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【現代詩】『Made in Cosmos』

朱肉の顔を引っ提げて
何が目出度いか見当もつかないのに啼いて生まれた可哀想なお前の肌身存在皮膚骨血潮を
どうでしょう、本当ならお母(かあ)が手製のオーダーメイドで駄座印(デザイン)してあげたかった

戦前お母(かあ)は学校へ行き
駄座印(デザイン)の勉強をしていた
ーそれだのに、いざサイレンが鳴ったあの瞬間
手足が震えて頭が真白になり
総てを放り捨投げ裸足のままで駆け出してしまった
そして 焼け焦げた野原に立って
我に還った時の忘れもしない、あの蒼白
手元に残ったのは
やれミシンだ、コンピューターだ と
満足げに声を張り上げて作った、血豆
皺だらけになっただけの日々と、明日。

だどもお母(かあ)は知ってる*よ
こんな焼け爛れにさえ、もう一度
弁(わきま)え咲ける事の出来るお前
、その甘えん坊 = 宇 宙 製 =
3.14159265…
もう、わかったでしょう
お前を駄座印(デザイン)して寄越したのは
残念ながらお母ではない√
まだ誰も見たことのない正体不明の
ア イ ツ ≒ 宇 宙 な の で す


あかきみどりむらさき
2024ねん


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