決着は既に付いた。相争った二人は決闘の末、男が膝を屈し女が立っている。
勝ったのは男。死ぬは女であった。
女の姿が紙に描いた絵を水に浸す様に崩れ消えていく。
「俺が、憎かったのか」
「ええそうよ……愛しているわ」
そうして、いなくなった。
男の顔から血が一滴、頬を伝って零落した。

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