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重なる記事たち

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自分の経験と重なって、感じるところが多かった記事たちを集めたもの。
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2024年5月の記事一覧

点滴石を穿つ ありきたりだけど続ければいいよって話

点滴石を穿つ ありきたりだけど続ければいいよって話

人生のパートナーを探している。

誰かを選びに行くと、相応に選ばれない事態が発生する。

一回は食事できても「また行きましょうね!」の社交辞令を交わした以降、音沙汰がなくなるなんてよくあることだ。真剣に相手を選ぼうとすればするほど、フラれる回数も増えていく。だから、いちいち凹んではいられない。むしろ振られる回数が多くなってきたら、相応にきちんと挑戦している証拠とも言える。何もせずに「いい人いねえか

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めらんこりあ

 特に書くようなことはない。ただ、他の人の日記を見て「いいなぁ」と思うと何かを書きたくなるフシがある。

 そう言えば、フロイトを読んでいる。「喪とメランコリー」という鬱病についての解釈が書かれてるのを今日はたまたま読んだ。いろいろな意見が書かれているけど、鬱病は自我と自我が対立している状態らしい。自分が自分をきびしく責め立てているあり方。そして、その責め立てる言葉は本当は自分ではなく、自分が失っ

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仏教と否認の心理学

 「否認」で検索すると「事実として認めないこと。承認しないこと。」と出てきた。仏教の救いとは「事実を事実として認めること」だと思う。

 瞑想を始めようと思っている友人に「自分には老いに対する恐怖があるが、その恐怖がなくなるのが怖い」と言われた。よく分からなかった。老いとは事実なのだから、「受け入れる」か「否認」するしかない。

 仏教の四聖諦の一つ目は「苦」だが、この「苦」という真理は「苦しみな

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努力ではどうにもならないことにも希望を持ちたい

努力ではどうにもならないことにも希望を持ちたい

世の中努力だけで全ての希望が叶うわけじゃないなと思う。
やっぱり、どうすることもできないことってあるよね。
もちろん大半のことは努力無しに成し遂げられないけれど、というか行動無しには成し遂げられないけれど、どうにもならないことは多い。

前回の記事でも書いたし、たびたび言ってはいるが、LGBTQであり、精神障害を持っている複合的マイノリティがあたしだが、だいたい30数年生きてくると、そこで何度も躓

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【アセクシャルのこと】いわゆる推し活との別れ

【アセクシャルのこと】いわゆる推し活との別れ

「推し」とか「推し活」という言葉が生まれるずっと前、中学生の私はあるアーティストAさんのファンになった。

きっかけはラジオだった。
授業の一環でNHKのラジオ英会話を聴き始め、ほかの局にチューニングを合わせるようになって、Aさんの番組に出会った。
屈託のない笑い声とかっこいい歌声のギャップ、そして何よりリスナーを楽しませようとするサービス精神。
Aさんの存在は、精神的に不安定で暗く沈み込んだ思春

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SO(重要な他者)としての友人関係

SO(重要な他者)としての友人関係

 significant other(シグニフィカント・アザー)とは、広く「大切な人」を意味する英語だ。ややかしこまった表現なので、これを省略して、インターネットなどではSOと表記することもある。特別ひねった省略の仕方ではなくて、辞典にも載っているし、Wikipediaの記事にも書かれている。
 この省略形を代名詞的に熱心に使って広めていきたいというよりは、SO と友人という親密な他者の捉え方が自

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初めましてとアロマンティック・アセクシャル

初めましてとアロマンティック・アセクシャル

彼氏いないの?

何で作らないの?

欲しいって思わないの?

寂しくないの?

他人に聞かれて困る問いは、誰しもあると思う。
私にとっては、こういう問いがとても困る。

なぜ彼氏がいないのか。

欲しくないからだ。

なぜ欲しくないのか?

そんなの、欲しくないから欲しくないのだ。
興味がないのだ。

例えばあなたにこんな質問をしたとする。
競馬に興味がある?バレーボールやってみたいって思ったこ

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「多様性」はどうしてこんなに憎いのか。言葉が創り出す枠組みと新たな排除の構図について考える

「多様性」はどうしてこんなに憎いのか。言葉が創り出す枠組みと新たな排除の構図について考える

「郷に入っては郷に従え」という言葉があります。

もし、「郷」に元々いた人々が違う世界から来た人々にこの言葉を告げたとしたら、それはきっと外部文化の否定と見なされ、非常に強い暴力性のある言葉に聞こえますよね。

では、違う世界から来た人々が同じく違う世界から来た人々にそう告げたらどうでしょうか。

「ここは日本だ。自国の文化が押し通せないことに文句を言うな。『When in Rome, do as

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