認知心理学:WIZ-DOG

イヌとヒトが穏やかで豊かな時間を共有するには、お互いの世界をリスペクトすることが大切で…

認知心理学:WIZ-DOG

イヌとヒトが穏やかで豊かな時間を共有するには、お互いの世界をリスペクトすることが大切です。 WIZ-DOGは、 異なる種であるイヌの知覚や感情を探ることでその環世界を覗く努力を続けてまいります。

記事一覧

7.ストレスと性格

イヌの性格は個体差が大きいと思います。もちろん、犬種によって行動に一定の傾向はあると思いますが、性格の定義を喜怒哀楽の持ち方、出し方に求めるのであれば、犬種差は…

6.スタンレー・コレン

WIZ-DOGは全国でイヌのしつけ教室を運営しています。訪れるお客様のニーズは、主に2つ、しつけと訓練です。 しつけはイヌにヒト社会のルールを教えることで、右も左もわか…

5.注意で世界は変わる

子どもの教育で最も重要なポイントは「子どもの関心」であり、注意を向けるべき対象に、子どもをして自発的に注意を向けさせる、そんな教育者が優れた教育者である、と言わ…

4.においが大事

イヌの鼻の機能は、ヒトのそれに比べてはるかに高いと言われています。外部の嗅覚情報(分子)を受け取る嗅覚受容体の数も違えば、その情報を信号に変えて脳に送る嗅神経の…

3.聞こえない音が聞こえる

イヌはヒトよりも耳がいい……普段イヌと生活しているヒトのほとんどが、この命題を否定することはないでしょう。イヌの驚くべき聴力を目の当たりにすることはしばしばあり…

2.眼で見た景色が違う

ヒトは、外部情報を把握する時、眼と言う感覚器を通じて視覚で捉える割合が大きいとされています。確かに、私の場合、普段の生活における外部情報への脳の注意はほとんど眼…

1.イヌの世界

動物の行動の根拠となる思考や感情は、それぞれ生まれ持った感覚器による特有の知覚と生きる中で蓄積した経験に基づいています。このそれぞれが異なる独自の世界を「環世界…

7.ストレスと性格

7.ストレスと性格

イヌの性格は個体差が大きいと思います。もちろん、犬種によって行動に一定の傾向はあると思いますが、性格の定義を喜怒哀楽の持ち方、出し方に求めるのであれば、犬種差は、巷間ささやかれるほど、顕著なものはないと思うのです。ペットホテルの運営で多くのイヌの面倒を見てきましたが、どの犬種も個体ごとの性格は大きく異なっていましたから。

「脳とホルモンの行動学 近藤保彦他 西村書店 2010年」では、下記の通り

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6.スタンレー・コレン

6.スタンレー・コレン

WIZ-DOGは全国でイヌのしつけ教室を運営しています。訪れるお客様のニーズは、主に2つ、しつけと訓練です。
しつけはイヌにヒト社会のルールを教えることで、右も左もわからないパピー(仔イヌ)や問題(とヒトが思う)行動を引き起こすイヌが対象になります。
訓練はイヌに飼い主が希望する行動を選択させることで、WIZ-DOGが得意とするドッグダンスの練習は「訓練」の要素が高い作業の連続です。
しつけと訓練

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5.注意で世界は変わる

5.注意で世界は変わる

子どもの教育で最も重要なポイントは「子どもの関心」であり、注意を向けるべき対象に、子どもをして自発的に注意を向けさせる、そんな教育者が優れた教育者である、と言われます。仔犬を育てる時にも、何に関心を持たせるか、ということは非常に重要で、その注意と行動の選択は成犬になっても傾向を持ち続けることになると思います。

眼で捉えた光、耳で捉えた音、鼻で捉えたにおいの分子、それらが信号に変えられて脳に届き、

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4.においが大事

4.においが大事

イヌの鼻の機能は、ヒトのそれに比べてはるかに高いと言われています。外部の嗅覚情報(分子)を受け取る嗅覚受容体の数も違えば、その情報を信号に変えて脳に送る嗅神経の数も違います。この数の違いからも機能性の差は明らかなのでしょうし、それゆえに普段の生活における嗅覚の利用頻度も大きく異なるのも当然なのでしょう。

また、ヒトにはないあるいはほとんど使われていないと考えられている「鋤鼻器(じょびき)」という

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3.聞こえない音が聞こえる

3.聞こえない音が聞こえる

イヌはヒトよりも耳がいい……普段イヌと生活しているヒトのほとんどが、この命題を否定することはないでしょう。イヌの驚くべき聴力を目の当たりにすることはしばしばあります。

外部情報である音は、耳の中の「蝸牛(かぎゅう)」と呼ばれる部位で電気信号に変えられて脳に送られます。光同様、音の高低レベルや種類、抑揚などの情報属性を識別しているのは脳であり、これまた光同様、他人の脳でどう処理されているのかは知る

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2.眼で見た景色が違う

2.眼で見た景色が違う

ヒトは、外部情報を把握する時、眼と言う感覚器を通じて視覚で捉える割合が大きいとされています。確かに、私の場合、普段の生活における外部情報への脳の注意はほとんど眼を通じている気がします。

イヌがどの感覚器にどれくらいの割合で外部情報への注意を向けているのか、はっきりとはわかりませんが、今回はその「視覚」の話です。

ヒトは、眼で「色」や「明るさ」、「形」「位置」「動き」などを認識します。おそらくイ

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1.イヌの世界

1.イヌの世界

動物の行動の根拠となる思考や感情は、それぞれ生まれ持った感覚器による特有の知覚と生きる中で蓄積した経験に基づいています。このそれぞれが異なる独自の世界を「環世界(ウンヴェルト)」と呼んでいます。

色であれ、においであれ、音であれ、味であれ、気温であれ、外界の情報の受取り方は、「個体差」というよりも「異質」と考えた方が的を射ているくらい、千差万別でしょう。その知覚に基づく思考や感情も千差万別なのは

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