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やさしい医療情報

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#医療

感情がみえたとき、好きになる



あまりやらないFacebookをひらくと『友達かも』にけいゆう先生がでてくる。けいゆう先生は外科医だ、細身のスーツが似合うイケメンだ。おまけにTwitterではクレバーなツイートをしてよくバズってる。そのうえとっても謙虚だ。なんなんだほんと。

けいゆう先生が写真業界の人じゃなくてよかった。きっとけいゆう先生とおなじ土俵にたつ医師は少なからず対抗心を抱いてるんじゃないだろうか。

けいゆう先生

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がん保険を売る人



がん保険が必要か不要という永遠に終わらないテーマがある。

がん保険に加入をしていて、がんになった人はよかったとおもうけど、加入せずにがんになった人は後悔をする。周囲の人からも保険はいっていたの?と聞かれることもあるので、加入していない人は自業自得だと咎められているような気分にもなる。

加入者と未加入者のギャップが大きいので、がん患者どうしでも話題にしにくいことだ。

がん保険が必要か不要か

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みんな名医を探している。



「幡野さんってどこの病院に通ってるの?」

『○○大学附属病院です。』

「なんでそんなところに通ってるの?そんなところじゃなくて、わたしがもっといい病院を紹介してあげる。」名刺をピッ!!

写真展をしているときに頭の中が生理食塩水しか入っていないんじゃないかという女性とこんなやりとりをしたことがある。彼女はがん患者を支援する団体の代表だ。やりとりしたのは、ぼくではなく写真展に遊びにきていた妻

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安楽死についてちょっとだけ



ALS患者さんの嘱託殺人で逮捕された医師にはビビった。

『あぁ、やっぱり日本でも水面下で違法に安楽死を施す医師がいるんだなぁーー』ビビりながらおもわず一人ごとで呟いてもいた。まえに知り合った医師に、明言はされなかったけど違法に安楽死ができる旨を伝えられたことがある。もしも幡野さんが本当に困ったら…というニュアンスだった。

ぼくはがん患者だ、病気になってすぐに安楽死のことを調べ、スイスで安楽

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コスパの悪い病気



大塚先生は京都大学の、きっと偉くて凄い先生だ。

大塚先生のことを知る人から、なんども大塚先生の学術的な凄さを教えられてきたけど、本人がウチすごいどすぇ感をまったくださないし、そもそも学術的な凄さはこちらもサッパリわからない。

「ぼくなんてノーベル賞とれないし」と、すこしホロ酔いの大塚先生がこんな弱音をいったことがある。ぼくが耳にしていたさまざまな弱音のなかで、断トツにいちばん強気の弱音だっ

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「誠実な翻訳者」という役目。医師が情報を発信することについて。

「誠実な翻訳者」という役目。医師が情報を発信することについて。

先日、オンライン上でちょっとしたプレゼンをする機会がありました。
参加していただいたのは、同世代の方々。テーマは『予防接種』について。
私が個人的に興味を持って調べたことをシェアする形式でした。

そもそも、私は予防接種の専門ではありません。感染症内科医でもなく、公衆衛生にも携わっていません。医師免許を持った、ただの一般人です。

医師という専門家が「専門外」の医療情報を発信する。

その過程で生

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すごい本を読んだ話

すごい本を読んだ話

すごい本に出会った。大塚篤司先生が書かれた「世界最高のエビデンスでやさしく伝える 最新医学で一番正しい アトピーの治し方」という本だ。

この本は、皮膚科医の大塚先生が一般の方向けに、アトピーの治療方法を丁寧に解説した医療本です。

私は今までたくさんの医療本を読んできましたが、ここまでハイレベルの本に出会ったことは今までなかったです。ぜひ、多くの方に読んでもらいたいと思ったので、ここで少し紹介し

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これはほぼ、医療者たちと私の物語だ

これはほぼ、医療者たちと私の物語だ

昨年夏には書こうと思っていたのに、温めすぎてしまった。
2014年のがん治療から5年が過ぎた。

入院治療の7日間、さまざまな人が、できごとが、私のベッドの脇を忙しく通り過ぎて行った。
その人たちとの短い交流、たくさんあったできごとたちを忘れたくなくて、物語のようにここに記しておきたい。

一応書いておくが、これは闘病日記ではない。

静かな診察室入院初日は、術前の診察があった。
外来とは違う、病

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#やさしい医療情報 SNSの外にも広げていく1年に

#やさしい医療情報 SNSの外にも広げていく1年に

2019年を振り返って、最もハードだったけど挑戦してよかったと思っていることのひとつが、「#やさしい医療情報」のイベント開催だった。至らない点も多々あったかと思いますが、登壇くださった先生方、お越し下さった皆さま、本当にありがとうございました。

9月29日、SNSで医療情報を発信したり拡散したりしている医師たち(ヤンデル先生・大須賀先生・けいゆう先生・ほむほむ先生とそうそうたるメンバー)と編集者

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やってもいないゲームを他人にやらせたくなった

やってもいないゲームを他人にやらせたくなった

単身赴任中なので、2週間に1回帰る週末婚状態なのだけど、年末年始はほぼ夫婦で過ごした。
そのうち恐らく12時間くらい、夫はゲームをしていた。が、私はそれで全然問題なかった。

同じこたつに入って、私も自分のすきなことをして過ごしているから別によい、というのもある。
でも、思い返せば子どもの頃から、弟がゲームしているところを私が眺めるという独特な遊び方をして育ったので、いまもその延長線上にあるような

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優しく易しい医療情報は、どうやってつくる?届ける?⑥ ほむほむ先生編・ナラティブと出典明記

優しく易しい医療情報は、どうやってつくる?届ける?⑥ ほむほむ先生編・ナラティブと出典明記

2019年9月29日、東京・渋谷で「SNS発信の医師4人集結のトークイベント 知って、届けて、思い合う~やさしい医療がひらく未来~」レポート、ラストです!

Twitterで5万人を超えるフォロワーを誇るアレルギー専門医のほむほむ先生。ブログ「小児アレルギー科医の備忘録」や、Yahoo個人、雑誌連載も多数のまぎれもなく「医療情報発信者」のキーパーソンだ。私はイベント前までRTされてくるものを見たこ

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認知症のおばあさんの「まだご飯食べてない!」という言葉と、医師の「今すぐ薬を開始しないと大変なことになります」という言葉は同じ仕組みから発せられる。

認知症のおばあさんの「まだご飯食べてない!」という言葉と、医師の「今すぐ薬を開始しないと大変なことになります」という言葉は同じ仕組みから発せられる。

私が人工知能に興味を持ったのは、人工知能に対する興味ではなく、人工知能という「自然知能に近づこうとする意志と方法論」を見つめることで、自然知能が持っている芳醇な魅力を対比的に知ることができるからです。この2019年の段階においては、人工知能は自然知能ができる能力よりもはるかに高い能力を部分的に持つことができることが証明されています。それは、例えば記憶のプールと抽出とか、ベイズ理論に基づいた推

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「人生会議」で思うこと。

吉本芸人の小藪さんを採用した「人生会議」のポスターの発送中止を、厚労省が決定した。

私個人としては、炎上だろうがなんだろうが、そういった考え方や取り組みがあることが人の目について、まず知ることができる機会を作ったということにおいて、大成功だと思う。人の目について話題にならなきゃ、何も始まらないんだから。

ただ、死を目前にした人の心というのは想像以上に壮絶な過程を経る。それは本人だけでなく家族も

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