共著書が出版されました
グローバル化が進む日本において、日々多くの通訳者がさまざまな場所でコミュニケーションのお手伝いをしています。ところが知られているようで、案外知られていない通訳者の生態。私たち通訳者は完璧な言語マシーンではなければ、読心術を身につけているわけでもなく、技術向上を目指して日々地道に努力し、お客様に喜んでいただけたら嬉しくなり、失敗すると悲しくなる生身の人間です。話し手のメッセージを理解するために集中力を最大にして聴き分析し、そのメッセージを別の言語で表現しようと取り組んでいます。
2020年、新型コロナウイルスの影響で通訳業界も大きなダメージを受けました。国際的な人の往来が止まり、国際会議やイベントはすべてキャンセル。東京オリンピック・パラリンピックは延期です。突然時が止まったかのように、業界の歩みも止まりました。そのような中、「こんな時だからこそ」と現役の通訳者が協力して同時通訳者が「訳せなかった」英語フレーズ(松下佳世編著 イカロス出版)を出版し、私も執筆者として参加しました。仲間と共に、現場で遭遇し訳すのに苦労したフレーズを数多くご紹介しています。
通訳者は黒子として振る舞いますが、通訳をしながらも素晴らしい話を聴くと鳥肌が立ち、仕事のできるスマートな方に出会うとかっこいいなぁと感動しています。前述の書中「通訳者の取扱説明書」というコラムでは、そんな通訳者のことについてもご紹介しています。
コロナの一時的な影響はあれ、世の中はこれからもグローバル化へと進んでいきます。どこかで皆様とお会いし、コミュニケーションのお役に立てることを楽しみにしています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?