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【短編小説】言葉裏の真意を僕はまだ知らなかった
まだ寒さが残る2月の終わりのころ。
受験も落ち着き、いつものようにクラスメイト8人で集まって、特段意味もなく放課後の時間を教室で過ごしていた。
「おい、今だ!行くぞ!」
私たちは先生の目を盗み、ささっと校門まで走っていきピザの出前を受け取った。
「危なかったなぁ~、高橋先生と目合いそうになったわ。」
そんな微かなスリルを味わいながら、片一方で推薦組は冷や汗を垂らしながら高校最後の生活を精
目利き力は真物を見続けることで磨かれる
「良いリーダーシップは、良いリーダーからしか学べない。」入社して1年が経とうとし、異動がちらつき始めたころ、飲み屋の席で上司に言われたこの一言はアルコールが入っていたにも関わらずはっきり覚えている。
私が当時入社した会社では特にリーダーシップを発揮することを強く求められた。
「リーダーシップはポジションパワーではない。」
至る所で聞いたこの言葉は、全社員にマインドとして根付いていたと思うくら
【短編小説】あの星をつかまえて
八月の夜。田んぼに囲まれた祖母の家の庭には十数種類の花類と四メートルほどの細い木が一本立っており、時折ミンミンゼミや鈴虫の音が庭いっぱいに響き渡っている。
ボクたち家族と親戚は祖母の家に集まっていた。
ついさっき玄関で塩を振りかけ、喪服を着替えたばかりだというのに、大人たちはゲラゲラ笑いながらテレビを観ているが、どこか無理して平静を取り繕っているようだ。
大人たちの感情もテレビの内容もボクに
赤信号を渡れるようにする仕事
「業務改善を手掛ける仕事」「販管費を抑える仕事」「ムダをなくす仕事」社会人になってから幾度となく自己紹介でそう答えてきた。
当時、事務業務に携わっていた時、会社に蔓延るムダをデジタル化したりルールの見直しを行ったりすることで業務を効率化させる仕事をしてきた。
冒頭の表現は間違ってはいない。
にも関わらずどんな仕事をしているかイメージが沸く人と、そうでない人がいる。アウトプットが明確にない仕事は
向いてないことに10年の歳月を費やして導き出した「好きなこと/得意なこと」論の解。
ある日突然それまで好きだったことが好きじゃなくなってしまうことを想像できますか?
よく、好きなことを仕事にしよう!というワードを見かけますが、わたしは好きなことを仕事にするのがとても怖いと思うのです。
総じて「好きなこと派」が多いと感じるこの頃ですが、わたしは高校時代からずっと「得意なこと派」です。
というのも、小学校から高校まで10年間野球やってきて「好きなこと派」「得意なこと派」