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エッセイ・コラム・ショートショート等々

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ヘッダー画像は尊敬するナンシー関さんの著書です。
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2024年3月の記事一覧

【コラム】スカウターにIQ

【コラム】スカウターにIQ

この世の中に絶対はない。
絶対と呼ばれるいくつかのものでも99.9…%が限界である。
が、ひとつだけ100%絶対と呼べるものがある。
「死」である。
生きとし生けるものは必ず死ぬ。絶対に死からは逃れられない。
もし、ここで肉体の死はあっても魂は生きつづけ滅びない。だから絶対は存在しないという論理を持ち出してこられないとも限らないが、証明できないこの説はここでの「絶対」に該当しないので今回はないもの

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【エッセイ】ハードルの高さ

【エッセイ】ハードルの高さ

夏休みの宿題で一日何ページドリルを進めるか。
最低10ページの人もいれば5ページの人、1ページの人もいる。
このページ数が人それぞれのハードルの基準と仮定する。
努力のハードルの基準は人それぞれ違う。
私は小さな努力をこつこつと積み重ねてきたつもりであったが、もしかしたらそれは小さくなかったのかもしれない。
大きかったと言いたいわけではない。
まったく反対でむしろ無意味に近い。
というのも「身の程

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【エッセイ】デパートの屋上遊園地−香林坊大和−

【エッセイ】デパートの屋上遊園地−香林坊大和−

再会

東京の友人と再会した(以下Aくんとする)。
Aくんは小学校の6年間と中学校の1年間を共に過ごした同級生だった。
僕には悲しいジンクスがあった。
仲良しとは長く一緒にいられなかったことだ。
仲良しの友人は親の転勤で遠くの地へ行ってしまうのだ。
Aくんもその一人だった。
PHSも持ってなかった時代、都会へ引っ越していったAくんとは年に一度の年賀状で繋がっていた。
携帯電話を持つ年齢になるとメー

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【エッセイ】イオンより愛を込めて

【エッセイ】イオンより愛を込めて

私には我が子も同然の愛おしい甥っこがいる。
時が経つのは早いもので一番上の甥っこはもう高校生である。
そう、まだ目も開いていなかった小さな命を恐る恐る抱っこしたあの日からもう16年以上が経ったのである。
同じ16年の年月なのに甥っこは一段一段大人の階段を上る【成長】であり一方私は徐々に傾斜が大きくなる下降線の【老化】なのである。
けれどもそれはとても喜ばしいことなのである。
ドラえもんが未来に帰っ

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【エッセイ】僕と「きっちゃてん(喫茶店)」

【エッセイ】僕と「きっちゃてん(喫茶店)」

僕の記憶力はとても頼りない。
してないことをしたとは流石に言わないにしてもいつどこで誰としたのかの詳細の信頼度は記憶が古ければ古いほど低くなる。
特に人の名前を覚えることが苦手で中学生の頃観ていた「さんまのSUPERからくりTV」の人気コーナー「玉緒が行く」の中村玉緒ばりに「うぉほほ、ところであなたどちら様でしたっけ」てなレベルである。
かといって妖怪の名前はドラえもんの暗記パンを食べたかのように

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