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記事一覧
note短編小説|感動のラスト
「あの子がなして死んでしもうたんか、よう分からんのですが、自殺とか薬じゃないと思うんです。いまも信じられんです。あんな優しい子……」
子を失った母親が涙を堪え、声を震わせるインタビュー映像がスクランブル交差点のモニターに映る。しかしそれを見上げ、彼女の涙から悲しみを共有する者はいない。誰も注目しないのではなく、その場に人間が存在しないのだ。
晴天の下、渋谷のど真ん中を闊歩する人々の姿はな
note短編小説|サヨナラ、老害先輩。
Takei.K
やっと辞めたな、ハシヤ
ナカジマ.S
最高!あの老害とこれ以上いたら、刺してた
野中タカコ
刺すw
でもセクハラで潰そうと思ってた
ナカジマシンジ
セクハラ案件リアル過ぎw
O.Tadao
二次会行かずに正解でしたね
延々とハシヤへの罵倒は続く。
ここは同年代社員が集い、会社や上司の愚痴をばら
note短編小説|棺桶からのニュース速報
「佐竹、開けろ!警察だ!」怒号が飛ぶ。
文京区は本駒込(ほんこまごめ)の寂れたアパートの2階、角部屋の玄関前に背広を着た男たち四人が詰めている。近隣住民も物々しさから朝の散歩を中断したり、家の窓から覗いたりと様子を窺う。
「坂井、気持ちは分かるがガナり過ぎだ。朝の九時過ぎだ」
「すみません、けど警官やられてますし……」
「そらぁ分かっとるが」年長の若杉が坂井をなだめる。
一週間前
note短編小説|カメレオンの最期:後編
この記事は『カメレオンの最期』という短編小説の後編です。
前編はこちらから。
note短編小説|カメレオンの最期:前編
https://note.com/da_bun_takebtz/n/nb363b222e1f2
では、続きをお楽しみください。
【第三章】終末旅行
志賀島の海岸と空を見つめながら、止むことがない風に打たれるアヤカ。いよいよこの世界の終わりが近づいてきたことを、まざまざと