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猫日和

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共に暮らした我が家の猫達の鉛筆画、写真、と思い出話。 ご近所の猫、猫にまつわる話など。たまに犬の話も。
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#文章

猫日和  5   台風11号猫〈1〉

猫日和 5 台風11号猫〈1〉

 1993年8月27日、台風11号が接近していた。
昼間、買い物に出かけた時に、角の電柱のあたりで若い女の子たちが白い犬を相手にしているのを見た。迷い犬だろうか。特に見るわけでもなく、素通りして、家に戻り、しばらくすると、あの犬が来て、玄関の前に座っているのが、二階の窓から見えた。
渋谷の銅像ハチ公の座り方に似た、いかにも、
頼もう〜、一晩の宿を、頼もう~、
と声が聞こえてきそうな正座であった。

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雑記 8    私と猫 猫を飼うということ

雑記 8 私と猫 猫を飼うということ

私は、自分の年齢を考えると、飼い遂げる(そんな言葉ないですけど)確信が持てなくて、もう猫を飼うことはしない、と心に決めています。
猫に関しては、まだ逝って間もなく、心の余裕もなく、

捨て猫がいるんだけれど、あなたのところにはもう1匹もいなくなったんでしょう? 寂しくない?

というお誘いを受けますが、お断りするのは大変心苦しいのですが、その猫ちゃんは、どなたか飼ってくださる方が見つかるといいと思

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猫日和 21  猫語☆空耳アワー

猫日和 21 猫語☆空耳アワー

猫との会話。猫が飼い主の言葉を解するのは当たり前だが、猫から人間に語りかけることはあるのだろうか。
フランス育ちの猫なら、フランス語を、日本なら日本語を。
猫を飼う人間は、日常当然のこととして、猫を会話している。
行ってきます、を初めとして、ご飯よ、とか、待って、とか、いい子ね、とか、今日はいい天気ね、とか、その他諸々。
家の中で精神的に少し危なくなって独り言を言っている人のようにも見えるだろう。

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雑記   13   私と猫   猫を飼うということ-3

雑記 13 私と猫 猫を飼うということ-3

猫と暮らして一番辛いことは、その猫が死んで別れなければならない時だ。そもそも寿命が違うのだから、送ることになるのは決まっている。猫を遺して自分が先に死んで世話が出来ない心残りと比べれば、送れることが幸い、と思っているが、その死が突然で、死に方が理不尽であると、失う悲しみは筆舌に尽くし難い。

爪を切ることについては、うちの貓は従順だった。
一匹の爪を切っていると、次は誰の爪を切ってくれるの? とば

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雑記   27   犬か猫か

雑記 27 犬か猫か

犬が好きか、猫が好きか、という話題は時々出くわすが、犬と猫は同じには語れない。

犬に価値を置く人と猫に価値を見出す人との判断の基準は平行線どころか、その二本が立体交差しているくらい違っている。

犬派か猫派か、という話題になると議論は白熱し、犬の味方、猫の味方というより、自分が犬や猫になったくらい興奮し、何とか言い負かそうとして険悪にさえなる。
犬には犬のいいところがあり、猫は猫として認めよう、

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