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日常:雑な器のためのコンセプトノート

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日々の様々なトピックについてこちらでまとめています。(作品制作、料理、失敗のレジュメ、旅の記録に収まらないものをこのマガジンにまとめています)
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#エッセイ

生きたり生き存えたり日記、5月(上)

生きたり生き存えたり日記、5月(上)

5月某日

夜、小田原散策中にはぐれホタルに出会う。駅から自転車で15分くらいで行ける場所だが街灯など一切なく真っ暗。蛍というものはわざわざそれをめがけて見に行くものだと思っていたので、突如、目の前に現れて驚いた。現在地周辺を検索してみると近くに水源地がある。そこから川が派生していて、いるところにはもっと沢山の蛍がいるはずだろう。

5月某日

GWあたりに小田原に戻ってきた。111日ぶりの我が家

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大学時代の味わい深い退屈、鴨池。

大学時代の味わい深い退屈、鴨池。

SFCと呼ばれるキャンパスは小さな森に囲まれている。私のお気に入りは、他の人もそうであったように、ガリバー池と呼ばれる湖と池の中間くらいの大きさの水たまり。そこにはカモがたくさん住んでいて、鴨池という愛称で呼ばれていた。だから、鴨池で時間を過ごすことを「カモる」という風に言った。芝生にゴロンと寝転がったり、本を読んだり。食事をとったり、歌を歌ったり。課題をやるためにパソコンを広げたり、相撲をとって

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今の窓から、江ノ島の空を思い出す。ノスタルジーという香りの分解。

今の窓から、江ノ島の空を思い出す。ノスタルジーという香りの分解。

写真は未来へのタイムカプセルだ。今日撮影したそのなんでもない日常は、未来のある日、見返されたときに、おもわぬ感情を誘発する。精神を、どろっとした鮮やかさで爆発させる爆弾に仕上がるかもしれない。一般的には哀愁や、ノスタルジーという言葉に接続されるその感情。解像度をあげて分解していったら、いったいどんな匂いがするのだろう。シナモン、八角、クローブ、檸檬、、、。明日の自分のために特性のシロップを準備する

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光(河瀬直美)を見て。

光(河瀬直美)を見て。

映画「光」(監督河瀬直美)を見た。今思っているのは、こういうことだ。最後にもう一度、これから書くことは書かれている。だから、冒頭にある言葉は、ぼくは一番最後に書いた言葉の群である。この指に、覚えこませたい体は誰の体だろう。指で輪郭をなぞりたいのは、誰の顔だ。そのなめらかな背中からつま先までの道筋を脳裏に焼き付けたいのは、誰のものだ。自分のこともわからずに、相手を、誰かを触れたりできるのだろうか。

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夏の太陽にサバンナの通学路を想う

小学生のときの夏休みは、嫌いだった。学校が休みになって、友達に会えなくなるのが退屈だった。中学生になると今度は、夏休みが嬉しくなった。学校に行かなくていい。退屈な時間を過ごさなくていい。毎日何時に起きてもいいし、寝てもいい。なんて自由なんだ。いつまでも夏休みが続いて、学校が潰れてほしい。そんな風に思っていた。いまのぼくは一度でも「学校にいかなくていい」と思ってしまった幼いぼくを恥じる。

世界を広

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「言うは易く行うは難し」円覚寺座禅会で考えた5つのこと

「言うは易く行うは難し」円覚寺座禅会で考えた5つのこと

本日、北鎌倉の円覚寺にて座禅会に参加した。
慶應の知人である貫洞聖彦さんに誘っていただき、彼と共に座禅をするのはこれで2度目。前回は半年前、多国籍な6人ほどのメンバーでの座禅会だった。

(前回)
ぼくは事前に酒を体に入れていたためか、座禅中の身体の揺れの激しさが通常ではなかった。身体と精神が完全に分離して、座禅に潜ろうとすればするほど、体が暴れた。しかし、座禅後の精神の研がれ方もすごく、溺れた後

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