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千本鳥居

 こんにちは。普段は短編小説を投稿しております。凪結依です。
 先日、友人に連れられて京都に行きまして、初めて伏見稲荷大社を訪れました。伏見稲荷大社で有名なものというと、狐と千本鳥居のイメージなのですが皆さんはいかがでしょうか。
 今回はその千本鳥居を通っている最中にふと湧いた疑問と、それに対する空想を自分への覚え書きも兼ねて文章にしておきたかったので、このnoteを書いています。

 疑問については至極単純で、「昔の人はどうしてこんなにたくさん鳥居を建てたんだろう?」というものです。
 今の時代ネットで調べればこのぐらいのことは出てきそうですが、その疑問を抱いたタイミングではスマホを取り出して調べる余裕はなく(ほぼ山登り状態だったので)、それも相まって想像が捗りました。一旦調べるのを放棄して想像を膨らませるのも楽しいです。


鳥居とは?

 では本題です。せっかくこうしてまとめているので、空想の話が薄れてしまうかもしれませんが、まずは史実を調べてみます。
 そもそも鳥居とは。

鳥居は神社の内と外を分ける境に立てられ、鳥居の内は神様がお鎮まりになる御神域として尊ばれます。

(中略)

鳥居の起源については、天照大御神が天の岩屋にお隠れになった際に、八百万の神々が鶏を鳴せましたが、このとき鶏が止まった木を鳥居の起源であるとする説や、外国からの渡来説などがあります。

神社本庁 

とのことでした。個人的に新しい発見だったので鳥居の起源についても引用しましたが、鳥居の役割としては大方想像通りでした。要するに御神域との境界に建てられる門ですね。


千本鳥居の由来

 では次に伏見稲荷大社の千本鳥居の由来について、公式サイトを見てみます。

元来、稲荷の鳥居は社殿と同じく「稲荷塗」といわれ、朱をもって彩色するのが慣習となっています。

この「あけ」という言葉は、赤・明・茜など、すべてに明るい希望の気持ちをその語感にもち、その色はまた生命・大地・生産の力をもって稲荷大神様の“みたま”の働きとする強烈な信仰が宿っています。

崇敬者が祈りと感謝の念を命婦社参道に鳥居の奉納をもって表そうとする信仰は、すでに江戸時代に興り今日の名所「千本鳥居」を形作っています。

伏見稲荷大社 公式サイト

全国の稲荷神社の総本宮である伏見稲荷大社に、稲荷塗の鳥居を奉納し、感謝の意と成すというのは面白いですね。その祈りと感謝の念が長い年月をかけて積もりに積もった姿が今の千本鳥居というのが史実のようです。
 今私は史実を知ったので、またいつか訪れることができたら、その時はまた違った感覚で歩くことができそうです。


空想の話

 さて、史実も知ったところでここからは空想の話です。興味のある方がいればどうぞ。
 鳥居の役割としては結果的に史実通りではありましたが、境界であり一種の門だという認識でした。それがいくつもいくつも連なっているという景色は、どこかへ迷い込んでしまったような感覚でした。というのも、門をくぐった先にまた門があるのです。どこからが中で、どこからが外なのかわからなくなりませんか?
 ところで少し話は逸れますが、鳥居を通る際の位置の話を聞いたことはあるでしょうか。私もどこで最初に聞いたか覚えていないのですが、「鳥居の真ん中は神様の通る道だから、通る時は端を通らないといけない」という話です。この話を前提とすると、神様も鳥居を通ることがあると考えられていた、ということになります。その上で改めて千本鳥居について考えてみると、祭られている神様を迷わせるようなつくりに思えませんか?
 ここからさらに飛躍した話にはなりますが、神社の中には祟りを鎮めるためにその原因であると考えられた人物等を祭っているところがあります。もちろん全てがそうという話ではありませんが、もしこの神社もそういう目的で建てられていたとしたら。外に出ないように迷わせ、閉じ込め、抑え込む。そのような役割を担っているような気がしてしまいます。他の神社では見られないほどの鳥居の数を考えると、それだけ強い「何か」が祭られているのではないか、というのが私の空想です。


あとがき

 これから先、何かの物語の設定としてでも使えるかなと思いながらも、あえて想像段階の粗削りな状態を文章として残すのも面白いかと思い、今回はこのようなものを書かせていただきました。冒頭にも記述の通り、自分への覚え書きでもあります。この文章がどういったジャンルになるのか正直わかっておらず、もしこうしたものの名前があるならば教えていただければ幸いです。
 個人的には普段メモ帳に殴り書き程度に書くような内容をここまで丁寧に書くのは新鮮でしたし、調べる過程で新しい知見も得られて楽しかったです。
 今後も、もしかしたらこのような小説以外のものも残していくかもしれません。その時はまた興味を持っていただけましたら、よろしくお願いいたします。最後までお読みいただきありがとうございました。

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