映画『食べて、祈って、恋をして』を観て旅へ思いを馳せる
思いっきり旅がしたい。旅先で出会った人と気兼ねなく語り合いたい。人の温かさに触れたい。そんな願いを封じ込めて、今は我慢の生活を送る私たちを、映像とストーリーで旅に連れていってくれるような映画でした。
ニューヨークのジャーナリスト、エリザベスを演じるのは、ジュリア・ロバーツ。離婚や失恋を経験して、イタリア、インド、バリへと、自分探しの旅に出かけます。
ストーリーのターニングポイントで、素敵な名言が出てくるのも、この映画の特徴です。私たちの人生のターニングポイントでも「ことば」が後々まで残ること、ありますよね。気に入ったフレーズをいくつかご紹介したいと思います。通訳者になる前に英語を必死で勉強していた頃、こうして映画のセリフをディクテーションしていました。
好きなセリフやフレーズを書き留めて、英単語を文の中で「感覚的に」理解する(英語を英語で理解する)ことは、英語学習でも大事ですね。
ニューヨークで行き詰まっていたエリザベスは、
I used to have this appetite for food, for my life, and it's just gone.. Since I was 15, I've either been with a guy or breaking up with a guy. I have not given myself two weeks of a breather to just deal with, you know, myself!
(以前はね、食べ物や生きることに意欲があったの。でもそれが無くなってしまったの…。(中略)15歳のときから、誰かとくっついたり、別れたりを繰り返して、自分を見つめ直す時間は、2週間すらなかったのよ!)
と叫び、イタリアへ旅立ちます。そこで豊かな食を堪能し、「Dolce far niente」(英:the sweetness of doing nothing、日:何もしない喜び)という美徳に出会い、彼女は自分を解放し始めます。
Ruin is a gift. Ruin is the road to transformation. We must always be prepared for endless waves of transformation.
(壊していいの。壊すことができたら、変わることができる。(中略)いつやってくるかわからない変化の波に、いつも備えておかなければ。)
新たな環境で気づきを得て、次はインドへ向かいます。ここでは瞑想を学び、心の平和を求めるエリザベス。同じく自分の過去に苦しむ男性に出会い、こんな言葉をかけられます。
Forgive yourself. Everything else will take care of itself.
(自分自身を許しなさい。ほかのことは全て、自然に任せていいから。)
過去の自分や出来事を受け入れ始め、最後にバリへ渡ります。もう一度誰かを愛して、自分を失ってしまうことに不安を感じるエリザベス。そんな彼女に、バリの薬療師が言います。
Sometimes, to lose balance for love is part of living balanced life.
(時に愛のためにバランスを崩すことは、バランスある生き方の一部なんだよ)
さて、彼女がどんな愛を見つけ、最後をどんな言葉で締めくくっていくかまでは、ネタバレしないようにしておきます。
旅は、新たな環境や価値観に触れて、人に出会うことで、自分の内側からの力だけでは変えられないものを変えてくれる刺激とパワーを持っていると思います。映画を観終えて、若かりし頃のひとり旅を思い出すと共に、世の中が落ち着いたら、また旅に出たいと思いました。
ジュリア・ロバーツは、いつ見ても魅力的。『プリティウーマン』を観て、モエを片手にいちごを頬張るチャーミングな姿に惚れ、ブラッド・ピットと恋人を演じる『ザ・メキシカン』は、映画一本丸ごとセリフをディクテーションしました。(少々古いかな…)
noteのゴールデンウィーク企画#映画感想文に乗ってみよう!と思い、なんとなく観始めた『食べて、祈って、恋をして』。旅の良さを思い出し、心がホッと暖まりました。
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