記事一覧
通訳者が聴くことだけに集中できる時間をつくる意義
今年心がけていることにひとつに「人の話を聴きにいくこと」があります。
興味のある分野の講演会を聴きにいく、
話を聴きたいと思う友人との食事を予定する、
会いたいと思う人にアプローチしてみる、
朗読会の鑑賞に行く、などなど
そうすると、不思議な感覚になることがあります。
普段、聴きながら解釈して分析して、別の言語で表現するための言葉や語順を決めるという作業をほぼ同時に行っている通訳者は、自分の限
ワークライフ・インテグレーション
あっという間に8月も後半。初夏は通訳業界も大変忙しく、感染対策を講じながら現場へ出たり、リモート通訳をしたりと、矢を射るかの如く時が過ぎました。
開催には多くの議論を呼んだ東京オリンピック・パラリンピックですが、延期前から通訳者として準備にかかわってきた私は、会場に選手がいる様子をテレビで見た瞬間、目頭がじわっと熱くなりました。IOC会長と都知事の会談通訳に始まり、毎晩続いた世界各地とのリモート
ウィズコロナの通訳環境
新型コロナウイルスの感染拡大に伴うオンライン会議の急増で、リモート通訳のニーズが増えました。また経済活動の再開とともに、通訳者が参加する対面の会議も戻りつつあります。ウィズコロナの会議環境では、十分な感染予防対策が必要です。
一般社団法人 日本会議通訳者協会(JACI)では、8月に「新たな通訳環境に向けた通訳者からのご提案」として、
・ 感染予防のためのお願い
・ リモート通訳に関するお願い
通訳翻訳WEBに寄稿しました / コラム「通訳者・翻訳者の子育て」
家庭で育てる世界への興味(2020年4月7日 通訳翻訳WEB)
我が家は日本人の夫と私、10歳と7歳の娘の4人家族です。通訳という職業柄、「家でも子どもに英語を教えているの?」とときどき尋ねられますが、我が家の英語教育はのんびりしています。日本語環境にいながら、幼いころから家庭で本格的に英会話を教えるとなると、親の側に相当な努力と根気が必要なのではないでしょうか。残念ながら、私はそのようなものを
JACIウェブサイトで連載スタート /「トップの通訳」
こんにちは。日英会議通訳者の菱田奈津紀です。三寒四温の頃が過ぎ、春の陽気を感じる季節となりました。想定していた繁忙期は、世界的なウイルス感染拡大によって失われ、通訳業界も漏れなく大打撃を受けています。
このような中、Zoomを活用した遠隔セミナーや朝活などで、通訳業界を盛り上げてくれるJACIに改めてお礼を申し上げたいと思います。私も皆様に刺激を頂いて、自分の通訳訓練法を見直したり、以前購入して
JACI寄稿 / 駆け出しのころ「一歩を踏み出す勇気を重ねて」
初めて通訳という仕事を意識したのは、12歳のころだったと思います。翻訳家である母の友人が、一冊の訳書を私にプレゼントしてくれました。マザー・テレサの生い立ちや活動を紹介した児童書です。巻末の同時通訳者の解説には、1982年にマザー・テレサが来日した際の通訳の様子が書かれていました。当時の私が、これを読んで何を感じたのかは記憶にありませんが、通訳や翻訳という仕事が憧れのような形で印象に残ったことは、
もっとみる