」の経済学】です!

いわゆる「日本的経営」の機能不全、長時間労働の是正とワークライフバランス、職場や労働市場における大きなジェンダー格差など、日本の企業・組織や働き方について、これまでさまざまな議論が交わされています。

さらに2020年以降、新型コロナの影響もあり、デジタル化の遅れやテレワークなどの新しい働き方への対応を通じて、問

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将来予想のインパクトを測る:連載「実証ビジエコ」第7回より

将来予想のインパクトを測る:連載「実証ビジエコ」第7回より

『経セミ』2021年4・5月号から始まった連載、上武康亮・遠山祐太・若森直樹・渡辺安虎「実証ビジネス・エコノミクス」。気づけばもう第7回!

今回からはなんと、新章に突入です!!

今回以降の大きなテーマは、「人々や企業の時間を通じた意思決定を考える」こと。今回は、その中でも最もシンプルなモデルである、単一の意思決定者(エージェント)が、将来の予想までをふまえて、現在の行動を決めるというものです。

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手島健介「外部性のある状況でのプログラム効果の測定」:Miguel & Kremer (2004) の解説

手島健介「外部性のある状況でのプログラム効果の測定」:Miguel & Kremer (2004) の解説

このnoteでは、ケニアの小学校を舞台に、感染症予防薬(腸内寄生虫の駆除薬)を配布する政策の効果を実証的に検証した著名な以下の論文:Miguel and Kremer (2004) のエッセンスを、一橋大学の手島健介先生に紹介いただきました。
駆虫薬の配布政策は、児童たちの健康面・教育面にどのような影響を与えたのか。感染症対策で焦点となる「外部性」に着目しながら、詳しく解説します。

手島健介(て

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「再現性危機」とは? どこが問題で、どんな対策が必要か?(経セミ2022年6・7月号付録)

「再現性危機」とは? どこが問題で、どんな対策が必要か?(経セミ2022年6・7月号付録)

『経済セミナー』2022年6・7月号、特集は【経済学と再現性問題】と題してお送りしてます!

「先行研究で得られた科学的な知見が、再現できないかもしれない」。

本特集では、近年、心理学において指摘された「再現性の危機」を契機に、その後さまざまな分野で注目を集めているこの問題にフォーカスしてます。

そして、「これのどこが問題なのだろうか?」という点からじっくりと確認したうえで、「なぜ生じてしまう

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行政データ活用に向けて(新連載「行政データと実証経済学」スタート!)

行政データ活用に向けて(新連載「行政データと実証経済学」スタート!)

『経済セミナー』2022年6・7月号より、新連載=「行政データと実証経済学:東京大学CREPE自治体税務データ活用プロジェクトの実践」がスタートします!!

この連載では、2021年夏にスタートし、現在も継続して取り組まれている、東京大学政策評価研究教育センター(CREPE)による

「EBPM推進のための自治体税務データ活用プロジェクト」

の実践プロセスや、そこで得られたさまざまな成果や、関連

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教育の問題に経済学がどう挑んでいるか、この一冊で学ぶ!(松塚ゆかり『概説 教育経済学』より)

教育の問題に経済学がどう挑んでいるか、この一冊で学ぶ!(松塚ゆかり『概説 教育経済学』より)

一橋大学の松塚ゆかり先生による単著『概説 教育経済学』が発売になりました!!(2022年8月刊) 

松塚先生は、コロンビア大学でPh.D.(教育経済学)を取得後、コロンビア大学教育経済学研究所研究員、一橋大学大学教育研究開発センター准教授等を経て、2018年から一橋大学森有礼高等教育国際流動化機構教授を務る教育経済学の専門家で、以前に『経セミ』に以下の記事をご寄稿いただきました。

この度、一橋

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政策現場にコロナ分析を提供し続ける経済学者の軌跡!

政策現場にコロナ分析を提供し続ける経済学者の軌跡!

この note では、仲田泰祐・藤井大輔『コロナ危機、経済学者の挑戦――感染症対策と社会活動の両立をめざして』の内容紹介と、仲田先生による、二人のプロジェクトへの想いが込められた本書の「はしがき」をお届けします。

なお本書は、2023年度・第66回 日経・経済図書文化賞の「総評」(審査委員長である吉川洋先生ご執筆)にて、「本書は、経済学がどのように社会貢献できるかを示す貴重な記録だ」との評価をい

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