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あわいをめぐる旅13:見えるものと見えないもののあいだ - 真善美の生まれた場所 -
人生を豊かにするのは世界の全てを言い表すことのできる真理ではなく、果てなき探究を続けさせてくれる問いである。
約1ヶ月半前にコーチから受けた問いを思い出して、そんなことを思った。
「自分にとっての真善美をつくり出しているものは何か」
例えば数値的な目標や効率、経済合理性を追う人生および社会において、この問いは全くもって意味をなさないものに見えるかもしれない。
もしかすると、む
私が日記を書く理由ー観察自己と目撃者ー
日記に振っている番号が昨日600を迎えた。
日記を書き始めたのは昨年の3月12日。1日に何度か日記を書くこともあるため、日数以上の日記が積み重なっていることになる。
日記を書き始めたきっかけは友人に勧められたことだった。オランダに住む友人は意識の発達に関する研究者である。「自己とより深く向き合うような取り組みをしたい」と話したところ、勧めてくれたのがリフレクションジャーナル(日記)を書くことだ
世界は願いでできている
1月末にクラウドファンディングを開始し私も参加をしているプロジェクトが、ネクストゴールに向けて順調に歩みを進めているという通知が届いた。プロジェクト開始4日目で、500万円の目標を達成。今は1000万円という新たなゴールを目指している。
「重度障害者の意思疎通を実現する、新しい伝達装置を開発したい!」
これは、「レッツ・チャット」というコミュニケーション機器を、必要としている人に届けるための取
006 ものともののあいだ - 隙間植物採集 -
数日前から、隙間植物採集を始めた。
採集と言っても、隙間に生えている植物を写真に収めるだけなのだが。
見返してみると、5年前くらいから私は散歩に出るたび小さな隙間に生える植物の写真を撮っていた。
ちょうど会社員を辞めた頃だ。
道に生えている植物に目がいくほどに、心と時間に余裕ができたのかもしれない。
そして、コンクリートの割れ目から伸びる植物に、組織を離れて生きようとする自分の姿を重ねて
003. 今と未来のあいだ -テスラのタクシーが走る国-
今、日本から来た人がオランダのスキポール空港に到着し、タクシー乗り場に並んだら、きっと驚くだろう。次々と乗り場にやってくるタクシーの半分がテスラなのだ。もし、そのTの字を模したロゴが自動運転機能で話題になっている高級電気自動車のものであることを知らなくとも、そのCEOであるイーロン・マスクが「人類を火星に移住させる」という壮大な構想を持っていることを知らなくとも、それが日本のとある市で公用車として
もっとみる002. 人と人のあいだをつなぐもの−世界を変えた場所を訪れて−
2019年9月3日、私はスイスのジュネーブの郊外のMeyrin(メラン)という街からジュネーブ中心部に向かうトラムの中にいた。
訪れていたのはCERN(セルン)、欧州原子核機構。大型ハドロン衝突加速器(LHC)を使って陽子を超高速に加速し衝突させ、高エネルギーの素粒子反応を起こそうとする実験を行なっている世界最大規模の素粒子物理学の研究所だ。
真偽のほどは分からないが、この実験によってミニビッ
001. 言葉と言葉にならないもののあいだ
過去に書いた日記の編集をしていると、ふと「言葉と言葉にならないもののあいだには何があるのだろう」という疑問がわいてきた。屋号でもあり、取り組みのコンセプトでもある「あわい」は「あいだ」という意味だ。人と人のあいだ、気持ちと形のあいだなど、何かのあいだに関わることや、明確に文節されていないあいまいなものに関わりたいとその名をつけた。サイト常にも「ことばとことばにならないもののあいだに」という言葉を出
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