【エッセイ】満月、綺麗だね。会えるみたいだよ。#9夜
寝れない朝があける。この家にいるのがつらい。
ちょっと郊外の整然と立ち並ぶ住宅地。少し歩けば、ずいぶん住宅に変わってしまったが、今だに畑や空き地があったり、頭だけだが、天気の良い日には富士山が見えるスポットがあったりと大好きな街だった。
仕事場の表参道からここに帰ってくるとホッとした。
家が一番ほっこりできる最高の場所だった。
「やっぱり家が一番」
と〇〇ともいいあった。
でも、〇〇は都内のマンションに住みたいっていっていたか。
私は本当に家が好きだった。
のに。
今はその家にいるのが辛い。
この家には〇〇が住んでいる。
あちこちに〇〇の気配。思い出がすみついている。
この家が辛くなる日がくるなんて、考えたことがなかった。
なんで。なんでなの。
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