底道つかさ

ペンネームがぽちぽち変わります。 良い名前募集中です。 ぜひどうぞ。

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記事一覧

日本が日本では無くなった日

何週間か前、家から500m程離れた場所でヤクザが元妻を銃殺する事件があった。「怖いねえ」「この辺にそんな人いたんだ」「そういえば昨日警官が沢山」近所の反応はそんな程…

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空にて反抗を掲げた十二の詩篇

天国に風はない 天国に風はない だから僕らはトリガを握った 地獄よ来たれ 私の命を摘みに来い 鉛の心に鉄の翼 業風掴みて舞ってみせよう 壱/楽園は地上 私の国は…

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薔薇を植え替えたら股が割れた

落ち着いてください、エッセイです。 貴方が土日を過ごしている間に、薔薇の木が植え替えられ著者の右股関節がやべえことになりました。 こんにちは。底道です。 突然です…

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怒りを「名前の器」に入れて心の隅にしまえ

要旨:ウクライナ情勢に関する情報を含む、感情の制御についての私信。私はウクライナ侵攻以降、個人的な理由で怒り狂い、感情を制御できずにいた。だが、ある時目にした一…

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砲爆弾雨の山岳を二輌の戦車が駆ける。それは模造筋肉に蓄電液を循環させる全電動化戦車だ。片側9輪、計18輪を模造筋肉108本で制御、険難悪路を踏破し電磁砲で狙撃する秘蔵兵器。二輌はミサイルすら躱す運動力で駆動しているが
「2号車被弾!」
一輌が直撃を受けて宙に跳んだ。

俺はスナイパー。目標は既に照準内だ。後は撃つだけなのだが
(乾くっ……!目が……!)
それと目標がTVカメラに入らない。生放送でやるのが依頼だった。
何が温暖化で私達の未来を奪うなだ。わいの目玉が砂漠化中じゃ。
来た。撃った。終わった。
であれば即座に次の行動。
「目薬ィー!」

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烟りの中、黄色い膨満な形の作業着達が動いている。
その時、一人の服が引掛かり黄色のカバーが捲れ雨が作業着に触れた。
「ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝!!!」
絶叫。作業着がでろりと溶けて中の人間を焼いている。
降っていたのは硫酸雨であった。
この雨は全てを焼き流して元の姿へ還してしまう。

決着は既に付いた。相争った二人は決闘の末、男が膝を屈し女が立っている。
勝ったのは男。死ぬは女であった。
女の姿が紙に描いた絵を水に浸す様に崩れ消えていく。
「俺が、憎かったのか」
「ええそうよ……愛しているわ」
そうして、いなくなった。
男の顔から血が一滴、頬を伝って零落した。

銀の空のリリフィ

 空が銀色に染まったあの日から空戦は変わり果てた。  今、無数の戦闘機が飛び交い戦闘機動をとっている。  一際目立つのは敵に食いついている赤い1機。  その背後を敵…

獣と化して森林を駆る。私は異形の大型機動兵器と合一し戦う。
獅子の腕脚、鰐の尾、恐竜の咢。その相は神獣の如く。
突如、敵三機が立ち現れ包囲する。撃鉄より早く爪で1機を横薙ぎに裂く。振るう腕を止めず2機目を打撃し潰壊。更に遠心力にしなりを乗せた超速の尾で3機目の頭部を粉砕した。

まったく下世話な話だぜ

裏稼業などをしていると、気が抜ける時なんて無いに等しい。仕事の際売りつけた恨みをいつノシ付きで返されるか分かった物ではないからだ。例えば今いるトイレの個室は今日…

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学生は仮姿、俺の本業は運び屋だ。命より荷物が大事のつまらん仕事だ。今は依頼主の部屋の前にいる。
扉を開けた。
見たのは、頭を撃たれる教授。命の最後で動く視線。
その先、二人目が少女を引きずっていた。
依頼は不明だが荷物は理解した。
銃を抜き放つ。弾丸二発が同時に賊を穿った。

操縦席から飛び出した直後、機体が大破した。落下と爆風の衝撃を受けながらも何とか立ち上がる。
木々を雑草の如くかき分けて鋼の巨獣達が迫る。
睨む視線の先、獣が腕を振り下ろす。
そして見た。
細い斬線が巨大な腕を切り裂く。
「もう大丈夫よ」
それは白い刃、金の髪と碧い瞳の少女だった。

なんでこいつは戦っとるんや?,雑記_001,2022/1/17

今日は小説の練習がかけなかったので、日記のような雑記をここに書きます。 普段の練習では殆ど考えていないのですが、プロットを書くような小説では、主人公について一番…

1

突然、視界が点った。それは覚醒というには意識の連続性が不明瞭で、まるでモニタの電源を付けた様な感覚だった。
不安が勝手に視界を動かす。そして見つけた。頭が斬り失せたアンドロイドだ。
困惑が錯乱に変わろうとした瞬間。
「何故こんな所に逃げた、シックス」
大太刀を侍く少女が現れた。

鋼鉄の巨人が敵を殴り飛ばす。数百㌧の鉄塊達が猛々しく躍動している。だが、不利は巨人達にあった。連携を絶たれて物量で押され続ければ敗北は必死だ。
刹那。
閃光が打ち下ろされる。
空に現れたのは突き破った雲間の光で輝く、羽根持つ巨人。
巨人が羽撃く。加速の爆音は勝利の福音だ。

日本が日本では無くなった日

何週間か前、家から500m程離れた場所でヤクザが元妻を銃殺する事件があった。「怖いねえ」「この辺にそんな人いたんだ」「そういえば昨日警官が沢山」近所の反応はそんな程度だった。

今日起きた事件はそんな程度で済まされない話だ。

——元総理大臣が演説中に銃で暗殺された

住宅街のど真ん中で、要人暗殺の銃によるテロが起きたのだ。

結論を先に結んでしまうと、この事件について我々が何かを知ることはもうな

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空にて反抗を掲げた十二の詩篇

天国に風はない

天国に風はない

だから僕らはトリガを握った

地獄よ来たれ

私の命を摘みに来い

鉛の心に鉄の翼

業風掴みて舞ってみせよう

壱/楽園は地上

私の国は奪われて

頭を地に投ぐ人々が

生きて死んでるこの場所が

天国だぞと奴らが言うのだ

弐/二十四の鬼火

僕らは囲いを抜け出した

当てはなくとも避行した

やがて流浪にて研磨され

天威が届かぬその場所で

鬼火と化し

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薔薇を植え替えたら股が割れた

薔薇を植え替えたら股が割れた

落ち着いてください、エッセイです。
貴方が土日を過ごしている間に、薔薇の木が植え替えられ著者の右股関節がやべえことになりました。

こんにちは。底道です。
突然ですが私は園芸を数年ほどやっております。母が趣味にしておりまして、まあ実家暮らしの家賃替わりでもあるのです。
自身ではお花が咲いて綺麗とか思わんのですが、生態観察は創作の糧になります。植物を見た人々の反応を見るのも多少気分がいいものですし、

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怒りを「名前の器」に入れて心の隅にしまえ

要旨:ウクライナ情勢に関する情報を含む、感情の制御についての私信。私はウクライナ侵攻以降、個人的な理由で怒り狂い、感情を制御できずにいた。だが、ある時目にした一つの単語によって精神に変化が起こった。

私は戦記が好きだが戦争が嫌いだ。

 私は生まれた時の体質ゆえに、「人間として見られていない差別」を体感で知っている。これは社会で生きる中で受けるハラスメントや無給労働、あるいは容姿や経歴に対して受

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砲爆弾雨の山岳を二輌の戦車が駆ける。それは模造筋肉に蓄電液を循環させる全電動化戦車だ。片側9輪、計18輪を模造筋肉108本で制御、険難悪路を踏破し電磁砲で狙撃する秘蔵兵器。二輌はミサイルすら躱す運動力で駆動しているが
「2号車被弾!」
一輌が直撃を受けて宙に跳んだ。

俺はスナイパー。目標は既に照準内だ。後は撃つだけなのだが
(乾くっ……!目が……!)
それと目標がTVカメラに入らない。生放送でやるのが依頼だった。
何が温暖化で私達の未来を奪うなだ。わいの目玉が砂漠化中じゃ。
来た。撃った。終わった。
であれば即座に次の行動。
「目薬ィー!」

烟りの中、黄色い膨満な形の作業着達が動いている。
その時、一人の服が引掛かり黄色のカバーが捲れ雨が作業着に触れた。
「ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝!!!」
絶叫。作業着がでろりと溶けて中の人間を焼いている。
降っていたのは硫酸雨であった。
この雨は全てを焼き流して元の姿へ還してしまう。

決着は既に付いた。相争った二人は決闘の末、男が膝を屈し女が立っている。
勝ったのは男。死ぬは女であった。
女の姿が紙に描いた絵を水に浸す様に崩れ消えていく。
「俺が、憎かったのか」
「ええそうよ……愛しているわ」
そうして、いなくなった。
男の顔から血が一滴、頬を伝って零落した。

銀の空のリリフィ

 空が銀色に染まったあの日から空戦は変わり果てた。
 今、無数の戦闘機が飛び交い戦闘機動をとっている。
 一際目立つのは敵に食いついている赤い1機。
 その背後を敵2機がとった。囮が釣り上げ僚機に撃たせる基本戦術だ。
《アーボン、ロックオン》
 そして
《アーボン、Fox2!》
 攻撃はミサイルではなく高速砲だ。しかし誘導能力が無くとも照準固定されて発射される秒速数キロの弾丸を躱すことは非現実的で

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獣と化して森林を駆る。私は異形の大型機動兵器と合一し戦う。
獅子の腕脚、鰐の尾、恐竜の咢。その相は神獣の如く。
突如、敵三機が立ち現れ包囲する。撃鉄より早く爪で1機を横薙ぎに裂く。振るう腕を止めず2機目を打撃し潰壊。更に遠心力にしなりを乗せた超速の尾で3機目の頭部を粉砕した。

まったく下世話な話だぜ

裏稼業などをしていると、気が抜ける時なんて無いに等しい。仕事の際売りつけた恨みをいつノシ付きで返されるか分かった物ではないからだ。例えば今いるトイレの個室は今日の襲撃者たちにすれば絶好の状況であろう。

 今まで散々わるい事をして来た。傷害、詐欺、脅迫、密売、誘拐、殺人。

 以外のことはしてきた。

 それ以外なんか悪い事あるのかって?そいつがわからねえベイビィはお家に帰ってママのおっぱいでも吸

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学生は仮姿、俺の本業は運び屋だ。命より荷物が大事のつまらん仕事だ。今は依頼主の部屋の前にいる。
扉を開けた。
見たのは、頭を撃たれる教授。命の最後で動く視線。
その先、二人目が少女を引きずっていた。
依頼は不明だが荷物は理解した。
銃を抜き放つ。弾丸二発が同時に賊を穿った。

操縦席から飛び出した直後、機体が大破した。落下と爆風の衝撃を受けながらも何とか立ち上がる。
木々を雑草の如くかき分けて鋼の巨獣達が迫る。
睨む視線の先、獣が腕を振り下ろす。
そして見た。
細い斬線が巨大な腕を切り裂く。
「もう大丈夫よ」
それは白い刃、金の髪と碧い瞳の少女だった。

なんでこいつは戦っとるんや?,雑記_001,2022/1/17

今日は小説の練習がかけなかったので、日記のような雑記をここに書きます。

普段の練習では殆ど考えていないのですが、プロットを書くような小説では、主人公について一番考える時間を使います。

あたしが小説を書こうと思うとき、その始まりは殆ど急に頭に浮かんだワンシーンから始まります。

その中では彼/彼女が傷だらけで今にも死にそうになりながら、しかし必死の形相で戦っています。

でも、その理由がわからな

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突然、視界が点った。それは覚醒というには意識の連続性が不明瞭で、まるでモニタの電源を付けた様な感覚だった。
不安が勝手に視界を動かす。そして見つけた。頭が斬り失せたアンドロイドだ。
困惑が錯乱に変わろうとした瞬間。
「何故こんな所に逃げた、シックス」
大太刀を侍く少女が現れた。

鋼鉄の巨人が敵を殴り飛ばす。数百㌧の鉄塊達が猛々しく躍動している。だが、不利は巨人達にあった。連携を絶たれて物量で押され続ければ敗北は必死だ。
刹那。
閃光が打ち下ろされる。
空に現れたのは突き破った雲間の光で輝く、羽根持つ巨人。
巨人が羽撃く。加速の爆音は勝利の福音だ。