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【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#17夜
iPhone を呪う。
何年前の今日。
勝手に写真が表示される。
今まで全く気にならなかった。
ああ、その時は〇〇はいた。確かにいたのに。
過去の写真を見るのすら、怖い。
〇〇の写真が何枚も何枚もでてくるのに、
なんで〇〇はいないのだろう。
また、胸が痛くなる。
涙が溢れてくる。
もう考えたくない。
もうこんなしんどい毎日いやだ。
【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#15夜
昨夜はまた眠ることがうまくできなかった。
京都に来て、少しだけ眠れるようになっていたのに。
京都にきて、私はバカな錯覚に陥っていた。
なんどもなんどもお姉さんにきいた。
「ほんとうに〇〇っていないの?」
今朝はまた爆発してしまった。
「なんで〇〇がいないの」
「この間まで元気だったのに」
「一回もしんどいってきいてないのに」
「こんなことありえない」
な ん で 〇〇 に あ
【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#14夜
一人で嵐山まで歩いてみる。
今日は平日だから、先日の日曜よりはずっと人が少ない。
平日は海外からの観光客と学生さんが多い。
〇〇も修学旅行で京都にきた。
旅行班の計画を立てる日に休んでしまって、寺院巡りばかりの行程に〇〇はしょぼくれていた。
「他の班は抹茶パフェや美味しいもの巡りしているのに!そんちゃんに会えたのだけが嬉しかった」とぷりぷり怒っていたことを思い出す。
二人できたのも、一
【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#13夜
今日で一ヶ月。
こんなに毎日一日一日をつぶすことに苦労し、専念した日々はなかった。
こんなに泣いて、寝られなくて、生きている自分を呪った日々はなかった。
生きていたくないといいつつ、みんながもってきてくれるパンや食事を口に入れればお腹が空いていることに気づき、食べている。
結局私は生きようとしているじゃない、私は。
だけど、こんなに泣いて、寝てなくて、あんまり食べてなくても、私は生きてい
【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#12夜
梅雨時なのに、快晴の京都。
よっちゃんが「京都あついでしょ」ってラインくれるけれど、異様なくらい涼しい。
京都とは思えないくらいカラッとしている。
今日は風もあるから、日陰に入ると涼しいくらい。
東山の清水小学校をリノベーションした『The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu』のRooftop Barに行ってみる。
快晴。18時でもまだ日が高く眩しい。19時前にようや
【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#9夜
寝れない朝があける。この家にいるのがつらい。
ちょっと郊外の整然と立ち並ぶ住宅地。少し歩けば、ずいぶん住宅に変わってしまったが、今だに畑や空き地があったり、頭だけだが、天気の良い日には富士山が見えるスポットがあったりと大好きな街だった。
仕事場の表参道からここに帰ってくるとホッとした。
家が一番ほっこりできる最高の場所だった。
「やっぱり家が一番」
と〇〇ともいいあった。
でも、〇〇は
【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#8夜
一日ってこんなに長かったんだ。
今まで私は何をしていたんだろう。
ずっと仕事に追われていた。
朝起きて、パソコンでメールをチェックして、7時過ぎから仕事をしていた。
仕事をしていなくても、仕事に関連する記事や本を読んだ。
なんでも先々にやってしまわないと気が済まない性分だから、年末年始ですら、絶対に仕事をしないと決めた〇〇の誕生日である大晦日と元日だけを除いては、何かしらちょこちょこ朝起
【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#7夜
あれ以来、寝られない。
長い一日。なんとか寝ようとするが、布団に入ると、〇〇のことを考えてしまう。
今まですっかり忘れていた思い出がとめどなく思い出される。
考えたくないから、NETFLIXのUSドラマを流し続ける。
一瞬、うとっとして、携帯の時間を見る。
「22:33」
まだ日も変わっていない。
寝汗を恐ろしくかくようになった。
一晩のうちに4回も着替え、昨夜は全身びしょびしょに
【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#5夜
いつも一緒にいると、好きなこと、嫌いなことが似てくるのだろうか。
私は鳩が嫌いだ。
嫌いになったのは、大学時代の友人が「はとの動きって、めっちゃきもい」と言った時から。
それ以来、今まで意識していなかった鳩を殊更凝視するようになった。
たしかにきもい。首だけを振り子のようにゆらし、よく見ると胸も羽もボロボロどす黒く、平和の象徴とは程遠い。しかも、「くー」「くー」と喉をならし、不気味に近寄って
【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#4夜
ときを感じたことはなかった。ときがこんなに残酷であることもしらなかった。今、この瞬間も残酷に刻まれ、すすんでいく。〇〇を置いて。
今、ときの残酷さ知る。
今、私は生きる意味を問う。
人生ってなんなのか。
生きるってなんなのか。
考えたことがなかった。
追われる毎日の中で。
私たちはなんのためにいきているのだろう。
あなたはなんのためにいきているの。
【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#3夜
もしも人生という言葉が適切ならば、私の人生を賭けた人は突然去った。
なぜ、私は〇〇と出会ったのか。
〇〇は何のために生まれてきたのだろうか。
こんな残酷なことが、本当に起こってしまったのだろうか。
誰かが作った話の中を彷徨っているのではないだろうか。
そうに、決まっている、こんなに残酷なことが起こるわけがない。
じゃあ、なぜ、私の目尻は赤く爛れているのだろう。
じゃあ、なぜ、私は今書いている
【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#2夜
〇〇は私の前から忽然といなくなった。
何の予告もなしに。
あまりに突然のことで私は何が起こったのか、何が起こっているのがわからない。
こんなことはありえない。
誰もが驚愕し、息を呑む。
なぜ?
わたしだって、わからない。
なんでいないの。
いない意味がわからない。
〇〇部屋には〇〇のものが全部あるのに。
〇〇だけがいない。
ねぼすけの〇〇はいつもだらだらとベットに転がっていた