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男から見る育児

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#育児

【育児】音ゲーとしての意思疎通

【育児】音ゲーとしての意思疎通

ある友人で、盛り上がってくると適当にしゃべりだしてしまうやつがいる。
普段はそれなりに真面目なのに、酒が入ったりすると急にそんな感じになってしまう。なんだか面白いのでいまだに付き合いがあるのだが、このあいだ「他者の投げかけに対して明らかに会話の辻褄が合っていない。どんな感じでしゃべっているのか、会話をしていて『これはミスった』といった違和感はないのか」と尋ねたところ「投げかけられた言葉に対してタイ

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【育児】娘、「ねないこだれだ」をせがむ

【育児】娘、「ねないこだれだ」をせがむ

この世界には数多くの絵本が存在している。中には大人になってからでも覚えているほど印象的な作品もあるし、育児の過程で大人になってから読んでみて新たな気づきを得られるものもある。

私にとって、印象的な絵本の一つが「ねないこだれだ」という作品だ。これは夜になっても眠らずに遊んでいる少年がお化けにさらわれ、お化けになってどこかに飛んでいくという話である。
「お化けになりたくない」という恐怖からさっさと眠

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【育児】抱っこの終わり

【育児】抱っこの終わり

育児の過程を振り返ると、「沐浴」や「へその緒の消毒」などかつてやっていたがいまやすっかりやらなくなったことや、逆に「離乳食を作る」とか「保育園にいく」など新たにやりはじめたことがたくさんある。

満を持して、前者の「かつてやっていたがいまやすっかりやらなくなったこと」になりつつあるのが、「抱っこ」である。一言で言えば、「抱っこの終わり」がひしひしと近づいているのだ。
生まれて間もないころの娘は横に

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【育児】子による親の「みきわめ」は始まっているような気がする

【育児】子による親の「みきわめ」は始まっているような気がする

自動車の教習では、修了試験などの前に「みきわめ」という科目がある。
この「みきわめ」は試験を受ける実力がちゃんと備わっているのかを「みきわめ」るために行われる。

総じて自動車学校の課程は具体的なタイトルが書かれているものだ。「速度の調節」とか「障害物への対応」とかなのだが、なぜか最後に「みきわめ」とだけ書かれている。
免許を取ろうとしていた当時の私は「みきわめ」の文字を見て、審美眼を磨くための教

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【育児】ことばのやりとりのはじまり

【育児】ことばのやりとりのはじまり

大人になると人と人とのコミュニケーションは言葉を通じて行うことがしばしばである。
その際にいろいろ便利な言葉があるが、その代表格が「アッス」ということばだ。

これは特に男性の間で多用される言葉の一つである。
人と出会ったときも「アッス(おはようございます)」だし、感謝をするときも「アッス(ありがとうございます)」、別れたときも「アッス(おつかれさまでした)」である。なんなら頼み事をされて「アッス

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【育児】娘のいたずらに思う

【育児】娘のいたずらに思う

子どもは基本的に「いたずら」をする生き物である。
私も家の照明器具から垂れるひもにぶら下がろうとして落下し、照明器具を破壊したことがあったり、冷蔵庫の上のものをとるために冷凍庫を少し開けてよじ登り冷蔵庫の上にあるものをとった結果冷凍庫を破壊するなど、数多くのいたずらに精を出し、そのたびに親に叱られてきた。

娘を最近見ていると、おそらく「いたずら」の何たるかがわかってきたような様子になったようだ。

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【育児】童謡の世界~「どんぐりころころ」における発見について~

【育児】童謡の世界~「どんぐりころころ」における発見について~

育児をしているときには適当に音楽を流して、子供が気を取られている間に必要な作業をすることがよくある。
テレビだけしかなかったころには年がら年中子供番組を映し続ける番組などなかったので、おもちゃや絵本といったものでなんとか気を紛らわせていたのだろう。テレビがない時代はなおさら様々な工夫があったはずだ。翻って今の時代は非常に便利になり、大人も子供も暇つぶしには事欠かない。

もちろん、子供向けの番組と

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【育児】あっという間に1年

【育児】あっという間に1年

おかげさまで、このたび娘が1歳となった。
そばにいたはずなのに知らず知らずのうちに娘は大きくなって、いまでは自由に歩いたり我々のマネをして「てえ」「ばあ」などと言ってみたりと、すっかり人間らしい様子になってきた。

子供は何か気に入らないことがあると泣くものだが、これは単なるコミュニケーションの一種に過ぎないことも親になってみてよくわかった。その証拠に、お気に入りの絵本やぬいぐるみをあてがえば意識

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【育児・経済】「保育園落ちた日本死ね」という言葉もあれば定員割れで保育園に入園できたりしてよくわからん

【育児・経済】「保育園落ちた日本死ね」という言葉もあれば定員割れで保育園に入園できたりしてよくわからん

私が小さいころは時代の流れもあって「父親は働き、母親は専業主婦」というのが一般的だった。
日本が貧しくなったのか、はたまた子育てにコストがかかるようになったのかはわからないけれども、いまや共働きで子供を小さいうちから保育園に預けることのほうが一般的だ。

足元、私も娘を保育園に入れるかどうかというタイミングだったのだが、この度娘が保育園に「定員割れ」で入園することになった。
かつて「保育園落ちた日

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【育児】舌を出す娘

【育児】舌を出す娘

表現という言葉は「表に現れる」と書く。
表情や言葉などを通じて、「表」側に感情や考えが「現」れることが、表現の根本である。

ということは、前もって表に出ていない、表現されていない何かが内側にある、ということでもある。
表に現れているもの以上の「表現」が自己内部に広がっているということだ。
誰しも「ああいえばよかった…」などと思い悩んだ経験があろうが、それは「表現できなかったもの」そのものなのであ

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【育児】娘にはすでに「このおもちゃは私のものだ」という意志があるっぽい

【育児】娘にはすでに「このおもちゃは私のものだ」という意志があるっぽい

私が小さかったころ、車のおもちゃである「トミカ」でよく遊んでいたものである。
その際に父親がやってきて「ちょっと見せてよ」と、トミカを一台すっと取って眺めていた時、私は心の底から「それは俺のおもちゃだから早く返してほしい」と思いながら、気の弱い私は何を言うこともなくただ父親が「奪った」トミカをまじまじと眺めていたものだった。

これは物心ついたころ、たぶん幼稚園ぐらいのときの話であるから、年齢にし

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【育児】枕と化した私

【育児】枕と化した私

生まれた頃の娘は寝返りを打てないので眠る時に動くことはさほどなかったが、いまではつたい歩きができるので非常によく動くようになった。毎度素晴らしい寝相で感心するものである。

この間娘が体調を崩し、鼻が詰まって眠るのに苦労していたことがあった。
呼吸のしやすい姿勢を探してか、何度も頭の位置をずらすのだが、偶然横になっていた私の胸の辺りに頭をことんと落としたことがあった。

それきり胸、脇腹、肩、太も

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【育児】「シナぷしゅ」は偉大なり

【育児】「シナぷしゅ」は偉大なり

テレビ東京で放映されている「シナぷしゅ」は実に偉大な番組である。
赤ちゃんに見せると不思議なほどよく集中してくれる。グズっている時でも、見せたらスッと泣き止むこともある。

おおむね可愛らしいコーナーが多いのだが、唯一ケチをつけるとすれば「がっしゃん!」というコーナーである。
これは、双子の猫である「みーたん」と「ひーたん」が、身の回りのものがつながったりくっついたりする際の擬音語として逐一「がっ

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【育児】おむつ替えはゲームである

【育児】おむつ替えはゲームである

小さいころ、私は狂ったようにゲームをし続けていた。
当時、ゲームキューブで発売された「大乱闘スマッシュブラザーズDX」というゲームをしこたまやってほぼ全クリした。テレビが使えなくなればゲームボーイアドバンスの「パワプロクンポケット6」をやり、選手育成モードの「サクセス」で彼女と遊び続けた結果オールFの選手が完成し「”サクセス”なのに全然成功していない」という悲劇を何度も引き起こしてきた。

ゲーム

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