じゃんけんのない世界線における自己感覚
ピーターさんはじゃんけんが苦手だ。
ぶんぶんと動かす腕の振りが「じゃんけんぽん」というリズムにも、「最初はグー」というリズムにも合わないし、「あいこでしょ」も、どうにもこうにもタイミングが合わない。
そうして、たいていの場合手を出すのが遅れるのだが、だからと言って他の人が出したものに合わせて勝つ手を出すわけでもなく、初めてどこかの公園の階段で二人で「グリコ」をしたときはことごとく負けてしまい、階段の下で困った顔をしていた。(わたしがじゃんけんが特別強いわけではない)
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