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すわん君ってゆるキャラやったんか…フェスやイベントでの医療情報発信、どう?

2019年11月23日、「世界キャラクターさみっとin羽生」というイベント…いやむしろフェスに行きました。ゆるキャラ好きな友人と計3人でピクニック気分で。私はゆるキャラは好きだけれど、熱狂的に愛すほどではないので単純に屋外イベントを楽しむぐらいの気分で。しかし、当日は雨。野外フェスなのに雨!.

「世界キャラクターさみっと」雨天の悲劇

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私は長年ハードロック・ヘヴィメタル(HR/HM)ファンをやっているもので、天気予報で雨と知るや万全の雨天時における野外フェスの装備をした。1年前にZARAのセールで購入した防水コートを着て、足元は日本野鳥の会ブーツ(長靴)。あえて傘は持たない…完璧だ。
(しかし、長年愛用してきた長靴に穴があいてて、靴下がちょっと濡れてしもた…)
そんな完璧な装備ができるのに、実は本格的な音楽野外フェスは行ったことはなかったりする。しかし備えあれば憂いなし、災害対応は普段の生活にも対応している。いつでも雨天の野外フェスに参加できる準備は、どんな荒天でもおそれず外出できるのだ!(しないけど)

そして、このサミット時も頭の中ではドニントンとかを浮かべつつ重装備に安心しつつ楽しもうとしていたのだが、なんせ雨天にゆるキャラたちがあんまりいない…そりゃそうだ、彼らは濡れたら困るもの。ステージ移動にサポートスタッフが傘をさしかけるキャラもいれば、専用レインコートを身につけたキャラ(財力か…)なんかは見かけるんだけど、予定より少なかったらしい。それで目当てのキャラが不在だった友人ふたりはちょっとがっかり気味だった。

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専用レインコートをまとうキャラ。さすが…

やけくそで寄ってみたブースは「すわん君」

そんな中、屋根のあるブースに客を招き入れているブースがあった。あら魅力的…と吸い寄せられると、そこは「すわん君」ブース。すわん君は日本循環器学会の禁煙啓発キャラクターである。

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すわん君。どことなくガッチャマンぽい…

私はがんサバイバーで、その属性をもとに記事を書いたり情報発信しているのだけど…喫煙者なのです(;´Д‘)。もちろん、そのことへの批判もお叱りも承知しておりますし、あらゆるところで禁煙を勧められていますが、まあとにかく今はまだ止めていなくて。連れの友人ひとりも喫煙者(止めるつもりなし)と、冷やかし半分雨宿り半分というたいへん不埒な動機でブースに入ってみた。

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雨がすごくてチラシ配布も大変そう。白衣の上に白いレインコート…!

そこでは口頭でアンケートをしてから肺年齢測定をし、喫煙者は自動的に医師と面談をしてもらえる! 私と友人も問答無用で面談へ…お話させていただいた医師(50代後半くらいかしら)は、話上手で感じよく、でも厳しくおもしろい人だったもんで、つい話しこんでしまった。

タダで循環器の医師とお話できるぞ!

むろんのこと、禁煙指導です。メリット・デメリットを説明するのは常套手段でしょうが、この先生はメリット押し! まずは経済的な面からぐいぐいと説明される。

「そうですよねー、でもなかなか離れられなくて…具体的にはどうしたらいいですか?」
と聞くと
「筋トレです!」
と力強い断言。むむ、筋肉神話が禁煙指導にも来ているのか…と思いきや、先生自身が40歳くらいまでヘヴィスモーカーで(おいw)、止めるにあたって筋トレをされたそうで。タバコを吸ってしまう時はイライラしてる時や手持ちぶさたな時が多いので、そういう時間に筋トレするのだと。あー吸いたいな…と思ったらスクワットを。

「一石二鳥以上だよ!タバコも止められるし、筋肉がつくと血流もよくなる。深い呼吸をしながら筋トレすれば呼吸器も強くなります。もちろん、美容にもいいんですよ」

たしかに。わかる、そりゃわかる。私だって神経痛と関節痛がひどくなる前は空いた時間にヨガとスクワットを心がけていたら、めっちゃよかったもん(喫煙してたけど)。
それから、喫煙によるリスク説明。よく知られている肺がんよりも、頭頸部のがん(口腔、咽頭、喉頭、鼻腔、副鼻腔、甲状腺、唾液腺、頸部食道など)は明らかに喫煙が原因になりますよとがっつりご説明いただきました…ハイ…わかります…。

がんサバイバーとライター業をバラしてしまう

「この年齢だと(※46歳)気になる病気とかないですか?」
と聞かれ
「あ、乳がんやってます。もう13年前ですけど…」
と言ったら
「ダメじゃん! 主治医はダメって言わなかったの?? だめだよ、そんな主治医~」
「でっでもでも先生、メンタルで死んじゃいます~。あのなんともしようがない期間に、タバコででも息継ぎができないと、ムリ~!」
と言うと
「まあ、それはそうだよね。なんでもかんでもダメってなるとつらすぎるもんな…
と、先生。やはり心身でつらい時にやみくもに禁止するのは危ないこともあるよね、とのこと。

「でもあなた、ここまでの説明はよくわかってるでしょ~?お仕事はなに?座ってることが多いの?」
「あ、ライターです…」
「ほんと!? あなたには悪いんだけどさ、本当にメディアには腹が立つんだよ~あること無いこと書いてさ。嘘っぱちの健康情報垂れ流すしさー。雑誌なんて100%間違ってるんだよ、広告とかあるんだし」
「(;´Д‘)」
「…それはともかく、座ってる時間が長いんでしょう。やっぱり筋トレ!筋トレすべしです」

イベントやフェスでできる医療の活動って?

ライター業がバレてしまったので、もうちょっとお話に突っ込んでいった(雨もひどくなってたしw)。
こういったイベントやフェスに循環器学会として出展してどうなのだろうか(ゆるキャラサミットは日本呼吸器学会と合同だったかも)。

先生としては、禁煙推進活動としてはとても有効な場だとのこと。家族で訪れるようなイベントだと、子どもがいる場で指導すると効き目があるのだそう。たとえば孫と一緒にきたおじいちゃんに「タバコ代が浮くと孫に買ってやれるおもちゃ代がこんなに」という指導方法はかなり効果あるんだとか。目的があって来ているんだけど、ちょっとした隙間の時間や自分が主でないイベントだと立ち寄られやすいのだそうだ。

禁煙など普及啓発以外でイベントやフェスで効果的な医療のブースや発信は、どんなものがあったらいいと思いますか? と聞くと
「気軽なセカンドオピニオンができればいいなあと個人的には思います」
とのこと。

いま飲んでいるお薬や治療への相談をイベントで受けられたらいいなあと。不安や不満、主治医に言いにくいことなどを別の場所で、これまでの経緯は関係なく怒られずに相談できると患者さんも医師もありがたいんじゃないかと個人的には思うと話しておられた。たとえば血圧や血糖を下げる治療をしている人は、メディアに流れる「飲まなくていい」「かえって有害」「判断する数値が変わった」などの情報に不安になるし、勝手に止めていることもある。止めたものの不安だったり、相談した主治医に納得のいく説明がしてもらえずにモヤモヤしている人も多いので、とくに循環器ではそういう人たちの言葉を聞いたり、背中を押したりするのが大事じゃないかなと思っっているのだそうだ。

ちょうどこれは医療者のいる「暮らしの保健室」と同じようなもので、すでにイベントなどで活動されているところもあると思います。ゆるキャラサミットのように、かなりの動員があるイベントは出展料も高額だろうし、スタッフ確保も大変だろうけど効果も高いのではないかしら。出展料やスタッフ動員のしっかりした団体が、健康相談やお薬相談のような普及啓発だけではない具体的な医療のボランティアブースを出すのは、けっこう意味があるし実現もしやすいのではないかしら…と思いました。

すわん君、Twitterやってた!

しかし、イベントにはJTも出ていて(ブースがあったかどうかはわからないけど)、喫煙所を設置。すわん君ブースを出た私と友人は一服しにそこへ行き、アイコスのおそうじサービスをしているスタッフの「禁煙のキャラがいるブース、営業妨害っすよー」と愚痴るのを聞いた(笑)。
でも、喫煙所に来る人も少ないし、そこ以外で吸ったり吸殻を見かけることもほとんどなく、世の中的には喫煙人口は減ってるんだろうな…という実感はありましたけどね。

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