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掌編小説、随筆

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掌編小説と随筆をまとめています。
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#独り言

小説らしいとは

「行間の空いている小説、あれはライトノベルでいいんですか?」

 行間を空けて読者に読みやすくしている小説を見かけることがある。それらを見る度に私は、これはライトノベルか否かを考えるのである。そもそも一般的な小説とライトノベルは別物なのかも分からない次第である。しかし、ライトノベルにも色々ある。昔、カルロ・ゼン作の『少女戦記』を読んだことがある。外見は俗に言う鈍器本だが、それもラノベだと聞く。しか

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生き切るという癌

生き切るという癌

 物事には終わりがあり、さらに始まりがあるもので、それらを繋げて環が出来上がり、永遠が続くということもあるようです。

 僕の最近の調子、要するに身体のことの話になるのですが、頗る悪しでございます。一昨日、一昨昨日でございましょうか、夜、枕衾に酖る時間に、急に胸だか心臓だかが痛く苦しくなってきまして、僕はこれを、この痛みを癌から来るものなのだなと直ぐに思いました。こう思うのも理由がありまして、僕の

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散り散りの自分

散り散りの自分

 僕は「散り散り」だ。
 あれを考え、これを考え、色々考え、いっぱい考え、しかし、どこにも収まらない。本棚から出した本たちが片付けられずに積まれて置かれている。これが、僕の生活だ。僕自身だ。

 僕は努力をやめた。自分の力を見たくなくて、努力をして、頑張って、それでも何も出来なかったらどうしようと不安になって、だから、やめたんだ。

 きっと、最近になって始めたことも、なあなあになって終わるだろう

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感謝の人生

感謝の人生

 今は全てに感謝をしたい。
 ここで私に不安が訪れる。「どうせ偽善だろ?」「全てに感謝とか、嫌いな人にも感謝するのかよ」「宗教か何かだろ?」という声が聞こえてくる。私を止めてくるそれらの言葉を、私は足蹴にせず「ご忠告ありがとう」と感謝をする。今の私は何があろうと感謝せずにはいられないのだ。

 これは“心からの”感謝をした人にしか分からないことだが、感謝をすると世界が美しく見えてくるのだ。今の自分

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苦手なスピ系の人

苦手なスピ系の人

 元気で弾けのあるスピ系の人が苦手だ。僕自身もスピ系に属している人間だけれども、僕はスピリチュアルに静けさを求めている節がある。そういう訳で元気で華やかなスピ系の人が苦手なのだ。

 何ヶ月か前に、やっとスピ系のお話が出来そうなお店が近所にあることを発見し、その瞑想会に行ってみた。瞑想は楽しかった。しかし、その後の会話が苦痛だった。周りが女性だらけなこともあり、話は大いに花を咲かせていた。そうして

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死の啓蒙と星月夜

死の啓蒙と星月夜

 僕の思想は薄っぺらい感情論でしかない。
 ただ死にたいと言い、それ以上でもそれ以下でもないのだ。ただ一つ言い分があるとすれば、社会的な損得勘定によって自分は生きる価値の無い存在になっているということだ。それ故の希死念慮。ペシミズム、ニヒリズムに関する本を読み漁り、そうだこれだと感動し、時間のある限りそれらに意識を集中させ、そうして死にたいという思いは日に日に成長していった。しかし、ここで問題が発

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徒然を連れて 3

 神出鬼没のライターと化した三葉治です。

 今日は、仕事場の向日葵の水やりに行った時に、後脚を片方無くした茶色のバッタに出会いました。私は脚を無くした昆虫を見る度に「お前はいま何を思って生きているのか」と問うことがあります。脚が無くなって悲しいのか、痛いのか、それともなんとも思わず今日のご飯のことを考えているのかと。でも虫は当たり前のように答えません。私の存在を感じて警戒しながらじっとしているだ

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徒然を連れて 1

 人付き合いをしていて、否、本当に人間関係があったかどうかさえも怪しくなり始めて、孤独を感じている今日この頃。いつものごとく布団の上で衾を被って寝転んでいる。土日はいつも予定は無く、特に暇な日だ。暇な時間に出来ることは山ほどあるが、やりたくない。そんな気分じゃないからだ。色んなことを後回しにしてごろ寝している。そんな生活。

 そういえば昨日にサプリメントを買ってきた。お金が底を尽きようとしており

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残喘の喞ち言《ざんぜんのかこちごと》

 山に舂く、斜陽を愁う。
 何故こうも哀しくなるのでしょう。

 死に花を咲かす人生をと、そう思って今まで生きてきたのだが、見事に咲かせる魂も無く、慚愧がこの身を喰らうては、ただ蠢爾たる芋虫の如く、終日と、衾を被って生きている。
 そろそろ文反故をどうにかしなければならないと思いつつ、間がな隙がな心の奥処にある芥に惑溺して、ただ時間を駄目にして過ごしていた。
 其の瘠軀は貧窶にして不如意。全くの懶

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読者をふるい落とす小説を書く

自分の好きを集めて書いていたら、読者は置いてけぼりになるだろう。それを私は実行する。

媚びない。読める人が読めばいい。特に私が書いている小説のように、専門用語を使うものは、必ず人を選ぶ。

私は書きたい。あわよくば同人誌にしたい。そして遺書の代わりにしたい。ただそれだけの想いでで書いている。

自分の小説に自信がない言い訳をしているわけでは無い。ただ、書いているだけで、自然と読者をふるい落とすよ

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三葉治の自己紹介

 新緑が輝きを増し、梅の実が大きく膨らむ頃、「三葉治」は誕生した。

 とある文豪の名を冠するその人物は、散歩中に梅の木を見つけて、そうして想像の任せるままに、ある文章を書き始めた。それが初の掌編小説『青梅』である。

 当時、死にたがりだった自身の想いと、毒物でもある青梅を題材にして小説を書き上げた。その出来栄えは、初心者であるが故の稚拙な文章であったが、自分でも文章を書けるという新発見、文章を

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