生き切るという癌
物事には終わりがあり、さらに始まりがあるもので、それらを繋げて環が出来上がり、永遠が続くということもあるようです。
僕の最近の調子、要するに身体のことの話になるのですが、頗る悪しでございます。一昨日、一昨昨日でございましょうか、夜、枕衾に酖る時間に、急に胸だか心臓だかが痛く苦しくなってきまして、僕はこれを、この痛みを癌から来るものなのだなと直ぐに思いました。こう思うのも理由がありまして、僕の母親は癌で亡くなったので、その遺伝があるのではと思ったのでございます。
嗚呼、嬉しや、黄泉までもう一歩。いや二歩、三歩あるかしらん。今年中には終わらせたいこの命。嗚呼、嬉しや、遺書は書きました。ええ、書きましたとも。皆々様喜んでください。社会の環から外れたワタクシが、今後まもなく本当に、社会から、この世から消えさろうとしています。僕は社会に対して思い煩うことなく、そして皆々様は僕によって思い煩うことがなくなります。
しかし、あれ、なんだろう、心の何処かに蟠りができている。これも癌の一種かしら。
僕は、そう、生き切るという癌に、今、患わされています。近々死ぬることが分かると、何故か、どう生きようかと考え出すのです。読書がしたくなってきた、いや、今後の為に瞑想を、肉より魚が、野菜が食べたい、今まで無かった欲が一気に溢れ出すのです。でも、それでも、ごく偶に、結局なにもしない方がいいという考えも浮かんでくるのです。僕は、どうしたら……
この話は、もう終いにしましょう。でも、そうですね、それならばここで質問をしましょう。
残り幾許かの命。
あなたなら、どう生きますか。
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