情報は切り取られているという話

今回の台風19号の被害
次々と明らかになる被害に、心が痛みます

二子玉川の浸水地域は、私の実家があったあたりです

そして、武蔵小杉のあたりの丸子橋は、夫が最初に

就職した会社があり、よく車で迎えに行きました

多摩川というと、狛江付近の家が流される映像をよく見ますが

実は大雨の時、二子玉川や丸子橋付近は、何回も溢れています。

それは、私が住んでいたから知っていることです。


今回、私は、台風接近の時に東京を離れました。

風が強いということに頭が行き、ベランダのものを片付け

窓にテープを貼ってこなかったなと後悔しつつ

北陸で流れているニュースを観ていました。

その中で、何回も

未曽有の大雨という話をしていたのに、

関心は風にありました。


日本をすっぽりと包み込むくらいの大きな台風だと言っているのに

北陸は大丈夫だろうと思っていました

北陸でも「東京、大変だね」と話す人々がたくさんいました。


自分の身には危険は起きないと思うというか、そう思いたい。

多くの情報が流れてくると、その中で、自分にとって

『優しい』『易しい』情報を信じようとしていく。


同じことが、がん情報でも起こっていると思います


…というか、私はだから、大きな失敗をしたのです。

『がんが治る』ということを信じたかったのです

効果、安全性が示されていれば、保険適応になっているという言葉に

『それだって、最初は研究でしょ?心ある医師が、馬鹿にされても

命のために挑んできたことが、命につながるんだ』

信じたかったのです


だって、『私、失敗しませんから』の医師は、周りから

変わり者扱いをされています


だから、変わり者扱いされるくらいの人は、本気で命に向き合っていると

思ってしまったんです。


原因はただ一つ。

自分のにとって都合がいいことを信じたかった

それが違うとわかるのは、痛い目にあい、情報の受け取り方に慎重になってからなんだと思っています


私たちはメディアに取り上げていただくこともあります。

自分を顔出しで、実名で発信していくのは、実際、いいことばかりではないです


なぜ、それでも発信するのかと言えば、ただ、本当に自分の愚かさに

後悔している、悔しいからなんだと思っています。

それが、自分寄りの発信になってしまったら、それは

トンデモ情報と同じバイアスがかかった発信です


関心の入り口になればいいのであって、そこから繋がるのは

透明性をもった情報であるべきだと思います


今回の台風でも、後から『デマだった』というものが

わかってきました


情報は、発信する側のフィルターを通っているからこそ

バイアスがかかり、ともすると、無責任だったり

切り取られているのだと思います


そこにインフルエンサーなる人たちが、真偽もわからないのに

力をいれちゃうと、それが『真実』だと思わせてしまう怖さがありますね。


私は取材を受ける中でも、『切り取られている』ことを感じました


メディアにも、どこに『落としどころ』を持っていくかがあり

そのために、都合がいいことを切り取っていく人がいることを知りました



全員ではないです。丁寧な取材もあります


でも、読んでもらわなくちゃ意味がない


だから、エッジの効いたタイトルをつける


タイトルだけ見て、中身を読まずに内容を受けてしまうことがある


そうやって、情報は、個々人の立場で「やさしい」もの

選ばれていくのだと思っています


取材を受ける中で、

台所にある鍋の中身を撮られたことがありました


当時、よぼよぼしていた飼い犬を散歩をしてくださいと言われたこともありました


なぜか


私が泣かないから。

夫が泣かないから。


つまらないと言われました。


人は、そういう心を動かされるものがあって、それで中身を見るのだと言われたのです。


心が折れました


そうやって、発信したいことではなく、「お涙頂戴」を切り取られ

発信されたこともあります



全ては私がいけないのだと思います


無知だったんです


痛い想いをして覚えました


切り取られたくなかったら、切り取れないようにするしかないのです


今、私は、まだ、自分には無関係だと思っている人にこそ

透明性をもった情報を知る機会が必要だと思って発信に挑戦しています。


感動ポルノと言われたこともありますが

やらない後悔より

やって打たれた方がいいと思っています



全国胃がんキャラバン、多くの人にがん情報を届けるグリーンルーペアクションに挑戦しています。藁をもすがるからこそ、根拠のある情報が必要なのだと思い、頑張っています。