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【短編小説】ひとり言
うだるような暑さの中、私は部屋のベッドの上に腰かけている。なぜ、日本の夏は暑いだけでなく湿度まで高いのか…。そんなこと、考えていてもどうにもならないのはわかっているが、考えずにはいられない。
この部屋は私のものではなく、中学生の女の子、あやちゃんの部屋である。姉妹ではないので、置いてもらっているというのが正しい。代わりにという訳ではないが、私はあやちゃんの話し相手をよくしている。彼女が言うには
【短編小説】嘘のつけないまことちゃん
「あ、まこと。この後の天気わかる?」
「前にも言ったけどあたし天気予報士じゃないんだけど。」
そんな話を昼休みの女子高生たちが教室の窓際、後ろから2番目の席で机を挟んで向かい合いながら話している。6月中旬の空気はもう夏が来たと言わんばかりに暑い。この時期特有の湿度の高さも相まってなおさらだ。
まことはお昼ご飯のお弁当を食べているときに前の席から話しかけられたようだ。そして、この話をするのは初め