ていねこ 医師・作家

家庭医のヒヨコから医学教育の猫飼いへ 自らの心の動きを形にするような文章やハンコ、絵を作成している 試される大地で試されています

ていねこ 医師・作家

家庭医のヒヨコから医学教育の猫飼いへ 自らの心の動きを形にするような文章やハンコ、絵を作成している 試される大地で試されています

マガジン

  • 教育を学ぶ医師、猫と暮らす

    元総合診療専攻医。医師5年目にうつ病を発症し、約2年間の休職を経て復職しました。 民間病院で臨床を行わず卒後医学教育専従医として(猫と共に)暮らす日々を綴っていきます。

  • 家庭医のヒヨコ、療養する

    2020年8月に内因性うつ病と診断され、調子良く回復かと思いきや復職を1回失敗しました。せっかくなので自らの療養の記録を残そうと考え執筆しています。

  • 帰国子女きょうだいが英語を忘れないようにだべる部屋を振り返る

    幼少期の15年間を海外(ニューヨーク14年、バンコク1年)で過ごした仲良しきょうだいですが、2人とも大学進学を期に日本に帰国し10年余りが過ぎました。 会話アプリClubhouseを開始したことをきっかけに、英語を忘れないための雑談部屋をほぼ毎週開催しています。姉が各回のまとめをnoteに残していきます。 *会話内容の記録はClubhouse規約に則り弟の同意を得て行っています。

  • 日常診療のよしなしごと①

    守秘義務を守りながら、日々家庭医として働く中で学んだことや感じたことを書き残し、数本ごとにまとめていきます。

最近の記事

  • 固定された記事

このnoteは、学生のときに家庭医を志そうと決めて、縁もゆかりもない土地で医師としてのはじめの数年間を過ごしている、他ならぬわたしのために書くのだと、改めて決めた。

    • 教育専任医師の学会発表

      これまでのあらすじ ていねこは卒後5年目まで総合診療医のヒヨコだったが、人生の諸々を経ていまは自分が初期研修した病院で教育専任として働いている。 北の大地にあり割とでかいこの研修病院は、「挑戦し続ける医師になる」をスローガンとしてこれまで数多くの若手医師のキャリアを、それこそ専門研修や留学から企業、進学まで見届けてきた。 私はその歴史のほんの数年しか携わっていないが、教育一本でかなり好きにやらせてもらっている。 いま行っている業務は主に3つで、 ①海外の提携大学病院と

      • 研修医たちへ 悩みの話

        この記事は、全国のどこで研修を受けている若手医師にも言える内容だと思っていますが、主に私が日々関わっている、北の大地にあるやたら多様なバックグラウンドを持って集まってくる研修医たちに向けています。 研修医の悩みを聞く立場とは私は医師5年目で診療を離れ、今は ・卒後医学教育のプログラム改訂と評価 ・海外との若手医師教育連携 ・臨床研究の倫理面における支援 ・初期研修の日々の相談に乗る といった、 日常診療に追われる医師生活ではなかなか腰を据えて取り組むことのできない業務を日々

        • 医学教育を学んだ1年の振り返り

          「ふくみん」とは2023年度が終わるとともに、「第9回 現場で働く医師・教員のための医学教育プログラム」を修了した。英語名の略がFCMEで、通称ふくみんと呼ばれている。 対象者は卒後6年目以上の指導経験がある医師で、医学教育の事前知識は問わない。 毎年12名が受講し、年3回の対面講義と月に2-3回のオンライン講義から成る。 責任者である錦織先生の異動に伴い2023年度からは名古屋大学が主催している。 受講に至るまで2020年8月にうつ病を発症し休職と同時に臨床を離れた私は

        • 固定された記事

        このnoteは、学生のときに家庭医を志そうと決めて、縁もゆかりもない土地で医師としてのはじめの数年間を過ごしている、他ならぬわたしのために書くのだと、改めて決めた。

        マガジン

        • 教育を学ぶ医師、猫と暮らす
          10本
        • 家庭医のヒヨコ、療養する
          11本
        • 帰国子女きょうだいが英語を忘れないようにだべる部屋を振り返る
          6本
          ¥500
        • 日常診療のよしなしごと①
          4本
          ¥100

        記事

          やる気について考える

          【ていねこ(MD, MPH)は医師8年目、総合診療専攻研修の中断と休職を経て、現在は臨床研修病院で医学教育・臨床研修支援専任で働いています。猫はアメショのロミオ。】 ていねこは今年度「現場で働く教員・医師のための医学教育プログラム 基礎編」というものを受講している。 全国の様々な年代・専門の医師が受講していて、みんな教育を実践している場もバラバラで、講義で出される課題のそれぞれの答えを聞くだけで勉強になる。 普段はwebベースの遠隔講義だけど、先日4日間の対面タームがあった

          やる気について考える

          教育研究医、振り返りを教える

          【前回までのあらすじ】色々あって、初期研修をした北の大地にある総合病院で「臨床研究・治験推進室」と「臨床研修支援室」兼務になった医師7年目の春。当院初の非臨床常勤医師として様々な隙間産業に挑む日々を綴る。早くも医師8年目!最近は医学教育について学んでいるので現場に還元したい気持ちが強い。 SEA(印象深い出来事の分析)を導入するまで私は「振り返り」が好きだ。 思い出に浸るという意味ではなく、自らが経験した出来事を振り返ることで、その時の行動や感情、周りの反応などを思い返し、

          教育研究医、振り返りを教える

          教育研究医は学びを還元したい

          【前回までのあらすじ】色々あって、初期研修をした北の大地にある総合病院で「臨床研究・治験推進室」と「臨床研修部」兼務になった医師7年目の春。当院初の非臨床常勤医師として様々な隙間産業に挑む日々を綴る。早くも医師8年目突入 ていねこは今年度、「現場で働く教員・指導医のための医学教育プログラム」に参加し、医学教育の理論と実践を学ぶ時間をとっている。 勤め先の病院に掛け合って、そう安くない参加費を出してもらいながら、主に初期研修医の教育をどうやったら「良く」できるかについての示唆

          教育研究医は学びを還元したい

          北の臨床研修病院、英語を立て直す

          【前回までのあらすじ】色々あって、初期研修をした北の大地にある総合病院で「臨床研究・治験推進室」と「臨床研修部」兼務になった医師7年目の春。当院初の非臨床常勤医師として様々な隙間産業に挑む日々を綴る。 日本の病院がアメリカの病院と連携するまで 1000%特定可能になってしまうが、当院は2022年度からアメリカのとある医学部附属病院と提携契約を結んだ。(提携までの経緯はボスが書いた記事をご覧頂きたい。なお私は研修部長のことをこっそりボスと呼んでいるが本人には内緒だ) 私が

          北の臨床研修病院、英語を立て直す

          研修医たちへ- 目標を立てたり立てなかったりしよう

          新社会人の皆さん、おめでとうございます。 (私の記事は医師でない方も読めるように書いています) 当院に入職した研修医の皆さん、来てくれてありがとう。皆さんに会うのを本当に楽しみにしていました。 せっかく、ていねことして臨床をしない医師のnoteをやっているので、研修医に向けた記事も書こうと思います。 2年目のチーフレジデント(学級委員長)が、1年目の皆さんに向けて 「研修医の目標は研修を修了することである」と言っていましたね。 これは本当にその通りで、何があっても、できて

          研修医たちへ- 目標を立てたり立てなかったりしよう

          教育研究医のヒヨコ、「振り返り」を教える

          【前回までのあらすじ】 2020年7月、医師5年目で総合診療専攻医3年目として毎日仕事をエンジョイしていた私はある日突然起き上がれなくなり、内因性うつ病と診断され、そこから長い休職を経験した。 詳しくはマガジン「家庭医のヒヨコ、療養する」をご覧頂きたい。 2022年4月から自身の初期研修先でもあった総合病院(容易に特定可能)の教育・研究専従として復職し、研修医教育や院内の研究体制の整備を行なっている。かくして、家庭医のヒヨコから教育研究医のヒヨコにジョブチェンジしたのであった

          教育研究医のヒヨコ、「振り返り」を教える

          教育研究医のヒヨコ、分からないということを教える

          【前回までのあらすじ】 2020年7月、医師5年目で総合診療専攻医3年目として毎日仕事をエンジョイしていた私は内因性うつ病と診断され、長い休職を経験した。 詳しくはマガジン「家庭医のヒヨコ、療養する」をご覧頂きたい。 2022年4月から自身の初期研修先でもあった総合病院(容易に特定可能)の教育・研究専従として復職し、研修医教育や院内の研究体制の整備を行なっている。かくして、家庭医のヒヨコから教育研究医のヒヨコにジョブチェンジしたのであった。来年度にはニワトリになりたい。 初

          教育研究医のヒヨコ、分からないということを教える

          家庭医のヒヨコ、臨床しな医として復職する

          前回までのあらすじ なんと1年以上更新していなかった。 2020年7月、医師5年目で総合診療専攻医3年目として毎日仕事をエンジョイしていた私は、ある日急に動けなくなってしまった。8月には内因性うつ病と診断され、長い長い休職を経験した。 詳しくはマガジン「家庭医のヒヨコ、療養する」をご覧頂きたい。 2021年7月、発病から約1年たち、ようやく復職に向けてのリハビリを始めることができた。その半年前に一度臨床業務で復職を試みたが「久しぶりの仕事が楽し過ぎて盛大に本気を出し、3日

          家庭医のヒヨコ、臨床しな医として復職する

          家庭医のヒヨコ、療養する-8. いったんの最終回 臨床から離れる話

          昨年8月に内因性うつ病(特に原因なく発症するうつのこと)と診断され、休職と薬物療法が始まった。 発症から半年ほど経った2021年1月、1回目の復職に失敗したことでようやく「自分はもうこれまでの様な生き方・働き方はできないのだ」という事実を受け入れられた。辛い気づきだったが、これによって初めて本当の意味で「休職」できるようになった。 担当していた患者さんを手放し、大学院も休学した。体力を削るあらゆるものを排除し、純粋にやりたいことは何かを考え直す余裕ができた。 ちょうどこの

          家庭医のヒヨコ、療養する-8. いったんの最終回 臨床から離れる話

          家庭医のヒヨコ、療養する-7. 本当の意味で受け入れる

          仕事も家庭も順調で30歳なりに人生をエンジョイしていた私は、昨年の6月頃から働くと具合が悪くなるようになってしまい、7月には医師業は愚か食事・睡眠もままならなくなった。 8月に内因性うつ病(特に原因なく発症するうつのこと)と診断され、休職と薬物療法が始まった。 はじめは動けない日々が続いたが、せめて気持ちはポジティブであろうと強く思い、「できること」を見つけることに執着した。少しずつ病前の自分を取り戻せているという感覚にすがった。 昨日よりは今日、長く起きていられる。先週よ

          家庭医のヒヨコ、療養する-7. 本当の意味で受け入れる

          6月13日「インスピレーションが湧きすぎて寝ながら起きていたい」

          6月30日まで無料公開しています。 このマガジンについての詳細は「きっかけ」の記事に記載しております。 https://note.com/teineko/n/n7e308cf7dbbc 【今週の話題より抜粋】 1. 寝ながら起きていたい 2. Shabon Bubble flies away 3. 現環境で最高ランクであるゴールド免許を取得した新米最高ランカーが語る 4. この頃言葉で説明できないことが多く巻き起こっている ——— 【1. 寝ながら起きていたい】 姉:Te

          ¥100〜

          6月13日「インスピレーションが湧きすぎて寝ながら起きていたい」

          家庭医のヒヨコ、療養する-6. 麦茶とセロトニンと私

          仕事も家庭も順調で30歳なりに人生をエンジョイしていた私は、昨年の6月頃から働くと具合が悪くなるようになってしまい、医師業は愚か食事・睡眠もままならなくなった。 8月に内因性うつ病(特に原因なく発症するうつのこと)と診断され、休職すると共に抗うつ薬、睡眠導入剤の内服が開始となった。副作用に慣れるまで1週間ほどかかったが、その後はただひたすら休むだけの時間が始まった。 学生時代にも一度、受診には至らなかったが長めの休みを要した期間があったことを思い出した。数週間の出来事だった

          家庭医のヒヨコ、療養する-6. 麦茶とセロトニンと私