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うすらい from awai

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うすらいとは、春先に溶け残った薄い氷のことです。氷の向こうにおぼろげに見えるすぎゆく季節とちかづく季節のように、身体の中で言葉になりきれていない感覚と思考、そしてまだ感覚にも思考… もっと読む
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記事一覧

ゴミと情報 -世界に静けさと余白を取り戻すために-

「テレビを消してもいいですか?」 調理場から出てきた老齢の配膳係にそう聞くと、キョトンと…

美しい瞬間は孤独で、愛にあふれてる

今日は散歩をしよう。 そう言って布団をたたみ、身支度をした。 我が家から100mほどのところ…

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自我殺しの夢とパートナーシップの更新

明け方、随分と強い雨が降った。 コスタリカのジャングルの中で暮らしたことを思い出す。 強い…

矛盾だらけの世界を生きる

「日本人は以前はたくさん来ていたけれど、今はあまりいないね。今はロシアの人がたくさん来て…

旅立ち

鳥の声が聞こえ始め、部屋の中がうっすらと明るくなり始めていることに気づいた。 そんな風に…

979 モロッコの港町の景色から

大きな窓を開けると、ひんやりとした風が吹き込んできた。 昨日までバルコニーから見えていた…

霧の街に目覚めて

日の出の時刻を過ぎたけれども、まだ空は白く、太陽の姿は見えない。 「foggy」「mystical」という言葉が出てくる。 オランダにいたときの感覚を思い出す。 以前暮らしていたハーグは本当に雨が多かった。 秋も冬も春も雨が降る。しかも暗い。 最初の年は雨が多いことがそんなに気にならなかったけれど(きっとビザの申請手続きなどいろいろやることがあってそれどころではなかったのだろう)、次の年から「よく雨が降るなあ」と思うようになった。 それでも決まった時間に外出や出勤をしな

解放と調和

ルーフトップでのヨガを終えて、日記を書こうと一段下のバルコニーに降りたら、海とは逆側、低…

記憶を通さない体験、匂いのない海

テラスにパソコンを持ってやってくると、テラスに置いてあるテーブルと椅子が湿っていた。海沿…

再び、海辺の街で

いよいよベッドを出ようと決めるまで、随分と長い間うだうだしていた。 昨日まで滞在していた…

美しい時間、幸せな日々

Time flies. この言葉の通り、イスタンブールでの時間があっという間に過ぎようとしている。 …

素晴らしい景色を眺める、新しい景色を眺める

随分と長いこと夢を見ていた。 ここのこところ毎日そんな感じだ。 恐らく1時間ほどは夢を見…

アラビアンナイトの世界と祈りの場所

随分と長い夢を見ていた。 夢の中で私は弁当を探しており、焼くのに45分ほどかかると言われた…

目覚めと世界が生まれる音

うっすらと聞こえてくる鳥の声の中で「今生まれている」と感じた。 寝ている間は、「からだ」や「意識」と呼ばれるものが世界に溶け込み、目覚めととももにまたそれらが蘇生される。そんなイメージが湧いていた。 それはきっと昨晩、「中動態」についての話を聞いたからだろう。 「創造(Creation)」の研究をしている井庭崇さんの話は、とても興味深いものだった。Egoless(無我)から創造が始まる(始めるのではなく、始まる)ということ、そして、私たちはかつて、能動態と受動態ではなく