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うすらい from awai

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うすらいとは、春先に溶け残った薄い氷のことです。氷の向こうにおぼろげに見えるすぎゆく季節とちかづく季節のように、身体の中で言葉になりきれていない感覚と思考、そしてまだ感覚にも思考… もっと読む
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記事一覧

自我殺しの夢とパートナーシップの更新

明け方、随分と強い雨が降った。 コスタリカのジャングルの中で暮らしたことを思い出す。 強い…

矛盾だらけの世界を生きる

「日本人は以前はたくさん来ていたけれど、今はあまりいないね。今はロシアの人がたくさん来て…

旅立ち

鳥の声が聞こえ始め、部屋の中がうっすらと明るくなり始めていることに気づいた。 そんな風に…

979 モロッコの港町の景色から

大きな窓を開けると、ひんやりとした風が吹き込んできた。 昨日までバルコニーから見えていた…

霧の街に目覚めて

日の出の時刻を過ぎたけれども、まだ空は白く、太陽の姿は見えない。 「foggy」「mystical」と…

解放と調和

ルーフトップでのヨガを終えて、日記を書こうと一段下のバルコニーに降りたら、海とは逆側、低…

記憶を通さない体験、匂いのない海

テラスにパソコンを持ってやってくると、テラスに置いてあるテーブルと椅子が湿っていた。海沿いではこれだけ湿気があることが普通なのだろうか。そう考えながら磯の匂いがしないことに気づく。この町では、視覚を通じた海や触覚を通じた海は感じるが嗅覚では海を感じないのだ。 そう言えば、7月8月と2ヶ月間を過ごしたギリシャのレロス島の海も、磯の匂いがしなかった。だから余計に「透明で美しい、写真のような海」という印象を持ったのかもしれない。 わたしの中の海というのは磯の匂いがする海であり、

再び、海辺の街で

いよいよベッドを出ようと決めるまで、随分と長い間うだうだしていた。 昨日まで滞在していた…

美しい時間、幸せな日々

Time flies. この言葉の通り、イスタンブールでの時間があっという間に過ぎようとしている。 …

素晴らしい景色を眺める、新しい景色を眺める

随分と長いこと夢を見ていた。 ここのこところ毎日そんな感じだ。 恐らく1時間ほどは夢を見…

アラビアンナイトの世界と祈りの場所

随分と長い夢を見ていた。 夢の中で私は弁当を探しており、焼くのに45分ほどかかると言われた…

目覚めと世界が生まれる音

うっすらと聞こえてくる鳥の声の中で「今生まれている」と感じた。 寝ている間は、「からだ」…

美しい日

人生は美しい。 この10年間で何度かそう感じる瞬間があった。 それがいつだったかは覚えてい…

あわいの旅

今日も鳥の声で目が覚めた。 4月末にイズミル内で滞在先を移動して以降、ほんのりと明るくなる空の感覚と鳥の声で目が覚めることが続いている。目覚ましのアラームを使わなくていいというのは本当にありがたい。 しばらく布団の暖かさを感じていたら、隣に寝ている彼がうっすらと目覚めたようで身体を寄せる。男性でかつ、欧米人の割に(というのは思い込みだろうか)体温が低い彼は、いつくっついてもちょうどいい温度だ。またひとときまどろみを続け、いよいよベッドから起き出そうとするときに「おはよう」と