やさしい医療情報

俺たちは誤解の平原でやさしく語る

誤解の平原で、悩み苦しむ患者さんたちを見てきました。 「抗がん剤は毒だから使ってはいけない。食事を工夫すればがんは消せる」と言って、標準治療を受けずにどんどん病気が進行してしまった患者さん。 「糖はがんを成長させるから、甘いものは食べてはいけない」と信じて、大好きな甘いものを全部やめて、苦しい生活をおくっていた患者さん。 世の中に広がる情報にまどわされて、命を危険にさらしたり、苦しい思いをする患者さんがあとを絶ちません。 そんな誤解の平原で、苦しむ患者さんを見るたびに

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Q:ビタミンCを一番多く摂れるのはどれ? ① ポテトサラダ ②ほうれん草のお浸し ③レモネード

「レモン●個分のビタミンC!」というフレーズをよく耳にします。そのせいか、レモンはビタミンCを多く含む食品だと思われがちですが、実際は、レモンから摂取できるビタミンCはそれほど多くなく、レモン以外の食品からビタミンCを多く摂取していることは、あまり知られていません。問題①②③のそれぞれの1食あたりのビタミンC量は、ポテトサラダは約27㎎、ほうれん草のおひたしは約22㎎、レモネードは約11㎎とレモンが一番少ないのです。したがって、答えは①です。 レモン丸ごと1個食べる事なんて

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これを知っていたら迷走しなかった~どうしても発信したかったこと

夫ががん告知をされて、間もなく7年が経とうとしています。 ある日、突然、がんが自分事になる。 あの時の狼狽、孤独、不安は、きっと、がんを告げられた 多くの人に共通しているのだと思っています。 患者会活動を始めて6年目。 どうしても叶えたかった発信を、 今年、叶えることができました。 【がんは身近な病です】がんの不安を、誰でも無料で相談できる場所があること。 がん診療連携拠点病院があること。 このことを知っていたら、私たちの日々は大きく違っていました。 告知

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数分後からわたしは医療と知性と技術と哲学の巨人たちの、宇宙よりひろく深い「やさしさ」を享受する。刮目だ!

「楽をしたい」心理と医療情報発信との戦い

「楽をしたい」というのは人の根本的な心理であって、自然に起こる感情で、この心理に人の行動は影響を受けていきます。 最近、医療情報発信をしていて気が付いたことがあります。 情報発信は「楽をしたい」という人の心理との戦いなのだと 今回はそんなことについて書きたいと思います。これはおそらく医療情報発信に限らずに、どの領域での情報発信でもそうなのではと思います。 絶対の解答を求めている医療情報発信をしていて、一般の方と医療者の間で必ずぶつかる壁がこれです。患者さん・家族は、「

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Q:免疫力を下げる可能性が一番高いのはどれでしょう?①フルマラソン完走 ②高強度インターバルトレーニング③1日11時間以上の座位

この問題の答えは、①です。 「免疫」に関するしくみが、本格的に研究されるようになった歴史は、意外に浅く1960年代。まだまだ課題を残している研究が多く見られます。 ①フルマラソンの完走は、 多くの研究で免疫力を低下させることが明らかになっており、激しい運動や過度なトレーニングは免疫力を弱め、感染症のリスクを高めると言われています。 一方、適度な運動は免疫力を高め、感染症や生活習慣病に有効とされています。 ちなみに、 ②の高強度インターバルトレーニングとは、強度の高い運動

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Q:戦後、体重増加しているのは?①男性 ②女性 ③男女両方

「メタボ」が流行語大賞を受賞したのは2006年のことです。「メタボリックシンドローム(以下メタボ)」は、糖尿病や心筋梗塞などのリスクを高めるため、太っている=不健康というイメージが定着しました。 ですが一方で、痩せる=健康・美しいというイメージから、近年、若い女性の痩せが問題になっています。 また近年では、高齢者におけるサルコペニア(筋力低下による痩せ)という問題もあり、メタボ以外にも体重に関わる健康上の問題で、知るべき情報が増えています。 戦後、太り続けているのは男性

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「最高のがん治療」となぜつけたのか?

がん治療について解説した初の著書を4月2日に出版します。この本は、勝俣範之先生と津川友介先生と3人で執筆した共著となります。 『世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療』 実は、この本を作る中で、3人の執筆者と編集者のみんなで協議した中で、ものすごく意見が分かれて、揉めに揉めたところがありました。 それはタイトルでした。 この「最高のがん治療」というタイトルをどう思われたでしょうか?もし、あなたが医療者なら違和感を感じたかもしれません。医療本を良く読む

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虫下しはがんに効くのか?

フェンベンダゾールという虫下し(駆虫薬)が癌に効果を示すという噂がネットで広まっていて、がん患者さんから「本当ですか?」とよく質問を受けます。今回は、この質問について専門家の見地から答えたいと思います。 フェンベンダゾール(Fenbendazole)は人に使われる薬ではなく、犬や豚に対して使われている寄生虫を殺すための薬です。がんへの適応はなく、がんに対してはいわゆる未承認薬(効果が不明な薬)という扱いになります。 ネット検索すると、このフェンベンダゾールが癌に効く、末期

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